2017年9月10日日曜日

ホンダ 2代目新型N-BOXカスタム G・Lターボ 試乗レビュー(JF3)

N-BOXカスタム ブリリアントスポーティブルー・メタリック

ホンダから2代目となるN-BOXが発売されました。
ホンダ、自然吸気エンジンに「VTEC」を軽初採用して燃費を27.0km/Lまで高めた新型「N-BOX」

早速乗ってきたので、今回は新型N-BOXカスタム G・Lターボの試乗レビューというか、試乗感想についてまとめたいと思います。
試乗したグレード
N-BOXカスタム G・Lターボ Honda SENSINGでした。

タイヤサイズ
タイヤサイズは「165/55R15 75V」です。
タイヤの銘柄は「ダンロップ エナセーブ EC300」でした。
ただ、展示車でG・EXターボが置いてあったのですが、こちらのタイヤ銘柄は「ブリヂストン ECOPIA EP150」でした。
タイヤの銘柄は上記のどちらかになるのかも知れません。

運転席周り
ドライビングポジション
シートは前後調整と高さ調整(シートリフター)ができます。
ステアリング調整はチルトステアリングは装備されています。テレスコピック機能はありません。
シートは一番低い位置まで下げてみましたが、それでもアイポイントは「ごく普通」なくらいで、「低め」になる印象が特にありませんでした。
基本的には「視界の良さを維持できる」点にウェイトが置かれているのだと思いますし、安全面に配慮しているのだと感じます。

テレスコピック機能はないものの、最適なドライビングポジションはしっかりと取れる印象を受けました。

シート
試乗したタイプは「スーパースライドシート」タイプ(EX)ではなくて、標準タイプ(L)でした。
標準タイプの方が、シートの幅がややゆったり気味に作られている感じで、座った時にもゆとりがある感じがします。
「スーパースライドシート」の方には、試乗車はなかったので、座るだけ確認してみましたが、こちらは標準タイプのものより、ややタイトな印象があるものの、女性や細身の人であれば気になる部分ではなさそうでした。
ですが、やや大柄の人だと「シートが小さい」と言ったような印象を受ける部分はあるかも知れません。

シート自体は、やや硬めに作られており、長距離でも運転しやすそうな印象です。
また、シート自体の厚みは座面も背もたれ部分も、かなり厚みのある造りになっており、パット見では軽自動車とは思えないシートになっており、妥協は全くしていないものに仕上がっています。

シートは、サイドサポートも一応ありますが、それ程のサポート性はなく、「一応付いている」くらいの印象で、ホールド性はあまり高くなく、やや速めの速度でカーブを曲がる時などは、身体が揺さぶられる部分はありました。

エンジンはプッシュスタート式で、ハンドルの向かって右側にボタンがあります。

運転席からの視界
これについては、とても良いです。
バスを運転しているような見晴らしの良さです。
また、なるべく死角をなくすような努力がなされている印象があり、これは安全面を考えてもとても良いことだと思いました。

それと、頭から天井までの空間も、驚きの広さがあります。軽自動車の制限のある造りの中で、これだけのものを造っているのは驚きですし、メーカーの努力が感じられます。

各種フィーリング
今回の試乗では「エコモード」にあたる「ECON」ボタンは常に「OFF」で試乗しました。

ステアリング
ステアリングを握った時の印象としては、クルマの見た目とは異なりステアリング径が「ちょっと細め」な印象を受けました。
いや、「ごく普通」な太さなのかも知れませんが、スポーティな外観とのギャップを感じたことで「ちょっと細め」と感じたのかもしれません。
また、ステアリングにはコブもなく「おやっ?」と感じる部分ではありました。

運転中のステアリングの手応えについては、どの速度域でも「軽め」でした。
操作に対する応答性としいては、ごく自然な印象~気持ちゆったりめな感じでしょうか。
ゆったりと言っても、それを感じるのはごくわずかなものであって、基本的にはごく自然なフィーリングだと思います。
インフォーメーションについては、手に伝わってくるものはだいぶ薄味なものになっています。
ただ、不思議と、やや高速域でも不安を感じるような部分は特に感じられず、ごく普通に運転できました。

