2012年11月25日日曜日

マツダ 3代目新型アテンザ(GJ) XD Lパッケージ(ディーゼル) 試乗レビュー



アテンザセダン1(GJ) ソウルレッドプレミアムメタリックアテンザセダン1(GJ) ソウルレッドプレミアムメタリック


アテンザセダン XD Lパッケージ内装


2012年11月20日に発表・発売されたマツダ新型アテンザ。
今回のモデルは、ハッチバックの「スポーツ」のモデルがなくなったものの、ディーゼルエンジン、6MTの設定があり、とても楽しみなモデルでもあります。
早速 ディーゼルエンジン仕様の「XD Lパッケージ」のアテンザセダンに試乗させてもらいましたので、今回は試乗インプレッションについてまとめたいと思います。

試乗させてもらったグレードは、前述のとおり「アテンザセダン XD L Package」です。
ディーゼルエンジンの6ATで、レーダークルーズコントロール、リアビーグルモニタリングシステム、その他のマツダの安全装備をフル装備で、電動・レザーシート仕様にヒートシーターまで標準装備の最上級グレードです。
最上級グレードの車体価格は税込340万円という、中々プレミアムな価格になっています。

まずはその外観から。
第一印象は「デカイ」です。スペックからも大きいことは分かりますが、実際に見るとやはり大きいです。
車体のデザインについては、カッコイイと感じました。写真で見ていた時から、洗礼されたデザインで個人的にも好みな感じはありましたが、実物もとても素晴らしいデザインと感じました。
CX-5から始まった新しいシグニチャーウィングが「あぁ、これが新しいマツダの顔なんだな」と感じさせてもくれますね。
ボディカラーはアテンザのイメージカラーで、オプションカラーでもある「ソウルレッドプレミアムメタリック」でした。
とにかく鮮やかな赤色です。
至近距離で見ても「キラキラ」感はあまり感じないのですが、遠目から見た時の印象が光の当たり加減で結構変わりそうな衣装がありました。
ぽんの乗っているアブレイズレッドパールのスイフトスポーツと比べても、そのレッドの深みには大きな差を感じてしまいました・・。

タイヤサイズは225/45 R19の19インチアルミホイールを履いており、タイヤ銘柄は、ブリジストンのTURANZA(トランザ) T001というものでした。

早速車に乗り込んでみます。
内装はレザー仕様で、内装カラーはホワイトでした。内装がホワイトであるためか、車内が明るく感じて広さを演出しているようにも感じました。
運転席に座ってみます。シートの調整は全て電動式です。シート右側にあるレバーの調整で細かなシートポジションのセッティングができます。
手動式ですと、予め決められている窪みまでスライドして調整するように、調整幅が決められていることが殆どですが、電動式ですとミリ単位での微調整が可能ですね。これはとても便利であると感じます。
それと、シートヒーターが運転席と助手席に装備されており、温度調節は3段階になっていました。センターパネル内にあるボタンで調整する形式でした。

シートはレザー仕様になっており、質感の高い仕上がりになっています。シートはやや大きめに作られている印象を受けました。
シートに座った時の印象は硬めな印象がありますが、妻曰く「硬めの低反発クッションのような印象」と話していました。硬めなんだけれども、疲れにくいという印象を受けたのかも知れません。

ステアリングには様々なボタンが装備されています。また、パドルシフトも装備されています。
エンジン始動はプッシュボタン式で、ハンドルの左側に付いています。アクセルを踏みながらこのボタンを押すと、ディーゼルエンジンが始動します。

エンジンを始動してみて、ディーゼルエンジンっぽさがあるかどうかですが、まずはその音。
音は「ガラガラ」と聞こえてきて、CX-5の時よりもその音が大きく感じて「あれ、ディーゼルっぽい音が結構聞こえるなぁ」と思いました。
振動については、CX-5とそれほど違いは感じませんでしたが、アテンザにはそれにプラスしてシートを通じて振動が伝わってくる印象があるように感じました。
このディーゼルエンジン特有の音と振動ですが、助手席に座った時の印象が運転席に座った時とは異なります。
助手席に座ると、このガラガラ音やシートからの振動がほとんど感じられず、助手席であればガソリンエンジンかディーゼルエンジンかの区別はつかないなぁと感じました。
運転席と助手席でのこの印象の違いは、エンジンのレイアウトによるものかも知れないそうです。(営業さん談)

アクセルペダルはCX-5と同様にオルガン式です。そのどっしりとした踏みごたえがとても好印象です。
アクセルを踏み込んでいった時の印象もとても良くて、吊り下げ式のアクセルペダルよりも疲れにくいですし、操作しやすいように思います。

