スズキから「新しいジャンルの軽自動車」としてハスラーが発売されました。
スズキ、個性あふれる新型軽クロスオーバー「ハスラー」
スイフトスポーツの点検に行ったディーラーに試乗車があったため、せっかくなので試乗させてもらいました。
今回は「ハスラー」の試乗レビューというか、試乗感想についてまとめたいと思います。
試乗させてもらったグレードは「Gターボ」というグレードで、ハスラーのラインナップの中では中間グレードにあたります。
タイヤについて
タイヤはヨコハマタイヤの「エナセーブ EC300」でした。
タイヤサイズは「165/60 R15」で、ホイールはスチールホイールでした。
ドアの開閉音について
運転席に座って、ドアを閉めた時の音が「ボフッ」という感じで、軽自動車としてみると中々の音がしました。ですが、外から閉めた時の感じは他の軽自動車ともあまり変わらない印象でした。
このことから、車内の密閉性がしっかりしてるのかなぁという印象を持ちました。
ドライビングポジションなど
運転席に座ってみます。
ドライビングポジションについては、ステアリングはチルトはおろか、テレスコピックもありません。
さらにシートは前後の調整しかできませんでした。
どうやらグレードによって、これらの装備の有無が違ってくるようです。ただ、最上級グレードの「X」でもステアリング調整はチルトしかないようです。
調整がシートの前後しかできないため、しっくりくるポジションを取ることはできませんでした。
この辺りの装備は、安全性の観点からもグレードに関係なく標準装備とするべきなような気もしますが、そうではないようです。
座った時のアイポイントについては、若干高めな感じがあり、見える視界の広さなどの印象は悪くありませんでした。
シートについては、適度な硬さが確保されている感覚です。押してみると柔らかく感じますが座った感じでは、適度な硬さとなります。
ただ、後部座席の方が座った時の感覚がやや硬く感じられました。押してみた感じなんかでは違いはなく、素材も全く同じでしょうから、ただの勘違いなのかも知れませんが。
シートの形なんかが影響しているのかも知れません。
フロントシートはベンチシートになっています。シート自体はホールド性には乏しいですし、ベンチシートであるため、膝上辺りは寒々しいというか、何だか落ち着きません。これはそれぞれの好みがあるところですね。
運転席回り
ステアリング素材ははウレタンです。上級グレードでは本革巻になるようです。
エンジンはプッシュスタートスイッチで、右手側の方にあります。
シフトレバーはフット式です。この辺りはワゴンRと同じ感覚です。
運転フィーリング
アクセル操作は重さはやや軽めの操作感です。
ブレーキ操作の方は普通な感じですが、フィーリングはやや硬めな感じです。スペーシアで感じたような「効きがいまいち」のような感覚はなく、踏み込んだイメージ通りの制動力でブレーキが効く感じがありました。ブレーキの操作感については、スペーシア、ワゴンRのよりもしっかりしている印象です。
アクセルの操作感もワゴンRに比べるとだいぶ良くなっている印象がありました(ワゴンRのアクセルは軽めでスカスカ感すら感じました)
ステアリングについては、軽くもなく重くもないといった感じです。どちらかと言えば普通よりも僅かながら重めに位置する感じでしょうか。軽さは感じなかったので、この辺りもワゴンRとは味付けが違うのかも知れません。
また、70km以上くらいの速度域ではステアリングの感覚も若干ながら重くなるような感覚がある上に、ふらつき感もなかったため、高速道路などでもしっかりした走りをしてくれる印象を受けました。
ステアリングの操作感については中々です。応答性については遊びは少なめで、やや緩さがあるものの、緩慢まではいかない印象で、「クルマを道具」として考えるユーザーと「運転が好き」なユーザー両者から不満が出なさそうな絶妙な操作感を設定したような印象を受けました。
幅広く受け入れられる操作感だと思います。
左折する交差点を黄色信号で突入した場面があり、結果的にややオーバースピードで曲がる時があったのですが、この時の感じではロールはそこそこする印象を受けました。けれどもフニャフニュな訳ではなく、しっかりとダンパーがストロークしている感じです。ロールからも戻りにも違和感はありませんでした。
ですがワインディングをブンブン走るようなセッティングではないですね。