少し速めの速度でカーブを曲がったりもしてみましたが、この時はさすがにややロール感があり、身体が左右に揺さぶられる感じがあります。
ただ、スタビライザー効果もあってか、ロールもそこそこまで抑えられている印象はあります。
ちなみに、サスペンションの設定については全グレードで基本的には同じだそうです。
なので、走行面で違いとして出てくるのは「タイヤサイズ」の部分だけになってきます。

あとは、細かく左右にステアリングを切っての応答性も見てみましたが、操作に対して挙動が遅れるようなこともなく、比較的安定した動きをしてくれました。
この辺りからも、ボディの設計もしっかりしたものに仕上がっているのではないかと感じました。

ブレーキ
ブレーキは適度にかっちりなフィーリングです。
遊びはそこまでなくて、少し踏んだだけの時は少しだけ効き、それより深く(1/3以上)踏む辺りから、しっかり制動力が出てくる感じでしょうか。

低速での細かなブレーキ操作は、ストロークの少ない部分で行い、しっかりしたブレーキ操作は奥までブレーキペダルを踏んだ時に行うような、ストローク量に応じて、ブレーキの制動力に結構な違いを感じました。
ストロークが浅い部分では、緩やかな制動を示すので、カックンブレーキになることもなく、全体的としては、少し変わったフィーリングだけれども、これはこれでしっかりしている印象を受けました。
※まだクルマが卸したてで総走行距離が60kmしか走っていないクルマだったので、ブレーキ部分の「あたり」がついていないだけかも知れません。

また、フロントのディスクブレーキについては、ターボと4WD車についてはブレーキはベンチレーテッドディスクだそうです。
リアは全グレードでドラムブレーキです。

アクセル・エンジン
エンジンは新開発のようで、VTECを採用しているようです。

アクセルペダルの操作感については、基本的には軽いです。
加速感はとてもいいです。とにかくトルクが溢れており、それでいてターボらしさがいい意味でなく、低回転からトルクのあるNAエンジン、と言ったフィーリングです。

少しアクセルペダルを踏んだとき、深めにアクセルペダルを踏んだ時の印象としても、
頭の中でイメージしたものに近い動きをしてくれるので、アクセルワークもしやすいものになっています。
途中から、アクセルを深く踏み込んでみても、クルマはキックダウンするような動きもあまりなくて、グワァーンと加速してくれます。
あっという間に法定速度以上に到達してしまう印象でした。

エンジン音
普通に乗ってるときは遮音性も良くてとても過ごしやすい社内空間なのですが、加速したときの音としては、グワァーンと加速した時には、それなりの軽自動車らしい、ちょっと荒いエンジン音が聞こえてきます。
ただ、加速はいいのでその音もごく一時的なものになります。

シフト操作
ステアリングの後ろ側には、パドルシフトが装備されており、向かって右側がシフトアップ、左側がシフトダウンになっていました。
パドルシフトは「D」でも操作が行え、この場合は無操作になるとまた自然に「D」に戻る動作です。

「S」にすると、エンジンの回転数が少し高めに維持されるかたちになります。
ただ、アクセルのレスポンスが良くなるようなことは特になくて、エンジン回転数がやや高めで動作するのが基本のようです。
「S」の時にパドル操作をすると、マニュアルモードで固定されるようで、この状態になると自分でパドル操作をしないと変速をしなくなるそうです。
(エンジンのレッドゾーン、停止する前などは別だとは思いますが)

マニュアルモード固定になったあとに、オートに戻すには「ECON」ボタンを押すかシフト位置を「D」にするかになるようです。

パドルシフト
パドルシフトの反応はとてもいいです。パドルを操作すればすぐに変速してくれるので、操作するのは楽しいです。
これは、最近のホンダ車で共通して感じられる部分であり、これはN-BOXでも継承されていました。
ちなみに、シフトダウン時のブリッピング機能はありません。

乗り心地・遮音性
乗り心地については、15インチのタイヤながらとても良かったです。
マンホールの上であったり、凹凸のあるところを走っても、ダンパーが上手に突き上げを吸収しているのか、身体に伝わってくるものはとてもマイルドなものになっています。
15インチでこれだけの乗り心地を実現しているのは大したものだと思います。