ブレーキについては剛性が高い印象で、踏み込んだ時の手応えもしっかりしています。ブレーキペダルのストロークはあまりないように感じて、短いストロークの中でブレーキの効き具合を調整をするような印象を受けました。
車両重量が1510kgですが、ブレーキの効き具合は充分で、重い車体もしっかり止まるブレーキ、という印象でした。

さて、ディーゼルエンジンですが、アクセルを踏んで車が走りだすと、アイドリング時よりも「ガラガラ」音が更に大きくなるように感じます。この辺りの印象もCX-5とは異なる印象を受けました。

ディーゼルエンジンはCX-5と同じ2.2リッターのモデルですが、そのセッティングは異なるようでCX-5の方がスポーティーなセッティングで、アテンザの方がジェントルマン(?)なセッティングなのだそうです。
具体的にどこが違うのかなのですが、CX-5の方が加速時のターボ(ぐわっと急加速するような)を強く感じさせるセッティングになっており、アテンザの方はそれを抑えめにして、スムーズでフラットな加速をするようにセッティングされているそうです。

加速は本当に凄いです。アクセルを踏み込んだらあっという間に80kmを超えてしまうような印象で、その加速力には圧倒されてしまいます。それでいて、上述の通りに確かにフラットでスムーズな加速をしてくれるのです。
この爆裂な加速力があることで、運転する上でのストレスを感じる場面は一切ないように思います。
追い越し車線での加速や、高速道路での合流などではその素晴らしい加速が快感になるのではないでしょうか。
高速道路での合流なんかでは、下手をしたら加速し過ぎて合流前する前に、高速の左側車線を走っている車を追い越してしまいそうな勢いすらありそうです(^_^;)

ステアリングは結構軽めな印象を受けました。ステアリングの応答性は機敏性よりも、ややゆったりした反応を示すようなフィーリングだったように思います。ステアリングインフォメーションは適度な印象で、希薄でもなく濃密過ぎでもなく、必要な情報は伝わってくるように感じました。
けれども高速安定性はとてもありそうな印象もあって、軽めだけど安定感を感じさせるような、なんとも不思議なステアリングの印象でした。
試乗コースが直線が多いところで、カーブなどをあまり試せなかったのですが、緩いカーブを曲がった印象ではある程度ステアリングを切り込んでからの印象は、やはり機敏性はないものの、ステアリング操作に対して忠実に曲がっていく印象で、そこにキビキビ感のような演出なども感じさせません。あくまで自然に曲がっていく感じです。
これは、従来のマツダらしいステアリングの印象とは違うものかも知れません。
それでいながら、カーブを走り抜けるのが楽しくなるような印象はこれまでのマツダ車と同様に感じることができそうでした。
この辺りは、自動車作りの基本にブレがないことを感じさせてくれるメーカーであるなと思います。

アイドリングストップについては、エンジンストップする時はとても自然で、再始動もスムーズで全く違和感はありません。再始動時の振動も気になることはありませんでした。
「おや?」と思ったのが、信号停止する場面は結構あったのですが、アイドリングストップが始動する場面が少なかったことです。車が停まってもアイドリングしたままの状態、という場面が何度かありました。もちろんアイドリングストップ機能は「ON」になっています。
アイドリングストップは、ある程度の条件が揃わないと始動しない訳ですが、マツダの営業さん曰く、「今日はアテンザ試乗のお客さんが多くて、短い距離を走ることを繰り返したので、煤が溜まったのかも知れない。その煤を自動除去しているのでアイドリングストップが始動しないのかも」とのことでした。
なるほど、ガソリンエンジンとは異なる点はこのようなところからも感じます。

パドルシフトについては、記憶が曖昧なのですが、ステアリング左にあるパドルシフトを手前側に押すとシフトダウンで、ステアリング右にあるパドルシフトを手前側に押すとシフトアップだったと思います。
また、シフトが「D」のままでも操作が可能でした。
「D」の状態で、パドルシフト操作をすると、最初に「3」などのギア表示に切り替わり、引き続きパドルシフト操作をすることで、シフトアップ、ダウンができます。
そして、しばらく操作をしないと自動的に「D」表示に戻る動きをしていました。
もちろんシフトレバーの中にはマニュアルモード用の位置もあるので、シフトレバーをここに移動させれば、完全なマニュアルモードでの操作になります。

アテンザのATの完成度はとても高いように感じて、パドルシフト操作は本当におまけ程度かもかも、と思ってしまう程でした。アクセル操作に対して、こちらの意図する動きをきちんとしてくれる感じがします。
パドルシフトでシフトダウンして、加速!ということをしなくても、アクセルを踏み込むだけで、爆裂加速をしてくれる感じでしょうか。とにかく「自動」の精度が高いという印象を受けました。
また、変速ショックもほとんど感じられなくてとてもスムーズにシフトアップ、シフトダウンをしてくれる印象がありました。
※「D」モードで走行している際の印象です。

