2012年10月5日金曜日

スイフトスポーツ(ZC32S) ・デミオスポルト(DE5FS) の比較4(走行性能・特性)

今回で4回目になるスイフトスポーツ(ZC32S)とデミオスポルト(DE5FS)の比較です。
スイフトスポーツ vs デミオスポルトも今回で完結となります。(多分)
今回は両車の走行性能や特性についてまとめてみます。

コーナー(カーブ)での挙動(通常速度域)
両車でだいぶ印象が異なります。
デミオスポルトはサスペンションのストロークを充分に使いながら、適度にロールしながらしなやかに曲がっていく印象です。
スイフトスポーツの方は、ロールはより抑えられ、車体がひとつの塊となって曲がっていく印象です。スイフトスポーツはリアの踏ん張りが素晴らしく、それは運転していても感じられ、相当高い速度域でも確実に曲がってくれる感じがします。


コーナー(カーブ)での挙動(限界速度域) 2013/9/25追記
デミオスポルトとスイフトスポーツの違いを大きく感じるポイントの一つです。

デミオスポルトでは限界付近のロールがかなり発生します。身体も適正に保つのが難しく感じられるくらいロールします。
タイヤは結構鳴きながら、ズルズルと滑るような感覚で、純正タイヤの性能(セカンドグレードレベル)を表しているように感じます。
また、ステアリングに伝わってくるインフォメーションも薄いです。

スイフトスポーツは、限界付近でもロールはかなり抑えられており、ドライビングポジションも安定しています。
また、タイヤの鳴きも少なめで、タイヤ自体の性能の高さもよく分かります。限界を越えるとアンダーステアのかたちで滑り出しますが、ステアリングやシートからのインフォメーションはよく分かるので、怖さは感じられないと思います。
※なお、ステアリングコントローラーは「スイフトRS」のものに交換してからの感想になります。


高速安定性
デミオスポルトでも一般的な高速道路での走行速度であれば、安定しており不安になるようなことはありません。
安定感を感じられなくなる速度の境目は、120km弱かなと思います。
スイフトスポーツの方はデミオスポルトよりも更に安定感が高い印象があって、非常に素晴らしいです。
今のところ、安定感を感じられなくなる速度が分かりません。そのくらい素晴らしいです。

乗り心地
軽さが仇となっているのか、デミオスポルトの方が若干跳ね気味になったりバタバタ感を感じると思います。
スイフトスポーツの方はそのような印象はなく、どっしりと振動を受け止めてマイルドな乗り心地にしてくれる感じでしょうか。とは言うもののゴツゴツした感じは残りますが、17インチタイヤを履いていることを考えると充分な乗り心地だと思います。また、スイフトスポーツの方が上質な乗り心地と言えます。

両車とも、一般的な車と比べてしまえば乗り心地は悪い方だと思いますし、助手席などに座る人からは、あまりいい評判は得られないとは思います。けれどもスポーティ(スポーツ)カーとして見れば、充分な乗り心地を確保しているとは思います。

運転の楽しさ
ぽんは両車ともに「運転する楽しさ」を感じられました。
デミオスポルトの運転の楽しさが「雰囲気」「軽快さ」「ハンドリング」に赴きがある感じがあります。
それに対してスイフトスポーツは「ハンドリング」「エンジンフィール」「ブレーキ操作」「(MTなら)6速まであるシフト操作」と、車の基本的動作がしっかり作りこまれており、そのバランスが素晴らしく、それが結果的に運転することの楽しさに繋がっている印象です。
両車とも運転の「運転する楽しさ」はありますが、その楽しさの内容についてはだいぶ異なる部分があると感じます。

※以下の文は完全に個人的な意見になります。
運転していて、「もっと運転していたい」感が強かったのはデミオスポルトの方が多かった気がします。それに、デミオスポルトの方が「もっと走りたい」という気持ちをよく持ちました。なのでよく無駄に遠回りして走っていましたね。
それと、「いい車だねぇ」なんて思うのもデミオスポルトの方が多かったかなぁ。

デミオスポルトが、初めてぽんが自分で買った車だったということや、運転の楽しさに気付かされた車だったということもあるので、その辺りでひいき目があるかも知れませんので、参考にはされない方がいいと思います(^_^;)

