2013年7月15日月曜日

アルファロメオ ジュリエッタ試乗レビュー3 Alfa Romeo D.N.A.システム編 (1週間試乗モニター)

ジュリエッタ試乗レビューも今回で3回目になります。
今回はD.N.Aシステムのレビューについてまとめたいと思います。
「D.N.Aシステム」とは、アルファロメオ公式ページでは「路面状況の違いに応じて3つの走行モードを切り換えることで、車のダイナミックパフォーマンス(動的運動性能)を変化させる」とあります。

サスペンションとAlfa Romeo D.N.A.


試乗して感じたのは、モードを切り替えることによって、ステアリングの重さ、ステアリングの応答性、アクセルレスポンス(スロットル開度)に大きな変化が感じられました。
ジュリエッタ D.N.Aシステム

モードの切替はシフトレバーの奥にある、シルバーのレバーを上か下にスライドさせます。
1秒か2秒くらい、スライドさせたままにしておくことで、モードが切り替わります。ちょっとだけスライドさせただけではモードは切り替わらない点は注意です。

ノーマルモードから上にスライドさせると、ダイナミックモードに。ノーマルモードから下にスライドさせると、オールウェザーモードになります。
レバーをスライドさせるごとに、1段変化する形式です。
例えば、オールウェザーからダイナミックに切り替えるには、レバーを上にスライドしてノーマルにしてから、もう一度レバーを上にスライドしてダイナミックにするやり方になります。

ダイナミックにした時は、メーターが一瞬「ふわっ」と明るく光って演出してくれます。

次に、モードごとのレビューについてまとめます。

Dynamic(ダイナミック)モード
3つのモードのうちで、最もスポーティなモードになります。
アクセルレスポンスについては、かなり良くなります。
ちょっとアクセルを踏んだだけでもエンジンがよく回るのと、アクセルを踏んでからエンジンが反応するまでの間隔が早い印象があります。
シフト操作がオートの状態でも、回転数が若干上がったり、変速タイミングがやや高回転寄りになります。
このモードだと、エンジンが元気になった印象があってその分気持よく走れるのは確かだと思います。

ステアリングのフィーリングも変化があるのですが、こちらの印象はあまり印象はよくありませんでした。ノーマルモードでも感じた重めのステアリングは、更に重さを増します。
それと同時に、ステアリングの応答性がクイックになって、これが機敏になりすぎる傾向があります。
少しステアリングを切るだけで、「クイッ、クイッ」と曲がろうとする傾向が強くなります。
この味付けが、ステアリング操作に気をつかってしまうことになってしまい、長時間の運転は避けたい印象がありました。
また、自然なステアリングのフィーリングともかけ離れてしまいますし、クルマとの一体感も全くなくなってしまう印象でした。

最初にダイナミックを試した時には、その変化に驚いて「これはいいな」と感じるのですが、暫く乗ってみると「なんか違うなぁ」という印象になりました。
ノーマルモードとの変化がよく分かるのも相まって、スポーティさを演出しているのかも知れませんが、ぽん的にはあまり好ましい印象を受けませんでした。

ただ、この感覚が好きな人にはハマるモードかも知れません。

Normal(ノーマル)モード
ノーマルモードというだけあって、どんな場面にも対応してくれるフィーリングです。
アクセルレスポンス、ステアリングの印象共に、秀でた部分はありませんが、それ程気を使う操作にもならずに、一番自然なフィーリングで、運転がしやすかったです。
ステアリングについてはノーマルモードでも、どちらかと言えば機敏な操舵フィーリングの印象があるのですが、それでも最も自然なフィーリングに近いのかなと感じました。
アクセルレスポンスについても、だるい印象は全くなくて、踏み込めばきちんと反応してくれるし、こちらの操作に対して、最も適切な応答をしてくれるモードだと思います。

All weather(オールウェザー)モード
オールウェザーモードでのアクセルレスポンスは、鈍いというかゆったりした感覚となる。
坂道でオールウェザーモードにしたもんにゃぁ、まぁ全然進みません。アクセルをべた踏みしても「まぁまぁそう頑張らずに」と言われているかのように、スロットルが開かない印象があって、前に進んでくれません。
このゆったりした感覚は、渋滞しているような一般道や、省燃費運転を心がける時、あとは雨天や雪道を運転する際には活躍してくれると思います。

ステアリングの重さはノーマルモードと対して変わらないものの、応答性にダルさがある印象です。
中立付近でのダルさがある感覚で、ステアリングの応答性はいまいちとなります。
けれどもそこまでダルさがある訳ではないので、逆に言うとゆったりと乗れて運転しやすい、という人も結構多いのかもしれません。
ぽん的にも、疲れた時なんかにまったり運転する場合にはいいかもなぁと感じて、このモードはこのモードで、使い道は結構ありそうな印象がありました。


Alfa Romeo D.N.A.システムまとめ
3つのモードを色々試しましたが、結局「これが一番だな」と思ったのはノーマルでした。
最終的にはほとんどノーマルモードで走ってました。
それだけバランスのいいモードが、ノーマルモードだと言えます。

ダイナミックの味付けについては、好みが分かれるところかなと思います。おそらくは好みと感じる人の方が多いのかもしれません。
ですが、ぽん的には「スポーティ」という印象とは違って、それぞれの応答性を過剰なまでに敏感にしたモード、と感じてしまいました。楽しく運転する方向性からはちょっとズレてるのかなぁと。
ノーマルモードでの特性の完成度が高いので、ダイナミックはの味付けについては、こうすることでしか変化させられなかったのかなぁとも思いました。

オールウェザーについては、ゆったり運転するには適したモードだと思います。
アクセルレスポンス、ステアリングフィーリングのどちらもダルさが発生する分、気を張らなくても運転できる印象です。それは燃費にも貢献してくるので、女性にもお勧めなモードとも言えると思います。


モードによって、クルマのフィーリングや性格が変わってくるのは、十人十色の感性に近いものを選択できる、という点ではとてもいいシステムだと思います。
また、大きくフィーリングが変わるのも、分かりやすくていいと思います。
欧州車では、こういったモードを装備している車種が結構多い印象を受けます。
国産車ではまだまだ少ないようにも感じるので、今後はこういったシステムが国産車でも広がってくるのかなぁと期待したりしています(^-^)

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