2013年7月28日日曜日

スイフトスポーツ(ZC32S) 7月18日MC後の10kg軽量化について考える

2013年7月17日にマイナーチェンジされたスイフトですが、主要諸元を見るとベースグレード、スイフトスポーツ、スイフトRS全てで車両重量が10kg軽量化されています。
※ベースグレードの4WDのみ、変化がありません。

スイフトスポーツについては、車両重量が1050kg→1040kgになっています。(6MT)
スイフトのマイナーチェンジのニュースリリースでは、この10kg軽量に関するコメントは何もありません。
スイフトスポーツが現行モデル(ZC32S)にフルモデルチェンジされた時のニュースリリースには、
「衝突安全性能や走行性能を高めながらも車両重量を約10kg軽量化した(6MT車)」と発表していることもあり、通常であれば10kgの軽量化も充分なアピールポイントになっていいはずです。

今回はこの「謎の10kg軽量化」について考えてみます。

車両重量とは
そもそも車両重量とは何かについて整理してみます。

道路運送車両法に40条-5にチラっと記述があります。

上記に記載されている「運行に必要な装備」については、以下のサイトが参考になります。

車両重量の下一桁(1の位)の取扱
また、車両重量の下一桁(1の位)の数字にも注目します。以下のサイト(PDF)が参考になります。

注意書きに、「車両重量の端数が10Kg未満の場合は切り捨てて計算します」とあります。
これが適用されるため、どのクルマのスペック表・主要諸元を見ても、車両重量の下一桁は「0」になっているのでしょう。

車両重量=実重量とは言えない
上記のことから、スペック表・主要諸元の「車両重量」は、正確な「実重量」とは言えません。


これらのことを、今回の10kg軽量化されたスイフトスポーツに当てはめて考えてみます。
主要諸元の車両重量が「1050kg」
実重量は「1050kg~1059kg」の間

主要諸元の車両重量が「1040kg」
  実重量は「1040kg~1049kg」の間
ということになります。
変な話、実重量が1050kgから1049kgになっただけで、スペック上では1040kgとなり「10kg軽量化した」ように見える訳です。


これまでの内容を整理すると
  • スイフトスポーツ(ZC32S)にFMCした際には、先代と比べて車両重量が10kg軽量化されたことをアピールポイントとしていた
  • ベース車のスイフト、スイフトRS(2WD)もMCによって車両重量が10kg軽量化されている
  • 2013年7月17日のMCのニュースリリースでは、10kg軽量化に関する言及がない

これらから言えることとしては、

「スイフトと共通化されている部分類で材質変更、構造見直しなどが行なわれた結果、数キロの減量となって、主要諸元・スペック表では端数切捨てによって10kg軽量化されたように見えている。」

のではないでしょうか。

今回の軽量化は、1kg、2kgくらいの数kg程度に留まっている可能性は高いと思います。
ニュースリリースでの発表がないことも考えると、あまりいい意味での軽量化ではない(コスト削減など)可能性も考えられます。
スイフトのマイナーチェンジ後の開発インタビューなんかがあれば、はっきり分かるかも知れませんが、今のところは未知の部分ですね。

自動車雑誌にちょっとした記載を発見
と思っていたら、自動車雑誌(カートップ)に以下の記載がありました。
「樹脂やゴム製パーツの薄型化など、細部を煮詰めることで10kgの軽量化に成功している」

雑誌ではスイフトスポーツについて書いてあるように見えますが、ベース車でも10kg軽くなっているので、どちらも同じ内容が言えるのでしょう。
ベース車と共通する部分での材質などの見直し、改良があったと言って間違いないと思います。

ベース車の4WD仕様では車両重量に変化なし
ベース車の4WD仕様では、車両重量に変化はありませんが、実際には同じ改良が行われていると思われます。それでも車両重量の「端数切捨て」の恩恵までは受けられなかったため、車両重量に変化がないのだと思います。

これらからも、実際に軽くなったのはごくわずかなのではないかと思われます。

謎の10kg軽量化のまとめ
ちょっと重複しますが、改めてまとめてみます。

スイフトスポーツの大幅なMCは今回はなかったものの、ベース車両のMCによって、スイフトスポーツと共通する部品の一部に見直しがあったことで、実重量が軽くなり、スイフトスポーツもその恩恵を受けた。
その恩恵を受けたことで、「端数切捨て」の車両重量も変わることになり、結果的に主要諸元では10kg軽くなったように見えている。

といったところでしょうか。
実際にどこの部品の改良、見直しがあったのかは不明のままですし、その目的もなんとも言えないところがありますが、主要諸元に変化があるのであれば、発表くらいはあってもいいのになぁと思ったりもしますね。

