2012年11月6日火曜日

ホンダ N-ONE試乗レビュー(プレミアム ツアラー Lパッケージ)(JG1)

N-ONEプレミアムツアラーLパッケージ

ホンダ N ONE(プレミアム ツアラー Lパッケージ) 試乗レビュー
2012年11月1日にホンダから N ONEが発表されました。
ホンダの軽自動車 「N」シリーズの第3段ですね。
既に「N BOX」「N BOX +」が売れている訳で、認知度はもう結構高いような気もします。
今回はその 「N ONE Premium Tourer Lパッケージ」の試乗レビューというか感想をまとめたいと思います。

ホンダのディーラーには、元々第二世代「CR-Z」の試乗に行ったのですが、ちょうどN ONEもあったので乗らせてもらった感じです。(第二世代 CR-Zの試乗レビューは後日まとめたいと思います)

さて、「N ONE」ですが、ディーラーにあったのは最上級グレードの「Premium Tourer Lパッケージ」です。
とにかく装備充実のプレミアム車ですね。エンジンはターボで、装備ではサイドカーテンエアバッグ、パドルシフト、クルーズコントロールまで付いています。

タイヤは15インチアルミホイールで、165/55 R15というサイズです。タイヤはブリジストンの「B250」というものでした。「B250」がどんなタイヤなのかですが、調べた限りではエコ寄りのスタンダードなタイヤで、特にこれといった特徴はなさそうなタイヤっぽいです。が、詳細は不明です。

早速車に乗り込んでみますが、まずはその内装の質感に驚愕します。軽自動車という感じがまったくしないほどに、上質感が漂っています。そこら辺のコンパクトカーも圧倒しています。
内装の作りが違うだけでも、運転中の気分がなんとなくリッチなになる不思議。
この内装は毎回車に乗り込むたびに、気分が盛り上がるのではないでしょうか。内装だけでも一味違う雰囲気を楽しめると思います。

シートはベンチシートになっています。シートはやや硬めの造りになっており、長距離運転も想定したシートになっているように感じました。背もたれにはホールド感を持たせるように、両サイドが少し盛り上がった形状をしていますが、ベンチシートということもあり、それほどのホールド感は感じられなかったように思います。

意外に感じたのが、ワゴンっぽい車種なのに運転席に座った時の印象はワゴンっぽさがなくて、普通車に乗っているような印象を受けました。上から見下ろすような視界ではなくて、一般的な車に乗り込んだような視界ですね。
ワゴン系に普段乗っていない人でも、違和感は感じないと思います。
ドライビングポジションは、チルトステアリングも付いており、自由度の高いポジションが取れます。

ミッションはCVTです。このグレードには7速パドルシフトも付いています。
パーキングブレーキはフット式でした。
エコ運転を支援する「ECON」ボタンが付いていましたが、今回の試乗ではNORMALモードで走行しました。

早速走りだしてみますが、出だしではクリープ現象がありませんでした。アクセルを踏まないと全然進まなかったのは、マニュアル車のような感覚で個人的には好みです。
エンジンは中々静かです。
アクセルを踏めば、それに応答して軽自動車以上のパワー感で前に進んでくれます。あまり踏み込まなくてもしっかり前に進んでくれます。
アクセルを踏み込んでいっても、そのパワーの出方はとてもスムーズで、リッターカーに乗っているような感覚がありました。
また、回転数だけ先に上がってしまうような感覚も抑えられていて、アクセルとエンジンの回転数とミッションの感覚は良好だったように思います。
また、アクセルの操作は重くもなく、軽すぎでもなく、一般的な感覚でした。

ステアリング操作はとても軽いです。ステアリングを切った時の手応えも薄い印象で、ステアリング操作との一体感はあまり感じられず、ステアリングフィールはあまりよくなかったように思います。
けれどもカーブではロールするような感覚はよく抑えられている感じはありました。

ブレーキフィーリングは普通な感じです。カックンブレーキまではいかないけど、初動制動はやや強めなセッティングだと思います。
また、ブレーキの効きの調整幅はあまりないように感じたので、ブレーキ制御を細かく調整を行えるような感じではない感じです。あくまでただ「止まる」ための機能という感じがします。

