2014年3月13日木曜日

ダラスバイヤーズクラブ 映画感想

ダラスバイヤーズクラブ マシューマコノヒー

採点・・・85点

今回は映画レビューというか、感想です。作品はダラスバイヤーズクラブです。

一人のカウボーイのエイズ感染後の人生を描いた実話の物語。主人公演じるマシュー・マコノヒーのガリガリっぷりは正に病的な姿で、冒頭から驚き、圧倒されます。
タバコ、酒、ドラッグなどやりたい放題の主人公が、ちょっとした事故で病院に行った時に、エイズ感染であることと余命30日であることを告げられます。

自分がエイズということに半信半疑だったものの、エイズ感染について調べていくことで、間違いないことを確信します。
ここからは生きることに必死になる姿が描かれます。
生きる為にいろいろな薬を使ってみたりして、その入手方法は犯罪レベルなのはご愛嬌でしょうか。

病院で知り合った、ゲイのレイヨンと協力し、会社設立してエイズ者に薬を配るまでに至ります。エイズ宣告後は「死にたくない」という想いからか、お酒やタバコ、ドラッグをやめて、生きるために必死になります。
その姿はエイズ発覚前よりも活き活きとしており、エイズ発覚後の方が健全でまっとうな生活をしているのがなんとも皮肉にも見えます。
また、レイヨンと一緒に行動することで、ゲイに対して偏見を持っていたのに、友達と思うようになり、終盤には抱き合ったりと、心境の変化もよく描写されています。

まともな薬もなかった当時、製薬会社はそれを裏手にとって効果の期待も怪しい薬でビジネス展開するという、政治と製薬会社の闇部分も描かれます。
この1980年代当時、不治の病という点や、同性愛者や麻薬中毒者にエイズ感染者が多かったことから差別的な偏見が多かったことも伺えます。
当時、エイズを「治す」のではなく、エイズと共存していくために動いた主人公の考え方や活動は画期的だったのだと思います。それは死の恐怖が背後にあれば尚の事、勇気ある判断なのだと思います。
誰かを救うというものはなくて、「エイズ患者達に適切な処置」をする為に貫いた自分の意志。
当時の国や医療の方針からすると、それは「異端」扱いで煙たがれる存在だったものの、どんな手を使ってもそのやり方を変えなかった辺りりに、主人公の生き様が現れています。

序盤ではどうしようもない人間に思えた主人公。
映画が終わってみるとすげーカッコいい主人公に変わっていました。

映画は観ているだけで終わってしまいますが、これを観て僕らは何かしなければいけないことがあるのではないか・・・。
そんな気持ちさえ持ってしまう作品でした。


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