2013年7月25日木曜日

スイフトスポーツ(ZC32S) 燃費計と実燃費 その14

溜まっていた燃費記録をまとめていきます(^_^;)
今回はなんと4月の給油記録になります。

計測結果
  今回走行距離 ・・・396.1km
  給油量   ・・・30.52L
  実燃費   ・・・12.98km

燃費計表示
  平均燃費     ・・・16.6km
  航続可能距離 ・・・160km(給油前)
   (RANGE)

実燃費は燃費計の何%?・・・78.18%
(実燃費 ÷ 燃費計 x 100)

今回の走行割合
  市街地  ・・・60%
  郊 外   ・・・40%
  高速道路・・・0%

今回は早めの給油をしてしまいました。今回の実燃費も13kmを割ってしまいました。
高速道路を全く使わないと、燃費もそこそこの数字しか出ないようです。
それにしてもこの燃費計の誤差はなんとかならないものでしょうか。
マイナーチェンジしたスイフトでは、この辺りが改善されているの気になるところです。

2013年7月24日水曜日

スイフトスポーツ(ZC32S) 燃費計と実燃費 その13

久しぶりの燃費記録です。日記にまとめていない燃費記録が溜まってます(^_^;)
今回はなんと3月の給油記録になります。

計測結果
  今回走行距離 ・・・451.5km
  給油量   ・・・36.69L
  実燃費   ・・・12.31km

燃費計表示
  平均燃費     ・・・15.4km
  航続可能距離 ・・・60km(給油前)
   (RANGE)

実燃費は燃費計の何%?・・・79.91%
(実燃費 ÷ 燃費計 x 100)

今回の走行割合
  市街地  ・・・60%
  郊 外   ・・・40%
  高速道路・・・0%

今回の実燃費はこれまでのワースト記録になっています。
それもそのはず、山道を結構走ったからだと思います。坂道なんかでは燃費計の数字も常に一桁を指してたりするので、仕方ないところですね。
それでもJC08モードの燃費14.8kmの83%の数字は出ているので、頑張っているのかなと思います。

2013年7月23日火曜日

スイフトスポーツ(ZC32S) のマイナーチェンジ時期について考える

スイフトスポーツ(ZC32S)のベース車にあたるスイフト(ZC72S)がマイナーチェンジされました。


改良エンジン(デュアルジェットエンジン)を搭載したグレードの追加と、横滑り防止装置の標準装備、外観の変更が大きな変更点だと思います。
それにしても、デュアルジェットエンジンの価格は結構強気ですね。
ニュースリリースを見る限りでは、走行性能に関する部分では大きな変更点はなさそうです。
それだけ、走りに関しては元々の完成度が高いのがスイフトなのかなとも感じます。
目に見えない点での改良点はあるのかも知れませんが(^_^;)


個人的には燃費計と実燃費の誤差が修正されているのかは、とても気になるところではあります。
ベース車のマイナーチェンジはあったものの、スイフトスポーツについては、大きな変更点はありませんでした。(車両重量は10kg軽くなっており、一応2型になっています)
追記:10kg軽量化について整理してみました
http://pondada1.blogspot.jp/2013/07/zc32s-718mc10kg.html

スイフトスポーツについては、発売もベース車(2010年9月18日)と較べて、1年3ヶ月遅れで発売(2011年12月13日)された経緯があります。
スイフトスポーツについては、まだ発売から間もないために、マイナーチェンジの時期ではなかった(今は改良の研究中?)というのもあるのではないでしょうか。
スイフトスポーツは、今回のベース車のマイナーチェンジとは別の時期にマイナーチェンジを行うか、次のスイフトのマイナーチェンジと合わせてくるような気がします。
ベース車発売との差が1年3ヶ月遅れだったことも考慮すると、単純計算でスイフトスポーツのマイナーチェンジは2014年半ば頃といったところでしょうか。
(他メーカーの競合車発売などによる駆け引きなども、時期に影響がある気がしますが)
先代のスイフトスポーツではマイナーチェンジ前に「特別仕様車」を発表していましたので、このパターンが今後も継続されるのであれば、よりマイナーチェンジ時期の目安が分かるのかも知れません。
先代の発売パターンと、上記のマイナーチェンジ予想を合わせると、2013年末頃にスイフトスポーツの特別仕様車が発売されるのではないでしょうか。
勝手な予想なのでどれも的外れ感が高そうですが(^_^;)
的外れの時は、この日記もさっさと消え去ります(^_^;)

最後に、先代スイフト、先代スイフトスポーツの発売、MCの流れと、現行スイフトの発売、MCの流れをまとめてみます。
(参照ページ:スズキ・スイフト - Wikipedia

