2015年1月2日金曜日

スズキ新型アルト L (HA36S) 試乗レビュー(+ターボRS情報)

2015年になりました。今年もよろしくお願いします。
さて、今回は2014年12月22日に発表、発売されたスズキ新型アルト(HA36S)の試乗感想というか、試乗レビューについてまとめたいと思います。
現在は先代キャロル(先代アルト(HA25S)と同車種)に乗っているため、その辺りとの比較も書きたいと思います。

2015/3/21追記:アルトターボRSの試乗レビューは以下にまとめました。
スズキ アルトターボRS試乗レビュー

試乗車のグレード
試乗車のグレードは「L」というものでした。4グレードある内の下から2番目のグレードにあたります。

タイヤ
タイヤはダンロップの「エナセーブ EC300」で、タイヤサイズは「145/80R13 75S」でした。
このタイヤは先代モデルの「アルトエコ」でも装着されていたタイヤです。

運転席周り
エンジン始動はキーを差し込んで撚るタイプです。最上級の「X」ではプッシュスタート式になるようです。
シートはやや柔らかめな感じです。サードサポートもほとんどない感じであり、座面(太もも側)の長さもやや短い印象がありますが、ここは先代アルトと変わらない感じがします。長距離運転では腰に負担がかかりそうで、結構疲れるのではないかと思われます。
ヘッドレストはシートと一体型のようで、高さの調整は出来ない感じですが、座高がそこそこあっても大丈夫そうな座面の長さ(高さ)はあるように感じました。

シートの調整は「L」では前後調整しかありません。ステアリングの調整機構もありません。
シートリフター装備は「S」グレード以上、ステアリングのチルト調整は「X」グレードのみのようです。
ステアリングのテレスコピック機能はどのグレードにもないようです。

また、後部座席のヘッドレストは「S」以上で装備されます。ヘッドレストは後ろから衝突された時の、ムチ打ちを防ぐ為の安全装備な訳ですし、この辺りはグレードに関係なく標準装備にしてもいいような気もしました。

各種フィーリング
アクセル
アクセルですが、先代のもっさりとした加速感が全くなくなりました。とにかくスムーズに、そして常用スピードに到達するまでの時間が短縮されたように感じます。運転はしやすくなりました。
30kmくらいまでは結構なローギアで加速している感じが伝わってきます。なのでエンジンブレーキのような抵抗力も感じながら加速していきます。その辺りもあって低速からの加速感はとてもスムーズな印象を受けたのだと思います。
アクセルペダルは軽めの操作感ですが、深く踏み込まなくても上記のような加速感を得られる感じだったのも好印象です。
シフトノブの横には「S」ボタンがあり、それを押すと「S」モードになります。エンジン回転数が若干上がるのですが、それ程大きなトルク感の変化などは感じられませんでした。エンジンブレーキ用などにはいいかも知れませんが、普段は通常モードだけで全く問題ないのではないかと思いました。

ブレーキ
ブレーキはやや固めのタッチとなっており、ブレーキの調整幅がそこそこある感じです。
乗り始めた最初は効きが悪いような違和感を感じる人もいるかも知れませんが、きちんと踏めばしっかりと制動してしてくれるので、慣れてしまえばコントロールのしやすい、扱いやすいブレーキと感じるのではないでしょうか。
先代アルトのカックン気味でスポンジーなフィーリングと比べると、格段に良くなっています。

ステアリング
ステアリングは適度な重さです。ステアリングの握り心地はやや細い印象も受けました。
ステアリングの中立付近では、適度にゆったりした感じの応答性で機敏さは特にありませんが、女性や年配の方なども含めて、多くの人に受け入れられる操作感なのではないでしょうか。
ただ、ステアリングのインフォメーションはほとんどないように感じました。
先代アルトと比べると、ステアリングはやや軽くなっている上に、どっしり感がやや薄れた感じでしょうか。より万人受けされるように調整がなされたとも言えると思います。
高速安定性については、悪くはないように感じました。高速道路で常用する速度域までは全く問題ないのではないでしょうか。