営業さんの話しによると、N ONEの開発者さんは高速道路を不安なく走れる車に仕上げたとのこと。
けれども、ハンドルが軽くてインフォメーションも薄いため、高速道路での安定性については何とも言えないところかなぁと思いました。
実際に運転してみないと分かりませんが、試乗した限りではあまり期待はできなさそうな印象です。
けれども100kmくらいの速度域であれば不安に感じることもなく、普通に走れるとは思いました。
それと、高速道路での動力性能は期待できそうです。トルク感が強いので、高速道路での緩い坂道なんかで、「アクセルを踏んでも全然進まない」、というようなシチュエーションはあまりないように思いました。
これ1台でどこにでも行けそうな感じがしますね。

運転していて思ったのは「軽自動車」と感じることは全然ないなぁということでした。本当に普通車のちょっと上質な車に乗っているような感覚です。
それは内装の質感であったり、動力性能、落ち着きのある乗り心地から感じられると思います。にかく「安っぽい」感じが全くしませんでした。(最上級グレードだからなのかも知れませんが)

街中を走っていて、不満を感じるような場面に遭遇することはないのではないでしょうか。
普段使っていく中では、満足感を得られる場面の方が多いような気がしました。

けれども、「運転の楽しさ」という観点から見てみると、最上位車種で15インチのタイヤを履き、エンジンはターボを搭載しているものの、運転そのものにスポーティさは全くなく、運転の楽しさを感じるのは難しいかなぁと思いました。
やはり「実用車」の部類に入ってしまう感じです。
それを強く感じるのは、やはりステアリングの感覚やブレーキの感覚だったりします。
けれども、この車のニーズから考えると、このセッティングで正解なのかも知れません。

正に「実用車」としての完成形の一つだと感じます。
シートアレンジは多彩だし、後部座席は広いしトランクも中々の容量。スペアタイヤはパンク修理キットにした分、スペアタイヤが入るべきスペースも収納場所として使われています。
装備ではパドルシフト、クルーズコントロール、横滑り防止装置、カーテンエアバッグなんかまであって抜かりなしですね。
「安全装備」であるカーテンエアバッグなんかは、上位グレードだけでなく、下位のグレードでもオプションが選べるようになればいいのになぁとも感じてしまいました。

それとポイントが高いと感じたのが多彩なスタイリング設定です。フロントグリルを変えたり、シールというかチェッカーを付けたり、はたまたシートの柄をアレンジしたりと楽しめるようです。
ボディカラーをツートンカラーのタイプにすると、その組み合わせによっては「あれ、ミニだ」と錯覚するような組み合わせもありますね。
これまでの「N」シリーズの実用性に、個性とお洒落をプラスしたような車だと思います。
これらの日本車らしくない設定ができるのもいいところだと思います。

この車にはイエローとかレッドとか明るいカラーがよく似合うと思いました。ぽんなら迷わずイエローを選ぶかも知れません。

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さて、とりあえず見積りまでもらってみましたが、最上位グレードでオプション諸々を付けると、200万近くの見積になってしまいます。うーむ、スイフトスポーツが普通に買えてしまいます・・。

軽自動車にどこまで投資できるか、というところですね。
ただ、NAエンジンのGグレードは115万円~の設定なので、価格帯の幅の広さも、多くのユーザーを取り込める要素になっていると思います。

それとオプションでちょっとびっくりしたのが、ディーラーオプション。
ディーラーオプションのカタログ掲載価格は、それにプラスして「作業工賃」も発生すると記載があります。
スズキ、マツダでは取り付け工賃込の価格だったので、ちょっとびっくりでした。(これって普通なんですかね?)

それと値引きについては、現時点では無理(0円)とのことでした。
本気で値引き交渉はしていませんが、話を聞いた感じだと値引きはかなり厳しそうです。

試乗に行った日は、N ONE発表後、初めての週末だったこともあり、ディーラーでは絶え間なく違うお客さんがN ONEを見たり試乗したりしている状況で、店内もほとんどのテーブルが埋まっている状況でした。

ホンダのNシリーズ3部作(?)で、ホンダの軽への取り組みと、認知度、そして販売網が確立されたように感じます。

あとは衝突安全性の実験結果が気になるところですね。これは「自動車アセスメント」の結果がその内に出るのではないでしょうか。

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