先代スイフト・先代スイフトスポーツのMCの流れ
2004年11月1日   スイフト発売
2005年 9月15日 スイフトスポーツ(1型)発売
2005年12月         スイフト(2型)発売・・・ニュースリリースなし
2006年12月6日 スイフトスポーツ Limited発売
2007年5月24日 スイフト(3型)発売
         〃           スイフトスポーツ(2型)発売・・・大幅改良を実施
2008年12月18日 スイフトスポーツ S-Limited発売
2009年5月12日 スイフト(4型)発売
        〃            スイフトスポーツ(3型)発売


現行スイフト・現行スイフトスポーツのMCの流れ
2010年10月18日   スイフト発売
2011年12月13日 スイフトスポーツ発売
2012年 6月5日 スイフト(2型)発売・・・ニュースリリースなし
2013年 7月17 スイフト(3型)発売
         〃            スイフトスポーツ(2型)発売

今は、ただひたすら待つしかなさそうですね。

2013年7月21日日曜日

フィアット 新型パンダ(3代目) 試乗レビュー (FIAT PANDA)

ジュリエッタの試乗モニターレビューはまだ完結していませんが、今回はほかの日記を書きたいと思います。

ジュリエッタの試乗モニター車を返却した際に、新型パンダを試乗させてもらいました。
(ジュリエッタの商談類の話はそっちのけで、すぐさまパンダや500の話になってしまいました)
フィアット 新型パンダ

ということで、今回はフィアット パンダの試乗レビューについてまとめたいと思います。
※試乗した時間が閉店間際だったこともあり、詳細なレビューではない点はご了承下さい。
※※公式サイトはこちら


インテリア
内装が特徴的です。
フィアット パンダインテリア

デザインテーマが「スクウェア」と「サークル」を掛けあわせた「スクワークル」というのがコンセプトだそうで、「丸っぽい四角」のデザインをいたるところに取り入れています。
ステアリングも円ではなく、ちょっと四角っぽさを演出しています。内装のデザインは国産車にはない、可愛らしさや独特なものがあります。
インパネのところには、よぉーく見ると「panda」という文字が沢山並んでいます。いったいいくつのpandaがいるのかと数える気が失せる程、ずら~りと並んでいます。
このあたりは、イタリア車らしい遊び心が感じられます。

ちなみに、後部座席の窓の開閉は、昔なつかしの手回し式です。運転席から後部座席の窓の開閉はできない訳で、パワーウィンドウに慣れてしまった今では不便さも感じますね


運転席
シートの着座位置は高めです。ちょっとだけ上から見下ろすような印象なので、運転はしやすい感じがしました。
ブレーキペダルとアクセスペダルの高さが随分違うのが気になりました。
ブレーキペダルの位置が、随分手前になっており、アクセルペダルとの距離感の違いが、ちょっと操作しにくい印象がありました。


走行性能・動力性能
ステアリングは軽い印象はなくて適度な重さがあります。インフォメーションも適度に伝えてきてくれるのが好印象です。
車両重量は1070kgと軽くはないため、乗り味にはややどっしりした印象も受けました。そのため、軽快さは薄いですが安定感のある落ち着いた乗り味だと思います。

また、足回りにはコシが感じられて、カーブではロールはするおのの、適度に抑えながら走ってくれます。
ワインディングを走り回すようなクルマではありませんが、カーブでも安心感のある挙動をしてくれそうです。
エンジンは875ccという小排気量であるものの、ターボのおかげで最大トルクは1.5リッターのNAエンジン並みの力を出してくれるようで(14.8kgm/1900rpm)、確かに充分なトルクとパワーを感じられました。通常のアクセス操作でも力不足は感じずに走ってくれます。
また、アクセスペダルを奥まで踏み込めば結構な加速をしてくれます。ツインエアエンジンのこの加速感は素晴らしいです。街乗りではまず不満を感じることはないと感じました。
エンジン音については、2気筒というのもあるのか、アイドリング時でも「バタバタ」というか、独特の音がします。どこか荒々しさを感じられる雰囲気があります。
営業さんの話では、500を例に取っていましたが、ツインエアエンジンの音は男性には好まれることが多いものの、女性受けはいまいち、みたいなことを言ってました。