エンジン
加速がとても改善されていると書きましたが、加速時のエンジン音は結構うるさいです。先代と変わらないと言えば変わらない感じでしょうか。また、そのエンジン音もスポーティさはなく、ただただ豪快な感じの音です。この辺りは価格帯を考えれば割り切り感が必要だとは思います。

乗り心地
乗り心地は良いと思いました。変な突き上げ感は少なかったですし、揺れの収縮なども悪くなく、車両の価格帯を考えたら大したものに仕上がっているのではないでしょうか。

カーブでの印象とボディ
カーブなどで、やや早い速度で曲がってみると、ロールは結構ありますし、ボディがヨレるような印象も若干受けました。また、身体のポジションも崩れる感じがします。この辺りは先代アルトと同じような印象です。また、上述の通りインフォメーションはほとんどないので、ちょっと怖い部分もあると思います。
ですが、普段の街乗りで走るレベルでは全く問題はないと思います。
「X」のグレードではリアスタビライザーが装備されているそうなので、ロールが抑えられ、安定感向上しているのではないかと思われます。

燃費
だいたい7kmくらいの坂道も多いコースで、そこそこにアクセルを踏み込んだりもした走り方をしまししたが、平均燃費の表示は「17.6km」でした
カタログ燃費(37.0km)と比べると半分以下な訳ですが、エコ運転を意識せずとも、また、どんな人が運転しても余裕で20km以上の燃費は出るのではないでしょうか。丁寧な運転を心がければ25km以上も普段から出そうですね。

内装など
内装については、先代に比べると黒を基調としたデザインになっており、ぱっと見の印象は先代アルトと比べると、だいぶ変わったような印象を受けます。
ただ、質感などは車両価格を考えれば致し方のないもので、プラスチック感が強いです。
アシストグリップはグレードによって違うのかも知れませんが、「L」では前席にしか装備されていませんでした。
ルームランプも先代アルトと同様にフロント中央に小さいのが1つだけでした。
後部座席の足元はだいぶ広くなったように思います。足を組んでも問題なさそうです。
それでいて、トランクは先代アルトと同じくらいの広さです。先代よりも広くなったスペースはトランクではなく、座るスペースに割り当てられた印象ですね。

新型アルトまとめ
さて、新型アルトですが初期アルトから継承されている「実用性を再重視」した部分はそのままに、それでいて最近、軽自動車が妙に高級化されているような印象も受ける中で、価格の上昇も抑えられているのは素晴らしいと思います。
それでいて、アルトに求められる「実用の中でより安心して運転できるクルマ」という部分のレベルは格段に上がっているように思いました。
また、車両のデザインは、アウディなども手がけたことのある「和田智」氏のようで、軽自動車にも関わらず、デザインにはこだわっている印象を受けますし、その通りに大きな変化が与えられたように思います。
オプションで遊び心のあるエクステリア品を備えているのも、これまでのアルトよりもおしゃれ感があるように感じます。
これまでのアルトの「実用性重視のクルマ」というものに、「デザイン」という新たな武器が加わったことで、安いからこそ、手軽にエクステリアをカスタマイズできることも可能なのではないでしょうか。
個人的に、国産車のデザインは世界レベルで見ても、劣勢の印象を持っていますが、その中で軽自動車でありながらデザインにも力を入れる心意気はたいしたものだと思います。

ターボRSについて(おまけ)
2015年3月に発売予定の「ターボRS」のグレードについての情報です。
トランスミッションには「MT」はないそうで、「AGS」のみの設定だそうです。パドルシフトで操作する形になるとのことです。(こちらは確定っぽいような話し方をされていましたが、よく分かりません)
価格帯は140万まではいかず、130万円代くらいになるのでは、という感じでした。(こちらはまだ未確定な感じも受けました。
ボディカラーは3色(赤、白、黒)で、ツートンカラーの設定はないそうです。
サイドミラーや左右ドア下部、フロントバンパー付近の色が赤(または黒)くなっているのは標準だそうで、以下の記事の写真が標準状態と思われます。

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