2012年11月7日水曜日

ホンダ 第二世代 CR-Z(マイナーチェンジ後) (α・Master label)[6MT] 試乗レビュー


ホンダのCR-Zがマイナーチェンジを受けて、2012年9月28日に発売されました。「第二世代 CR-Z」と言うみたいですね。
今回はそのCR-Z α マスターレーベル(6MT)の試乗レビューというか、感想についてまとめたいと思います。

試乗車のCR-ZはそのほとんどがCVTで、6MTの試乗車は県内でも1ヶ所しかありませんでした。
今回はそこまで行って試乗してきました。
※ちなみにマイチェン前のCR-Zには乗ったことがありません。

今回試乗したのは、「CR-Z α マスターレーベル」です。
タイヤは「205/45R17」サイズの17インチアルミホイール仕様です。
タイヤの銘柄は「ミシュラン パイロットスポーツ3」を履いていました。タイヤのチョイスもこのクルマには合っているなぁと感じますね。
試乗車のボディカラーは「プレミアムノーザンライツバイオレット・パール」というオプションカラーのものでした。
太陽光が当たっている所で見ると、深みのあるキラキラ感があり、上品で、落ち着きのあるカラーでした。カッコイイですね。

さて、早速クルマに乗り込んでみます。
まず、後部座席には妻が乗り込み、助手席にはホンダの営業さんが乗り込みます。
後部座席は足元がものすごく狭いです。前席も前寄りにスライドさせておくことで、かろうじて後部座席に座れるようになる感じです。当然、前席も狭くなります。
また、リアに向かうほど天井も低くなる形状なので、後部座席は大人は長時間どころか、数分でノックアウトされそうな勢いです。
試乗後に妻に聞くと「とてもじゃないけど、後部座席は乗れたもんじゃない」と言っていました。
後部座席は荷物置き場か、子供用シートと割り切った方がいいようです。

さて、運転席に乗り込んでみますが、ドライビングポジションは程よく低いポジションになります。ですが「86」程は低くはない印象です。それでも充分低いポジションで、スポーティさはとても感じられるものでした。シートのホールド感や、囲まれ感もバッチリで、この辺りでのスポーティさの魅せ方はとても上手だと思います。

走行モードは「ECON」「NORMAL」「SPORT」の3つのボタンが運転席の右側の方にあります。
※試乗コースは短いため、NORMALとSPORTしか試しておらず、殆どがSPORTモードで走行ています。ました。

このモードによって、アクセルレスポンスであったり、トルク感、ステアリングの重さが変わるようです。

シフトフィールですが、ストロークはやや短めな印象です。シフトノブは操作は軽い力で小気味よく入る感じです。
クラッチペダルを踏み込んだ時の印象は、適度な手応えがある感じです。
重い、軽いどちらにも当てはまらず、適度な反力があって「操作している」という意識を持てる絶妙なバランスだと思います。
ですが、これまでにスポーツカーを乗り継いでいるような人からみると、「軽い」と感じるとも思います。
ぽん的には丁度いい手応えを感じられるセッティングだと思いました。
アクセルペダル、ブレーキペダルも同様で、その重さについてはやはりバランスのいいセッティングだと思います。

シフトを1速に入れて、踏み込んだクラッチペダルを離していくと、やや奥寄りから繋がり始める印象です。
繋がり始めも自然な感じ。また、半クラのエリアがやや多めに感じました。
MTをしばらく乗っていなかったような人でも、操作しやすい印象を受けます。