動力性能と走行性能については、さすがに欧州車なのでしょうか。非常にバランス良くまとめられていると感じますし、運転していて楽しいと感じました。


ミッション
ミッションはシングルクラッチと言われるもので、クリープ現象がないのが特徴だと思います
ATに慣れてる人は違和感あるかもしれません。反対に、MTに乗ってる人にとってはあまり違和感がないかも知れません。
アクセル踏み始めは、CVTのようなニュルっとした感触もなく、ATのような踏み込み量と異なる加速をするようなこともなく、アクセル操作に忠実な出だしをしてくれて、その間隔はMTに近いものがあるように感じました。
また、変速ショックも思いのほか感じらなかったのも好印象です。
シフト操作は手動でも行えますが、完全マニュアルモードはないようで、Dモードから任意にシフト操作を行うかたちです。
試乗した時には、3速から手動でシフトダウンをしようとしたら、ちょうどクルマの方が自動変速でシフトダウンするタイミングと被ってしまって、一気に1速になってしまい、変速大ショック発生、といったのが1回ありました(^_^;)
まぁこれはご愛嬌でしょうか。

試乗では試せませんでしたが、「ヒルホールドシステム」機能によって坂道発進でも後ろに下がることがないようになってるそうです。


乗り心地と後部スペース
後部座席については広くはありませんが、大人が座っても大丈夫なスペースはあります。
乗り心地については、185/55 R15というタイヤサイズの割にはいい方で、マイルドさも感じられました。


新型パンダまとめ
さて新型パンダをまとめると、「実用車の中に、遊び心も取り入れたちょっと洒落たイタリア車」と言ったところでしょうか。
500のように趣味や好みに偏りすぎず、普段の生活の中での使い勝手も考えられた、実用性の高さもポイントだと思います。

ですが、車体価格がちょっと高いと感じます。1グレードで208万円はなぁ。
それにボディカラーもホワイト以外はプラス5万円のオプションカラーになるのも痛いですね。

欧州車なので安全装備(横滑り防止装置、サイドエアバッグなど)は充実してますし、走行性も中々いいのですが、エアコンがマニュアルだったり、後部座席の窓が手回しだったりというのは、日本での販売ではかなり不利だと感じます。

諸費用込みで200万以内に収まるような価格設定でしたら、結構売れそうな気はしますが、現在の価格設定では、正直あまり売れないような気がします。その分、このクルマのレア度は高いかも知れませんが(^_^;)
レア度を求めるならば、いい選択肢だと思います。
妻は結構気に入ったようで、いつかの買い替え候補に入れておくそうです(^_^;)
確かに、このくらいのクルマが1台あれば、ちょっとした遠出から生活車でも充分な役割を果たしてくれそうです。

このクルマのライバルは、VWのUPやルノーのカングー辺りになるのでしょうか。
「実用車」としてみれば、軽自動車もライバルになるかも知れませんが、ちょっと方向性は異なりますね。

簡単にまとめたフィアット 新型パンダ。やはり国産車にはない独特の魅力があるように思います。
走行性能・安全性については国産車のコンパクトカーや軽自動車を圧倒していると思いますし、運転の楽しさも感じられます。
それにクルマを見たり、運転席に座ったり、走り出してからなど、ちょっとしたところで何だかウキウキしてしまいそうですし、所有することに対する満足度は高いような気がします(^-^)

2013年7月15日月曜日

アルファロメオ ジュリエッタ試乗レビュー3 Alfa Romeo D.N.A.システム編 (1週間試乗モニター)

ジュリエッタ試乗レビューも今回で3回目になります。
今回はD.N.Aシステムのレビューについてまとめたいと思います。
「D.N.Aシステム」とは、アルファロメオ公式ページでは「路面状況の違いに応じて3つの走行モードを切り換えることで、車のダイナミックパフォーマンス(動的運動性能)を変化させる」とあります。

サスペンションとAlfa Romeo D.N.A.


試乗して感じたのは、モードを切り替えることによって、ステアリングの重さ、ステアリングの応答性、アクセルレスポンス(スロットル開度)に大きな変化が感じられました。
ジュリエッタ D.N.Aシステム

モードの切替はシフトレバーの奥にある、シルバーのレバーを上か下にスライドさせます。
1秒か2秒くらい、スライドさせたままにしておくことで、モードが切り替わります。ちょっとだけスライドさせただけではモードは切り替わらない点は注意です。

ノーマルモードから上にスライドさせると、ダイナミックモードに。ノーマルモードから下にスライドさせると、オールウェザーモードになります。
レバーをスライドさせるごとに、1段変化する形式です。
例えば、オールウェザーからダイナミックに切り替えるには、レバーを上にスライドしてノーマルにしてから、もう一度レバーを上にスライドしてダイナミックにするやり方になります。

ダイナミックにした時は、メーターが一瞬「ふわっ」と明るく光って演出してくれます。

次に、モードごとのレビューについてまとめます。

Dynamic(ダイナミック)モード
3つのモードのうちで、最もスポーティなモードになります。
アクセルレスポンスについては、かなり良くなります。
ちょっとアクセルを踏んだだけでもエンジンがよく回るのと、アクセルを踏んでからエンジンが反応するまでの間隔が早い印象があります。
シフト操作がオートの状態でも、回転数が若干上がったり、変速タイミングがやや高回転寄りになります。
このモードだと、エンジンが元気になった印象があってその分気持よく走れるのは確かだと思います。