乗り味
これも完全に個人的な意見で、妄想も含まれているので、参考にはされない方がいいです。

デミオスポルト
フランス車でよく耳にする「ねこ足」を思わせるような、しなやかさを持った乗り味。
特にコーナーを走り抜ける時の乗り味が秀逸。
スイフトスポーツ
ドイツ車のようながっちりとしたボディと、たかい剛性感。どこまでも走り抜けてくれるような質実剛健とした乗り味。
何があっても破綻しないようなその安定感とボディの塊感が秀逸。

※えーっと、ぽんは輸入車には乗ったことがないので、上記のフランス車とドイツ車のイメージは雑誌なんかを読んでいて感じる脳内イメージですのでご注意ください。

最も強く感じる不満点
どんなに気に入った車だとしても、少なからず不満は出てくるものです。
両方を乗ってみて、最も不満を感じた点について挙げてみます。

デミオスポルトの不満点としては、「動力性能(エンジン)」です。
運転していて、「普通」さがより際立っているように感じるのがこの動力性能(エンジン)部分です。
街乗りでは全く不満は出てこないのですが、高めの回転数で走った時のうなるエンジン音や、高速道路や坂道でのトルク感の弱さが気になってしまいます。

スイフトスポーツの不満点は「荷物が詰めない」ところです。
家族で出かけたり、大きな買い物をした時に際立つ不満点です。「どうやれば全ての荷物が積めるか」
などを考えなくては行けない場面もあり、パズルゲームをやっているみたいで、少し悲しくなってしまいます。

また、両車共通で感じた不満点としては「ハンドルが軽い」ことです。
ただ、デミオスポルトの方は、ハンドルの軽さも車の特性に合っている気がします。
スイフトスポーツは、「もう少し重めがいいなぁ」と運転する度に思います。

走行性能・特性のまとめ
両車の仕様を見ると、デミオスポルトは「エンジンが普通」「リアブレーキがドラム式」「MTの場合、ミッションのギア比が15Cと変わらない」という、走りの部分について、ベース車と比べてもそれ程手が加わっていないことが目につきます。
また、「専用チューニング」とされている足回りも、結局は欧州向けの足回りそのままの「欧州純正」仕様です。
詳細をよく見ていくと「意外と普通なんだなぁ」と感じてしまい、特別感が薄いことに気付きます。

それに対してスイフトスポーツは、「専用エンジン」「リアブレーキがディスク式」「ミッションのギア比」「モンロー製のダンパー」「2本出しマフラー」などなど、カタログを見るだけでもスイフトスポーツ専用装備が並びます。
「スイフトスポーツのすべて」の本などを見ると、その他にも専用チューニングしている箇所がいくつかあり、デミオスポルトよりも「特別なグレード」という感じが強く出ています。
また、開発スタッフの方々のこだわりや、多数の専用チューニングにも関わらず、そのコストパフォーマンスの高さなど、所有した時の満足感をとても感じさせてくれます。

こう見ていくと、両車は似ているようで、実はかなり異なる位置付けであると共に、開発コンセプトも違うように思います。
デミオスポルトの方は、「気軽にスポーティーさや運転を楽しめるように、というコンセプトの基に造られた」感じで、スイフトスポーツは「走りについて妥協を許さず、徹底的に磨き上げ、グローバル展開の中でもそのまま通用するような車両を」というコンセプトの基に造られているように感じます。

デミオスポルトは、レギュラーガソリン仕様と1.5Lによる自動車税など、維持費についてはスイフトスポーツよりも安くあがります。
それに、適度なトランクの広さと後部座席の広さについても、ファミリーカーとして充分機能する器があると感じるので、「車の走行性能や実用的側面の、バランスの取れたクルマ」と言えると思います。

スイフトスポーツは、「実用面の機能を犠牲にしてある分、車の走行性能に能力を振ってあるクルマ」と言えると思います。そのため、走行性能に関する部分の満足度は非常に高いものを得られると思います。

結局のところ、「クルマのどの部分を重視するか」で、両車の評価は異なったものになります。
購入をする際には、「クルマの何を大事にして、どこに妥協できるか」ということを考えていけば、おのずと答えが見つかるかと思います。


4回に分けて、デミオスポルトとスイフトスポーツの比較を行ってきましたが、いかがでしたでしょうか。
両車とも、それぞれに良さがあって、そして物足りないところもありますが、少しでもそれが伝わってくれれば幸いです。
両車とも運転が楽しめる車であることは間違いないです。
一応、比較は今回で最後の予定ですが、まだ比較していない部分などがありましたら、また書いてみたいと思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