走りだしてみて感じるのは、やはりそのトルクのチカラ強さ。
この辺りはさすがにハイブリッドらしさが感じられる部分ですね。1.5Lとは思えないトルク感があります。

それと、第二世代CR-Zで追加された「PLUS SPORT システム」。
このプラススポーツボタンは、ステアリングの右下の方(4時の方向)に「S+」というボタンが搭載されています。
「瞬時に力強い加速を実現」と謳っているシステムです。時速が30kmを超えると使えるようになるかたちです。
実際にギアが2速で30km以上になったところで、このボタンを押してみると、「ぐわっ」っとした加速が味わえます。
最初は「おぉ!」と感じます。この時、加速Gも感じられて身体はシートに吸い付く感じを少しだけ体感できる感じがしました。
このボタンは、ボタンひと押しでフルスロットル・フルアシストを持たせるもののようなので、街中で使ったりするとちょっと危ないのかなぁなんて思ったりもします。
それと、4速、5速でも、このボタンを使ってもみましたが、その時はあまり加速の変化はありませんでした。
高いギアや、スピードが乗ってしまってからだと、あまり効果がないのかもしれません。
低速の時にボタンを押した方が、よりその加速感を味わえる感じですね。

使い用途としては、追い越し車線や高速道路の合流地点、角度のある坂道辺りでしょうか。
システム自体はとても面白いなぁと感じます。

営業さんに了解をもらって、2速からエンジンを少し引っ張ってみました。大体4000~5000回転くらいまでだったでしょうか。
思ったほどエンジン回転が伸びない印象がありました。
回転はスムーズに回っていくのですが、回転が上がる速度がゆっくりという感じでしょうか。
タコメーターの針を見ていても、針の進みが遅いような感じです。
トルク感は回転数に関係なく、一定のパワー感を感じられる印象がありました。
また、エンジン音、排気音というのでしょうか。車内に聞こえてくるその音は、やや低音の「ぶうぉぉぉ~ん」という音で、スポーティな音を聞かせてくれます。エンジンを引っ張った時の車内は、これらの音に包まれる感じですね。
とても心地いい音であるように思いました。

ブレーキについては、しっかり効いてくれます。
ブレーキが効いている感じがしっかりと足の裏に伝わってくるので、ブレーキの効き具合がよく分かり、また、ペダルの踏み足しなどの細かい調整にもきちんと応えてくれる印象です。ブレーキ操作だけでも、一体感が感じられるように思いました。

それとステアリングのどっしりとした手応えが素晴らしいと感じました。適度な重さとインフォメーションがあって、とても好感触なフィーリングです。
カーブでもそのどっしりした手応えは変わらず、ステアリングを切った時の車体が曲がる応答性もとても良く、ロールもしないで走りぬけてくれます。
また、路面にピタっとくっついているような印象を受けるその足回りは、高い速度域でのコーナーでも破綻しない安定感を予感させてくれました。。
また、17インチでありながら、その乗り心地も中々のもの。試乗コースでは不快な突き上げなどは感じませんでした。
この乗り心地と、路面にくっついているような印象は、「パイロットスポーツ3」というタイヤの恩恵も相当にあるのではないかと思われます
※ちなみに、上記で書いたステアリングの手応えの良さは「SPORT」モードの時のものです。「NORMAL」モードではステアリングも軽めになって、応答性も落ちてしまい、スポーティさが一気にダウンしてしまう印象がありました。

それと忘れてはいけないのがアイドリングストップ。
気づかない内にアイドリングストップしていました。再始動時の振動や音も少ないです。

気になる所といえば、後方視界の悪さでしょうか。
車の形状からして、あまり期待はできないように感じますが、やはりその通りという感じです。死角もそれだけ多いのかなぁと感じます。

それと、一般道を普通に走る限りでは、とても静かです。乗り心地も悪くないですし、全体的に上質な車である印象を受けます。
「ちょっとスポーティに走りたい」というときは「SPORT」モードにしたり、引っ張ったりする訳ですが、その時のアクセルレスポンス、ステアリングの手応え、そして車内に聞こえてくるエンジン音などが、気持ちを盛り上げてくれることに一役買っています

エコとスポーティさと、ハイブリッドによるパワーが組み合わされたCR-Z。
オーナーが走りに対して、色々な選択肢が与えられたクルマだと感じます。
それは3つの走行モードであったり、「S+」のボタンであったりする訳ですが、ボタンひとつでクルマの特性や性格が「なんとなく変わる」とかではなく、「大きく変わる」のが面白いところです。

わずかな時間の試乗でしたが、とても楽しく運転させてもらいました。

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