ステアリングのフィーリングも変化があるのですが、こちらの印象はあまり印象はよくありませんでした。ノーマルモードでも感じた重めのステアリングは、更に重さを増します。
それと同時に、ステアリングの応答性がクイックになって、これが機敏になりすぎる傾向があります。
少しステアリングを切るだけで、「クイッ、クイッ」と曲がろうとする傾向が強くなります。
この味付けが、ステアリング操作に気をつかってしまうことになってしまい、長時間の運転は避けたい印象がありました。
また、自然なステアリングのフィーリングともかけ離れてしまいますし、クルマとの一体感も全くなくなってしまう印象でした。

最初にダイナミックを試した時には、その変化に驚いて「これはいいな」と感じるのですが、暫く乗ってみると「なんか違うなぁ」という印象になりました。
ノーマルモードとの変化がよく分かるのも相まって、スポーティさを演出しているのかも知れませんが、ぽん的にはあまり好ましい印象を受けませんでした。

ただ、この感覚が好きな人にはハマるモードかも知れません。

Normal(ノーマル)モード
ノーマルモードというだけあって、どんな場面にも対応してくれるフィーリングです。
アクセルレスポンス、ステアリングの印象共に、秀でた部分はありませんが、それ程気を使う操作にもならずに、一番自然なフィーリングで、運転がしやすかったです。
ステアリングについてはノーマルモードでも、どちらかと言えば機敏な操舵フィーリングの印象があるのですが、それでも最も自然なフィーリングに近いのかなと感じました。
アクセルレスポンスについても、だるい印象は全くなくて、踏み込めばきちんと反応してくれるし、こちらの操作に対して、最も適切な応答をしてくれるモードだと思います。

All weather(オールウェザー)モード
オールウェザーモードでのアクセルレスポンスは、鈍いというかゆったりした感覚となる。
坂道でオールウェザーモードにしたもんにゃぁ、まぁ全然進みません。アクセルをべた踏みしても「まぁまぁそう頑張らずに」と言われているかのように、スロットルが開かない印象があって、前に進んでくれません。
このゆったりした感覚は、渋滞しているような一般道や、省燃費運転を心がける時、あとは雨天や雪道を運転する際には活躍してくれると思います。

ステアリングの重さはノーマルモードと対して変わらないものの、応答性にダルさがある印象です。
中立付近でのダルさがある感覚で、ステアリングの応答性はいまいちとなります。
けれどもそこまでダルさがある訳ではないので、逆に言うとゆったりと乗れて運転しやすい、という人も結構多いのかもしれません。
ぽん的にも、疲れた時なんかにまったり運転する場合にはいいかもなぁと感じて、このモードはこのモードで、使い道は結構ありそうな印象がありました。


Alfa Romeo D.N.A.システムまとめ
3つのモードを色々試しましたが、結局「これが一番だな」と思ったのはノーマルでした。
最終的にはほとんどノーマルモードで走ってました。
それだけバランスのいいモードが、ノーマルモードだと言えます。

ダイナミックの味付けについては、好みが分かれるところかなと思います。おそらくは好みと感じる人の方が多いのかもしれません。
ですが、ぽん的には「スポーティ」という印象とは違って、それぞれの応答性を過剰なまでに敏感にしたモード、と感じてしまいました。楽しく運転する方向性からはちょっとズレてるのかなぁと。
ノーマルモードでの特性の完成度が高いので、ダイナミックはの味付けについては、こうすることでしか変化させられなかったのかなぁとも思いました。

オールウェザーについては、ゆったり運転するには適したモードだと思います。
アクセルレスポンス、ステアリングフィーリングのどちらもダルさが発生する分、気を張らなくても運転できる印象です。それは燃費にも貢献してくるので、女性にもお勧めなモードとも言えると思います。


モードによって、クルマのフィーリングや性格が変わってくるのは、十人十色の感性に近いものを選択できる、という点ではとてもいいシステムだと思います。
また、大きくフィーリングが変わるのも、分かりやすくていいと思います。
欧州車では、こういったモードを装備している車種が結構多い印象を受けます。
国産車ではまだまだ少ないようにも感じるので、今後はこういったシステムが国産車でも広がってくるのかなぁと期待したりしています(^-^)

2013年7月11日木曜日

アルファロメオ ジュリエッタ試乗レビュー2 走行編 (1週間試乗モニター)

