2014年3月23日日曜日

アナと雪の女王 映画感想 ~映画館で体感できるディズニーの夢世界~

採点・・・80点

正に王道的な「ディズニー映画の世界」を堪能できました。

触ったものを凍らせてしまう魔法の力を持った姉エルサ。その力のせいで幼い頃に妹のアナを危険な状況にしてしまったことから、その後は閉じこもることを決心し、人との接触も拒み続けることとなります。
一方アナは、当時の「事故」の記憶はなくなっており、姉に拒まれることと、お城の門が閉ざされたままの状況に不満を持っています。

魔法の力に悩む姉エルサと、姉の悩みも知らないままの自由奔放な妹のアナ。

相反する二人ですが、姉妹であることに変わりはなく、妹はその自由奔放さ故か、二人の関係も「いつか解決できるさ」的な楽観的なところがあります。
その楽観的なところは、国を雪の世界に変えてしまったエルサのところへ向かうのも、「どうすれば分からないけど、会えばなんとかなる」的なところからも伺えます。

主人公を支える脇役達も魅力的です。
アナと一緒に行動するクリストフにスヴェン、そして忘れてはいけないオラフ。
オラフは子供受けしそうな愛嬌と面白さを兼ね備えたキャラクターで、鑑賞中は何度も笑い声が聞こえていました。

悪役としては、悪巧みを持ってアナに接近したハンス、エルサの魔法の力を見ただけで、彼女を敵とみなすヴェーゼルトン公爵。嫌味の効いた数々のセリフで「嫌なヤツ」として安定した立ち位置になっています。

ストーリー自体は至ってシンプルだし、勧善懲悪なキャラクター設定もわかりやすいと言えます。

敢えていえば、各キャラクターの人物描写が少ないことで、親近感が薄い点や
物語中で、やたらと「愛」を強調してしまっている点、大きなヤマ場もなく展開されるストーリーなど、「大人」から見ると気になる点がいくつかあるのも事実です。
(この作品の「愛」は、姉妹愛(家族愛)を表現していたのはよかったと思いますが)
が、やっぱりディズニー映画はこれでいいのではないかと思ってしまいます。

大人になると、物事を見るのにもひねくれた見方をしたり、ちょっとした欠点を批判ばかりしてしまい、「素直さ」や「本質を見る心」が欠けてしまっているのかもしれない。
だけど、この映画を見ると「細かいことは気にしなくたっていいんだよ」「とにかく楽しもうよ」とでも言われているかのように感じてしまうのです。
トロール達とのダンスシーンは、まるでディズニーランドのミュージカルパレードを見ているような気持ちにさせてくれます。

また、単純明快なストーリーに一役買っているのは、言うまでもなく「歌」です。
この映画をミュージカル風な作品にしたのは間違いなく正解で、淡々とストーリーが進むことで、一歩間違えばめば飽きられてしまうかも知れないようなタイミングで「歌声」が耳に入ってきます。

ぽんは吹替で観ましたが、吹替の歌がまた素晴らしかったように思います。
特にアナ役の神田沙也加に、エルサ役の松たか子。
歌と同時に声の演技も同様に素晴らしく、吹替ながらキャラクターに合った声(命)が吹き込まれているように感じました。

観終わった後、モヤモヤのない清々しい気持ちを感じられるのは、ディズニー映画ならではなのではないかと思います。
童心に帰って子どもたちと同じく「素直」な気持ちで見られれば、感動もひとしおなのではないでしょうか。

大人になって忘れてしまっていた感情を思い出させてくれるような、そんな作品だったように思います。


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