三代目 新型フィットが発表、発売されました。
ホンダ、「燃費」「空間」「かっこよさ」を進化させた新型「フィット」
ホンダの基幹車種であり、これまでの販売実績からもユーザーからの評価も高い車種かと思います。
その車種の新型ということで、ホンダからもその本気度が正式発表前からとても伝わってきていたように感じます。
ホンダ、9月に新型「フィット」発売
ということで、早速試乗してきましたので、試乗レビューについてまとめたいと思います。
※今回試乗した時、走行モードが「ECON」という省燃費モードでずっと走ってしまいましたので、その印象になります。
試乗したのは「フィットハイブリッド Lパッケージ」です。
上から2番目のグレードになります。
外観について
外観ですが、写真ではのっぺりした印象があったのですが、実際に見ると未来的な印象も受けて、結構良かったように思います。
ボディカラーは「ティンテッドシルバーメタリック」の有償オプションカラーでしたが、ややガンメタっぽい色合いで、このカラーも中々よかったです。
タイヤはヨコハマタイヤの「ブルーアース E50」を履いていました。
タイヤサイズは「185/60 R15」でしたが、一般販売車両にはブリジストンのエコピアEP150が装着されるようです。
「ECOPIA(エコピア)」が本田技研工業株式会社の 新型コンパクトカー「FIT(フィット)」と「FIT HYBRID(フィット ハイブリッド)」に新車装着
シート・ドライビングポジション
運転席に座り、ドライビングポジションを合わせますが、ステアリングはテレスコピック、チルト機能が装備されており、シートには上下に動かせるシートリフターが付いています。
ポジション合わせはしっかりと出来ました。
それと、シートは硬めでした。長距離も難なくこなせてくれそうな印象がありました。中々いい素材、座り心地だと感じました。
エンジンをかけるときは、ブレーキペダルを踏んだまま、ステアリングの左側にあるエンジンスタートボタンを長押しします。
エンジンを始動しても、動き出したのか分からないくらいの静かさです。ガソリン車とは違うこの感覚は何とも不思議な感じがします。
アクセルペダルを踏んで、動き出すと「ヒューン」というモーターのような音が聞こえてきますが、やっぱり静かです。
アクセル感覚
アクセルペダルは適度な重さがあって、操作がしやすかったです。
加速については、さすがのハイブリッドなのでしょうか。中々のトルク感がありながらも、スムーズな加速をしてくれます。モーターとエンジンのバランスがいいのか、とても自然な加速感がとても好印象でした。
ステアリング・カーブの印象
ステアリングの重さは少し軽め、手応えもやや薄味であるものの、スッカスカという訳ではなくて、それなりの感覚がある印象です。
一般受けするであろう軽めのステアリングの感覚を残しながらも、その中にしっかりした感覚も加味されているような、結構煮詰めた印象すら受けるものでした。
応答性についても機敏すぎず緩慢すぎない感じで、やっぱり一般受けするところを目指している感じがします。
試乗中、交差点を曲がる案内を営業の人が忘れていたようで、急に左折するような場面があったのですが、その時のステアリングの印象もしっかりした応答性を示し、車体の安定感も中々のものでした。
バッテリーの重さが関係しているのは分かりませんが、走行中は全体的に安定感がとても高い印象がありました。
高速道路などの運転でも、安定感はかなり期待できるように感じられました。
ツインクラッチトランスミッション(DCT)
フィットハイブリッドの目玉の一つとして、ツインクラッチトランスミッション(DCT)だと思いますが、そのスムーズさには驚きました。変速ショックを全く感じませんでした。
言ってみれば、これまでのCVTの違和感のある感覚(エンジン回転数と加速が一致しないような)を取り払ったような感じで、その自然な加速のフィーリングがとても良かったです。
ただ、このDCTはダイレクト感とかスポーティ感を出すことを目的をしているのではなく、あくまでCVTの悪い部分を消し去ることと、低燃費を目的としているような印象がありました。
ただ、これまでのCVT一辺倒だった国内のトランスミッション事情に変化が出てくるような気がしてきました。
ブレーキ感覚
ブレーキペダルについては適度な重さというか、結構硬めに感じられるフィーリングで、ストローク量はとても少なめでした。
その影響もあるのか、ブレーキペダルを少し踏むだけでよく効きます。
リニアなブレーキ感覚とはちょっと異なることと、一般的な車両のフィーリングとはちょっと異なるため、違和感があるかもしれませんが、ぽん的にはしっかり感があるように感じました。
乗り心地
乗り心地はとてもよかったように思います。
舗装された道路を低速走行した時には、タイヤが道路を転がってるのか分からないくらい「スゥー」と進む印象すらありました。
通常走行中の乗り心地も中々のもので、ふにゃふにゃした足とは違った、しっかりした中にしなやかさもある印象でした。
まだ総走行距離が160kmくらいの試乗車だったのにこの印象。うーむ、凄いです。
Sモードスイッチ
シフトレバーの右上辺りに「S」と書かれたボタンがあるのですが、これが「Sモードスイッチ」です。
これを押すことで、加速がアップするといった説明を受けたのですが、確かにトルク感が増す印象があって、少しだけ「ぐわっ」というGを感じられる気がしました。
スイッチONの状態のトルク感はクラスの違う車に乗っている、というと言い過ぎかもしれませんが、通常時よりも明らかに力強いものを感じられます。
これに慣れてしまったら、このモードは常にONになってしまいそうです。
その他
信号待ちなどで停止する時には、エンジンの音なんかは全然聞こえくなり、お腹が鳴ったら助手席の人に聞こえてしまうのではないかと思うくらい静かになります。
それでいて、エアコンの風は一応出ているようでした。
内装・ユーティリティなど
内装についてはところどころに、何かコストを考えたような部分が見え隠れする印象があったものの、全体的な印象としては中々頑張っていると感じました。
後部座席の足元の広さは唸ってしまうほどのゆとりがあります。
これだけゆとりがある上に、硬めのシートの組み合わせで、複数人のツーリングでも疲れは感じにくいように思いました。
トランクも本当に広いです。これだけの容量があれば、どこに行くのも不足なしといったところで、ただただ感心してしまいました。
現在の納期
現在のフィットハイブリッドの納期は、年末頃になりそうということでした。
ちなみに、新型フィットRSの納期については11月頃だそうです。
新型フィットハイブリッドまとめ
と、新型フィットハイブリッドについて書いてきましたが、全体的に不満は全く感じられないレベルに仕上がっているように感じました。
むしろ、「よくここまでに仕上げたなぁ」と思ってしまいました。
ハイブリッド効果もあるのか、全体的な乗り味が一クラス上の車のような感覚がありました。乗り味の質感も高いように感じました。
低燃費を実現しながらも、パワー不足は感じられず、必要なときには「Sモードスイッチ」でトルクアップもできて、スムーズな変速のツインクラッチに、適度な操作性のステアリング。
それでいて、快適な車内スペースに充分なトランク容量・・・。
あらゆる点で不足がありません。正直、誰が購入しても満足度は高いクルマだと思います。
敢えて気になる点を挙げるとしたら、「運転の楽しさ」という点くらいでしょうか。
これだけは、他の面に比べるとやや物足りなさがあるかも知れません。
でもそれくらいです。
Nシリーズでホンダの軽自動車への本気度を感じ、この新型フィットでもその本気度が感じられました。
それにホンダのハイブリッド技術は確実にレベルが上がっているようにも感じられますね。
新型フィットハイブリッドは、このクラスのクルマの中では一歩も二歩も先に行っているといっても間違いはないように感じました。
ホンダさん、やりますね。