前回の「アルファロメオ ジュリエッタ 試乗レビュー1」では、まだ運転していない状態で終わってしまいました(^_^;)
試乗レビューと言うよりは、ジュリエッタの説明だけだったような・・。
今回はエンジン始動から書いていきます。
※今回の試乗レビューでは、D.N.Aシステムは「N」のノーマルモードでの印象についてまとめています。


エンジン始動
キーをひねってエンジンを始動すると同時に、スピードメーターとタコメーターの針が全開まで一度振り切ります。
ジュリエッタ エンジン始動メーター

あくまで「針が振り切る」だけで、エンジンが空吹かしする訳ではありません。
これもちょっとした演出というか、遊び心なのかもしれません。
エンジン始動時の音は中々心地いいです(^-^)


ドライビングポジションについて
ステアリングはテレスコピックとチルト調整が可能です。シート調整は電動式ですが、こちらは一般的なレバーを倒して調整するタイプです。

ポジションを調整してみますが、基本的にはほぼ適正な位置にポジションは取れると思いますが、シートの高さは一番低くしても「やや高め」に感じるかも知れません。
それと、ステアリングの高さはあまり低くならない印象がありました。
シート高さを一番低くして、それに合わせてステアリングの高さを一番下まで下げても、ステアリング位置がちょっと高い印象がありました。(ぽんの場合)
そのため、慣れないと最初は疲れを感じる可能性もあります。
まぁその時はシートの高さを少し上げたりして調整すればいいのかとは思います。

シートについては結構硬めな作りになっています。渋滞の多い道路での運転では、1時間くらいの運転で腰への疲れを結構感じました。
ですが、高速道路での長距離運転などでは疲れは感じにくいシートなのかなとは思います。


アクセルペダルとブレーキペダル
アクセルペダルの操作感については、重いという感覚はなく、どちらかといえば軽めかもしれません。操作はしやすいですが、操作する手応えという部分については薄味かも知れません。

ブレーキペダルについてはアクセルよりも重さがあって、適度な手応えが感じられます。
ただ、ブレーキについては初動がカックン気味です。ちょっと踏んだだけで、思ったよりも強めにブレーキが効く感じです。
50kmくらいの中速~低速~のブレーキコントロールが難しく、ちょっと踏んだり、踏みますだけで「カックン」としてしまうこともあって、細かいコントロールをするには、繊細な調整が必要になります。

しかしながら、高速走行(70km以上)からのブレーキ操作については、コントロール性が結構あって、操作がしやすい印象がありました。

渋滞路や街乗りと、高速路でのブレーキコントロールの印象が結構違うものがありました。


ステアリングインフォメーションや路面情報
タイヤがTRUNZAという、コンフォート寄りのタイヤを履いているということもあるのか、ステアリングやシートから伝わってくるハズのインフォメーションは、どちらかというと薄味です。
D.N.Aモードを変更しても、ここは変化がありません。
恐らくタイヤに起因する部分が多いのかなぁとは思いますが、運転の楽しさを半減させてしまっているようにも感じる部分ではありました。


カーブでのステアリングやボディの印象
ステアリングは「重め」のセッティングです。結構重いです。ですが、ぽんはこれがたまりません(^q^)
今まで乗ったクルマの中でも、ステアリングは重い部類に入ります。

重くてどっしりしているステアリングは、ワインディングでもそのどっしり感は変わりません。
車体自体は、カーブではロールも少なく、がっしりと曲がっていく感覚で、ドイツ車的な味わいだと思います。
一般的な速度域では全く問題なく、安心してそのがっしりしたフィーリングのコーナリングを楽しめます。
ですが、インフォメーションは薄味のままなので、そこが惜しいところです。

で、一定以上の速度でカーブを走ろうとするとロールが発生しますが、このロールの感覚がちょっと怖いというか慣れない感覚がありました。

基本的にはロールもほとんどなくカーブを走り抜けてくれるのですが、一定の域を超えた時に、急にロールが始まるような感覚があって、そのロールは結構なGと傾きを感じます。
自然なロールなら問題ないのですが、突然発生する印象です。
それまでのロールを抑えた走行感覚とはだいぶ印象が違ってくるので、この突然現れる急なロールの感覚には慣れる必要があるかも知れません。

ちなみに、走行中はどっしりと重いステアリングですが、クルマを駐車場に停める時や、発進する時なんかのステアリングはとても軽くなり、操作がとてもしやすいのも好印象でした。


乗り心地
乗り心地については「硬め」に感じ、ややゴツゴツする感じはありますが、それでも適度な快適性はあるのかなと感じました。
後部座席に乗った方が、乗り心地は良く感じるようにも感じました。ただ、60kmくらいの走行中、後部座席では車体がボヨンボヨンするような印象がありました。
「硬くて跳ねる」のではなく、ダンパーとバネのバランスが悪いのかなぁという感じです。
大げさに言うと「トランポリン」のような感じです(かなり大げさですが)