この影響が出てきそうなのが「走り」の部分になる訳ですが、ここはスタビライザーを使うことで、カーブでもロールは抑え気味にすることで「しっかり感」の印象を与えることでカバーしているのだと思います。
また、上述のようにボディがしっかり造られているのだと思います。

燃費
短い距離での試乗でしたが、燃費計は12.1kmでした。
ECONモードは常時OFF、マニュアルモードを試したり、ちょっと強めの加速をした状態です。
外気温は約30℃だったので、エアコンも常時ONになっていました。

衝突安全性
衝突安全性についても聞いてみたのですが、「N-WGN」の安全性を引き継いでいる、と言ったお話をしていたものの、パンフレットにはそれらに関する記述は見当たりませんでした。
ぽんが聞きたかったのが、自動車アセスメントでの衝突安全テストの結果のことで、N-WGNのカーテンエアバッグ付きのグレードで、軽自動車として初めて五つ星を獲得した点だったのですが、それがN-BOXでどうなのか聞きたかったのですが、内容が上手く相手方に伝わっていなかったのかも知れません(^_^;)
言い方が悪かったかなぁ。
五つ星を獲得したのであれば、パンフレットでも大きめに記述できる部分だとは思うので、まだ自動車アセスメントでの結果は出ていない、などもあるのかも知れません。

その他
・ヘッドライトやフォグランプなど、ライト関連は全てLEDだそうです。
・ウィンカーは流れるタイプのものを採用しており、これは軽自動車では初だそうです。
 輸入車でそこそこ見られる機能を軽自動車で採用はすごいですね。

2代目 新型N-BOXカスタムG・Lターボ まとめ
初代N-BOXがかなり売れていたこともあり、販売末期までその売上が継続されていた中でのフルモデルチェンジになった訳で、満を持しての発売だったのだと思います。
おそらく、初代を発売後に顧客からのフィードバックなどを、新型には多数搭載したのだと思います。

それはやはり、普段に使うクルマとしての使い勝手なのだと思います。
とにかく車内空間の作り方というか、子供や赤ちゃんがいる中で、家族はクルマの中でどのような動きをして、その時にどんな機能があったら便利なのか、などとにかく細かく各シチュエーションなどをしっかりとシミュレーションして、得られた答えが今回の新型N-BOXには凝縮されているのだと感じました。

それでいて、エンジンも新開発として、VTECも搭載ということで、クルマ好きの人にもしっかりとアプローチしているのは抜かりがないと感じます。

今回はカスタムを試乗させてもらいましたが、カスタムは「走り」に振ったグレードという訳ではなく、基本的にはエクステリアや内装の質感など、走りとは基本的に関係ない部分で変化を与えている印象を受けました。
それは、サスペンションのセッティングが「全グレード」で基本的には同じ、という点からも推測できます。
とは言うものの、エクステリアやインテリアでは一切妥協がなく、普通車並かそれ以上の機能や装備を提供しているのも事実です。
なので、ファーストカーがミニバンで、セカンドカーがN-BOXといった場合や、更に言えばファーストカーがN-BOXになっても、何ら不満のない人も沢山いるのではないでしょうか。

また、Honda SENSINGの「ぶつかることを避ける」安全性にも力を入れているのはとても好印象です。
「万が一ぶつかった時」のことのための、カーテンエアバッグもオプションならが用意があるのもとても好感がもてます。

情報誌などでは「爆売れ確実」のような記載をよく見かけますが、一点気になる点としては、外観でそれ程大きな変更点がない気がしなくもない点でしょうか。
(特に標準タイプではその印象を受けます)
エクステリアデザインについては、キープコンセプトだと思いますが、これはどんな人でも「N-BOX」と分かる点はメリットとなりますが、「これは新型だぜ」という印象をそれ程与えられないというデメリットもあるように思います。
ただ、カスタムについてはエクステリアは結構変わっていますね。

価格面を見れば、軽自動車としてみると「かなり高い」と感じられますが、実際に乗ってみるとその価格もある意味「納得」できる程の作り込み、開発チームの情熱が感じられるものに仕上がっていると思います。

もはや軽自動車の販売台数1位は目標ではなく、何ヶ月連続で1位を獲得するか、という方が気になってきてしまいそうです。



0 件のコメント:

コメントを投稿