ステアリングのインフォメーションについては、今回の試乗レベルでは確認するまでは出来ませんでしたが、ちょっと乗った感じでは「薄味」なのかなぁとも感じたものの、ステアリングのしっかり感はあるので、期待感のようなものは持てた印象です。この辺りのフィーリングもワゴンRのと比べると随分と良いです。
エンジン感覚
エンジンはターボエンジンということもあり、低速からしっかりトルクがでてくれます。
アクセルを踏み込んだ時の加速も、自然なフィーリングでしっかり加速してくれる感じです。
普通車のNAエンジンくらいの加速感が得られるので、立派なものだと思います。
アクセル操作に対する加速感のリニアさについてはもう一息といったところでしょうか。
細かいアクセル操作に対するレスポンスを楽しむというよりかは、「加速する時は踏み込む」「減速する時はアクセルを抜く」といったようなON、OFFのような感覚のような気もします。
とは言っても、ごく普通に運転出来る感覚だと思います。
CVTのフィーリングについては気になるような違和感もなく、滑る感じもほとんどありませんし、少し前のCVT(2、3年前)と比べても、随分良くなったと感じます。
アイドリングストップ
エンジンは13km以下になると停止するようになっており、意図しない所でアイドリングストップしてしまうことも何回かありました。
停止前にアイドリングストップが始動するのって、ぽんはJC08モード燃費を稼ぐためだけなのではないかと思っていますが、過剰なアイドリングストップは走行場面によっては危険な要素も持っているような気もします。
乗り心地と車内の騒音
乗り心地については悪くはありません。ゴトゴトする印象もありますが、その感覚に不快感はない感じです。振動の伝わり方というか、抑えこみ方に上質さがあるようにも感じました。
車内の音については、遮音もそこそこあります。それもあって車内は比較的静かな印象で、最近のコンパクトカーにも引けをとらない感じがあります。ターボエンジンということもあって、エンジン回転数が低めで走れるところも、静かさを感じたポイントだと思います。
車内空間
後部座席は前述の通り、シートの感覚が少し硬めの印象でしたが、座った時の頭上空間はそこそこ確保されており、圧迫感などは感じません。
この辺りは、コンパクトカーよりもゆとりがあるように感じます。後部座席でも長時間(長距離)乗れそうな感じがありました。
後部座席も前後にスライドできましたが、スライド調整はフロントシートの前後調整と同じ感覚で細かく調整できました。荷物の具合などを見て調整できるのはいいですね。
また、後部座席にもリクライニングが付いているのも中々のものです。
同乗者みんながくつろげたり、楽しめるような環境を詰め込んだ印象を受けました。
値引き
値引きについては、発売したばかりということもあり、せいぜい2、3万円くらいとのことでした。あとは下取り車がどうなるかといった感じのようです。
まとめ
スズキの新しいタイプの軽自動車ということで、お客さんの注目度も高いようで、営業さんによると今まで来店のなかったような人の試乗依頼も多いそうです。
デザインも独特で、これまでの保守的な方向性だったスズキ車と比べても、立ち位置がだいぶ違うのかなぁというのが伺えます。
プラットフォームはワゴンRと共通とのことなので、乗り味なんかはワゴンRに近いのかなぁと思っていましたが、この辺りはいい意味で裏切られた感じです。
ワゴンRよりも「クルマに乗っている」という感覚が強かったように思います。ドライバーとしてもそうですし、同乗者から見ても、その車内ユーティリティなんかによって、楽しく乗れる要素があるというのでしょうか。みんなが一つのクルマで同じ時間を共有出来る楽しみが持てる感じがしました。
まぁ悪く言えば「ガラ軽大炸裂」と言った感じもしますが、これは日本車独特の個性として確立しているような気もしますし、ネガティブに考えることももはやないのでしょう。
残念なのは安全装備でしょうか。エアバッグはフロントエアバッグしか装備されておらず、サイドエアバッグを備える車種もあるホンダやダイハツと比べても遅れを取っていると言わざるを得ません。
という訳で、スズキハスラー。軽のSUVといった印象もあって、軽自動車の懐は益々深くなっていく感じがしますし、軽自動車の新しいジャンルとして確立しそうな印象も受けるクルマでした。
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