あまり後部座席に乗った訳ではないので、正しい表現か分かりませんがちょっとした印象では上記のようなものを感じました。


ロードノイズ
ロードノイズについては、結構うるさい感じがしました。
これは道路の状態(老朽化した道路など)によっても、だいぶ印象は違うのですが、車内の会話が聞き取りにくくなることもしばしばありました。
高速道路でのロードノイズについても同様で、結構音は気になるかもしれません。


1.4リッター マルチエアターボエンジンの加速力
アクセルを踏み込んだ時の加速はとても素晴らしかったです。
1.4リッターとは思えないトルク感です。それに車体の重さも全く感じられず、坂道なんかでも不足は全く感じられませんでした。
また、ターボエンジンながら、その加速感はNAエンジンのようなスムーズな加速を見せてくれます。とは言うものの、アクセルべた踏みした時には加速Gもしっかりと味わえます。

試乗は主に3人乗車がメインでしたが、角度のある坂道なんかも結構走りましたが、どの場面でも充分なパワーを感じさせてくれました。
とてもいいエンジンだと感じました。


エンジンサウンド
エンジンはターボで、レブリミットも6500回転くらいなのですが、回転自体はレブリミットまでスムーズに回ってくれる印象がありました。
エンジン音は3500回転を超えた頃から、そこそこのエンジンサウンドが聞こえてくる感じです。
ただ、その音については官能的な感じは全くなく、スポーティな印象もあまり感じなかったのが正直なところです。「少しだけ」スポーティくらいな印象です。

そのため、積極的に回したくなるようなエンジンサウンドではないかなぁと思いました。
アルファロメオのエンジンとしてみると、かなり大人しいんじゃないなぁと思います。
これまでアルファロメオを乗っていた人から見れば、間違いなく物足りないハズです(多分)。

このエンジンはサウンドを楽しむという点については、あまり重点が置かれていないのかなと感じました。
これについては、「アルファロメオらしくない」とも言えるのかも知れません。


Alfa TCT(Twin Clutch Technology)
ジュリエッタのツインクラッチの名称です。ぽんもツインクラッチのクルマに乗るのは初めてだったので楽しみな部分でした。

で、そのTCTですが、その滑らかな変速にはとても関心したというか驚きました。
色々な場面で、変速ショックはほとんどありません。
これは同乗者にも不快な部分はほとんどないなぁと感じました。
敢えて変速ショックが気になる点を挙げるとしたら、、それは停止寸前の時でしょうか。
恐らくギアが2速→1速になった時なのかなと思いますが、この時だけは変速ショックを感じます。

シフト操作はマニュアルモードも搭載していますが、手動でのシフト操作のレスポンスについては中々の速さで変速してくれます。
操作してからのタイムラグは殆ど感じさせないで変速するので、マニュアルモードでも結構楽しめます。

ちなみに、エンジンを引っ張ってからシフトアップした時は、まずエンジン回転が落ちて、ぴったり回転が一致した所でシフトアップするので、体感としては「少し遅れる」ような感覚があるかも知れませんが、無理な操作にもきちんと自動で対応してくれている、と感じました。

ちなみに、Alfa TCTのギアは6速までです。
また、クリープ現象もあるので基本的には普通のAT車と同じ感覚で乗れるのも好印象です。

基本的な走行についてのレビューはこんなところでしょうか。

ジュリエッタには「D.N.Aシステム」という、モードによって走りの印象が変わる機能も装備しています。
これについては、次回以降のレビューでまとめたいと思います。

2013年7月7日日曜日

アルファロメオ ジュリエッタ試乗レビュー1 走行準備編(1週間試乗モニター)

あっという間にジュリエッタの1週間試乗モニターが終わってしまいました。
わずかな期間でしたが、普段は乗れないクルマに乗れて、しかもそれが「ジュリエッタ」ということもあり、とても楽しく充実した時間を過ごせたように思います。


数日間乗れたことで、いい部分と共に、気になる部分も色々ありましたので、アルファロメオ ジュリエッタの試乗レビュー(評価)についてまとめたいと思います。
何回かに分けて書くことになるかと思いますが、お付き合い下さい(^_^;)

試乗車のグレード
試乗モニターでお借りしたグレードは「コンペティツィオーネ」というグレードです。
アルファロメオ ジュリエッタ コンペティツィオーネ1

ちょうど中間に位置するグレードでしょうか。下位グレードの「スプリント」と比較して、走りの面での大きな違いはサスペンションとタイヤサイズでしょうか。
コンペティツィオーネの方が、よりスポーティな位置づけにあると思います。