乗り心地については、19インチにしてはとてもマイルドです。それなりのゴツゴツを拾ったりはするものの、うまく抑えこむように仕上げているというか、快適性を感じる乗り心地になっていると感じました。
17インチアルミホイールもオプションで選べるようですが、こちらを選択すればより乗り心地は向上するのは間違いありません。
が、ぽん的には19インチがアテンザの車の性能を考えても最適であるように思います。

また、レーダークルーズコントロールというのも試させてもらいました。
スピードメーターの右隣りにある画面上に、車のマークが出ることがあって、このマークが出ると前に走っている車を「捉え」たということになるそうです。
ここで、レーダークルーズコントロールをセットすると、セットした速度で自動的に走ってくれて、前の車が減速するとそれに合わせて減速、加速をしてくれます。
信号が赤になって前の車も停止のために減速していくと、アテンザはブレーキ操作を一切しなくても減速してくれて、時速が15kmくらいになると「ピー」という音でブレーキを踏むように知らせてくれます。
完全停止まではしないようで、最後は「人」による停止操作が必要なようです。
このシステムが付いている車には初めて乗りましましたが、自動で減速してくれたりと中々感動してしまいます。
最後の操作は「人」が行うのも、理にかなっているようにも思いますね。

また、ハイビームコントロールシステムというものも装備されており、前車や対向車がいるときは、ロービームで走り、それらがいない道路では自動的にハイビームにして走ってくれるシステムです。
これも使わせてもらいましたが、中々に便利な機能でした。もちろんこのモード自体を「OFF」にすることも可能で、「手動派」の人は従来通りの手動操作が可能です。
このシステム、とても便利なのですが今回試乗した時に「対向車と前車はいないけど、向こうから自転車が走ってくる」場面があって、その場合はハイビームで走り続けてました。
ハイビームは自転車にとっても眩しくてしょうがないというのは、ぽんが自ら経験しているので、ちょっと申し訳なさを感じてしまいました(^_^;)

試乗では妻が後部座席に座っていましたが、後部座席の広さはとても広くて、乗り心地も快適でとてもよかったと話していました。「高級車に乗っているようだった」そうです。うむ、アテンザは確かにマツダの高級車です・・。

それと、車体については運転していてもやはり大きいです。ちょっと狭い道に入った時などはやはりその大きさを痛感してしまいました。
車幅が1840mm、全長もセダンで4860mmと、かなり大きいサイズになるため、「慣れ」でカバーできる範囲なのかどうかも、購入する際には要確認項目になるかなと思います。


さて、試乗レビューについてまとめてきましたが、足回りについてどうなのかについては、今回の試乗の中では確認する場面がほとんどなくて、レビューにまとめきれていません。
これについては、「クリーンディーゼル実車体験試乗会」に参加予定なので、そこでアテンザを乗った時に確認できるかなと思います。これについては、また改めてまとめたいと思っています。

さて、アテンザの現在の納期についても聞いてみたのですが、現在の納期は3ヶ月待ちとのことでした。

CX-5に続くフルスカイアクティブ搭載のアテンザ。
CX-5もとてもよかったですが、アテンザも中々素晴らしく仕上がっているように思いました。6MTのグレードがあることも、とても嬉しく思います。
全体的に、アテンザの方がCX-5よりも落ち着きのある走りをするように思いました。これはマツダの「プレミアムモデル」という位置づけからくる味付けなのかも知れません。しかしながら、運転の面白さも感じられそうなのはハンドリングなどは、とても好感が持てます。
また、ディーゼルモデルばかりが注目されがちですが、マツダ社内のアテンザ研修会?に参加した営業さん曰く「ガソリンエンジンモデルが中々いい」そうです。
CX-5のガソリンエンジンモデルも、スポーティーでとてもよかった印象がありますが、アテンザについてもガソリンエンジンモデルならではの良さがあるのかも知れません。
6MTモデル共々、今後乗り比べられる機会があれば乗り比べてみたいと思っています。

※クリーンディーゼル実車体験試乗会でのGJアテンザの簡単な試乗レビューをまとめましたのでご参照下さい↓
マツダ新型アテンザ、CX-5(2WD) 試乗レビュー(クリーンディーゼル体験試乗会にて)

※新型アテンザ XD 6MTモデルの試乗は↓をご参照下さい。
マツダ 3代目アテンザ(GJ) XD 6MT 試乗レビュー

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