今回は映画一言レビューです。作品は「ベイマックス」です。
原題:Big Hero 6
全米公開日:2014年11月7日
全米興収:1億8500万ドル(2014年12月14日現在)
日本公開日:2014年12月20日
採点・・・85点
一言レビュー
ディズニー映画でありながら、身近な存在の「死」(本作では兄タダシの死)を描いている点は、異例とも感じられる。
しかし、「死」からこみ上げる悲しみや怒り、憎しみなどの感情を、どうやって乗り越えていくか、という点にもスポットが当てられており、思いの外大人向けな作品であると感じる。
小学生以下の子どもたちが、本作を観た時にはどのような感情を持つのだろうか。ここは、受け取り方や感じ方がとてもデリケートな部分でもあるようにも感じる。
主人公「ヒロ」を守るベイマックスの姿は、とても便りになり、どんな時も助けてくれる頼もしい存在であり、全編を通じて「ターミネーター2」の「T800」を彷彿とさせる。
また、ベイマックスのキャラクターはふわふわしており、愛嬌があり、悪く言えば「人間に媚びている」風貌であり、観る者もつい感情が入ってしまう部分があるのも、本作の狙いか。
感情が入ってしまうと、目頭が熱くなってしまう場面に必ずや遭遇することになる。
ストーリー中では正義のヒーローのような主人公達の活躍(というか、その人間離れしたアクション)を見せてくれる場面が多々あるし、ベイマックスが空を自由に飛び回るシーンは見ていて爽快だし、とても楽しませてくれる。
そして、「原題」を調べてみると・・・そう、「Big Hero 6」ではないか。「タダシ」の遺思を継ぐように、「Big Hero 6」が生まれ、彼の死を乗り越えた彼らは、これからも人々を助ける活躍をするのだろう。そして「タダシ」は彼らの中でずっと生き続けるのだ。
予告やポスターだけでは全貌が分からない・伝わりにくいのがとても惜しい。
ディズニー映画としては、非常に質の高い作品であることは間違いない。
「隠れた名作」にならないことを祈りたい。
注意:以下は若干ネタバレを含みます。
ラストのヒロがベイマックスのケアプログラムカードを見つける場面、プログラムカードが残っていたということは、ベイマックスはケアプログラムがない状態で、「ヒロ達を救う」行動を取っていたことになる。これはベイマックスがプログラムではなく、「自分の意思」で動いていたとも言える。
ヒロ達と行動を共にしていくことで、ベイマックスは命の尊さを学んでいたのだ。
2015/1/1追記:文章の修正とネタバレ部分を追記しました。
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