ホイール・タイヤ
タイヤは ブリジストンのTURANZA(トランザ) ER300で、タイヤサイズは225/45 R17で、アルミホイール(カタログではアロイホイールと表記)になります。
TURANZAは欧州向けのコンフォート寄りのタイヤのようです。

快適性と運動性能の融合を図った乗用車用ラジアルタイヤ
ブリヂストンタイヤ 車種別装着リスト

車種別装着リストには、何故かジュリエッタの上記サイズが記載されていませんが、TURANZA ER300です。

ジュリエッタ タイヤ


国産車で試乗したクルマの中では、確かフィットRS(GE8)がTURANZAを履いていたように思います。


メーターパネルの演出
ドアを開けて運転席に乗り込み、ドアを閉めると、「ビン」というような音がかすかに聞こえます。
それと同時に、メーターパメル内の赤いインフォメーションモニター上で、ドット絵の「ジュリエッタ」がこちらに走ってくるような映像が見られるのと同時に、各メーターの針が2、3回、赤く光ってドライバーを迎えてくれます。

ジュリエッタ メーターパネル演出3ジュリエッタ メーターパネル演出1ジュリエッタ メーターパネル演出2

数秒待つと、ルームランプが消えますが、その際には「ビーーン」というかすかな音が聞こえてきます。
こんな細かい遊び心や演出が、アルファロメオらしい気がします。
※「ビン」という音が聞こえるのは、ドアを開けた時かも知れません。記憶が曖昧です・・。


エンジンキー
エンジンキーは、昔ながらの鍵穴に差し込むタイプのものです。
写真を撮るのを忘れてしまったのですが、とてもお洒落なキーです。
Mitoのキーの写真を以下のサイトからお借りしました。

参照URL
http://www.asahi.com/car/importcar/2011/mito/mito125.html

ジュリエッタのキーもこれと全く同じものです。キー部分は、アルファロメオのエンブレムを押しながら畳むことができます。持ち歩くときは、畳んだ状態でOKですね。

で、畳まれた状態でアルファロメオのエンブレムを押すと、キーが出てきます。
「エンジンをかける時はキーを差し込む」というのは、アルファロメオの哲学なのかも知れません。
そうでなければ、普通はプッシュスタートスイッチになりますよね。
これはとても気に入った部分でもあります(^-^)


シート
シートポジションは電動式で調整です。


高さ、背もたれの角度、前後移動の他に、腰の辺りの角度の調整(ランバーサポート)もできます。

ランバーサポートの調整をすると、腰~腎臓のある辺りが盛り上がってくるようで、マッサージ機に座っているような感覚になります。
腰痛持ちの人なんかには、この調整ができたほうが腰に優しいのかもしれません。

また、調整したシートポジションの位置は3つまで記録できます。「1」「2」「3」3つのメモリボタンがあり、そのボタンを長押しすると「ピー」という音とともに、シートポジションを記憶してくれます。
短押しで、記憶したポジションに調整してくれます。

複数人で乗る場合には、それぞれの人で記憶させておく方法や、運転する時のポジションと、降りる時のポジション(シート位置を後ろまで下げて、降りやすくする位置など)を記憶させておいて使い分ける、なんて方法もいいですよとディーラーの方が教えてくれました。

メモリボタンを押すと、即座に記憶した位置へシートが移動を始めるので、運転席側の後部座席に人が乗っている時には、ちょっと気をつけた方がいいかも知れません。足を伸ばしてたりすると、運転席のシート位置が後ろへスライドしてくるので、足が挟まれるかも知れません。(挟まれまではいかないかも知れませんが)

ちなみに、助手席側のシートについても電動式ですが、こちらにはメモリボタンがありません。
ジュリエッタ 助手席シート

また、運転席、助手席共にシートヒーターも付いています。
ジュリエッタ シートヒーター

シートヒーターの調整は手動のダイヤル式です。ダイヤルをくるくる回して、大きい数字にする程暖かくなるようです。
今回は使用しませんでしたが(^_^;)

ペダルについて
アクセルペダルとブレーキペダルを見てみると、そのサイズが大きめです。
それに、フットレストも中々のビッグサイズです。
ジュリエッタ ペダル

アクセルペダルと、ブレーキペダルの距離はちょっと近すぎるような気もししました。。
ペダルの高さはどちらもほぼ同じ高さなので、両ペダルの中間足を置けば、両ペダルを同時に踏むことも簡単にできます(^_^;)

ちなみに、エンジンはキーをひねるだけでかかります。
国産車でよくある、「ブレーキペダルを押しながらキーをひねる」といったことは必要ありません。

ふぅー、ようやくエンジンがかかりました。
今回はここまでにしておきます。
クルマが走りだしてからの試乗レビューは次回以降でまとめたいと思います。