トヨタの2代目オーリスがマイナーチェンジで1.2Lターボエンジンを搭載したグレードが追加されました。
近所に試乗車がありましたので、早速試乗してきました。
今回はトヨタオーリス1.2リッターターボの試乗感想というか、試乗レビューについてまとめたいと思います。
グレード
試乗車のグレードは「120T」です。エンジンは1.2Lターボ、サスペンションはダブルウィッシュボーンを採用しています。
価格もそうですが、「オーリス」の中の最上級グレードになります。
タイヤ
タイヤサイズは標準では「195/65R15」のスチールホイールですが、試乗車はオプション(+122,040円)の「225/45R17 91W」を履いていました。
タイヤの銘柄はヨコハマタイヤの「ADVAN dB Decibel」でした。
ドライビングポジション
シート調整は前後と高さ調整ができます。高さを一番低くしてみると、結構低いポジションになります。3代目アクセラに近いくらいまで低いポジションになる感じでしょうか。中々いい感じです。
ステアリングはチルト調整とテレスコピック機能が付いているので、ポジション周りは全く問題ありません。
シート
シートは本革+合成皮革のようです。見た感じの質感も中々のものです。
シート自体も結構厚みがある感じで、サイドサポートもしっかりしているうえ、やや硬めな印象を受け、とても好印象です。
カタログを見ると、120Tのシートはスポーツシートのようです。
ちなみに、後部座席については、運転席と比べると若干硬さが抑えられている印象があり、後部座席に乗る人に合わせての変更がなされているのでしょうか。そんな印象を受けました。
ステアリング
ステアリングは本皮巻きです。ステアリングの握り心地は中々太めになっており、10時10分の辺りは握りやすく更に太めになっています。
低めにとれるドライビングポジション、シートの適度な硬さ、シートの質感など、運転席に座った時の印象は「これはとても良いのではないだろうか」と感じさせてくれるものでした。
各種フィーリング
アクセル
アクセルペダルは軽いです。最初の踏み始めの数mmくらいは遊びなのか分かりませんが、何の手応えも感じない「スカスカ」というか「ペカペカ」部分があり、その後からようやく「軽い」印象の踏み心地になってきます。
アクセルペダルは軽いです。最初の踏み始めの数mmくらいは遊びなのか分かりませんが、何の手応えも感じない「スカスカ」というか「ペカペカ」部分があり、その後からようやく「軽い」印象の踏み心地になってきます。
このスカスカ部分はとても違和感がありました。
アクセル操作に対する加速感については、若干違和感のあるものです。踏み始めはトルクもないのか、加速が鈍い印象を受けました。
ペダル操作に対して、イメージした通りの加速をしてもらうためには、気持ち多めにアクセルペダルを踏み込む必要がある印象を受けました。
ペダル操作に対して、イメージした通りの加速をしてもらうためには、気持ち多めにアクセルペダルを踏み込む必要がある印象を受けました。
その時も、CVT特有のラグのようなものを僅かながらに感じます。
けれども40kmを越えたくらいからは自然な加速感になります。
アクセルペダルを深めまで踏み込んでいくと、「キックダウン」した感じでエンジンが高回転まで回って、加速しようとしますが、昔ながらの加速感という気がして、細かな操作に対しても、ややざっくりとした応答が返ってくる印象です。
ブレーキ
ブレーキペダルにも、アクセルペダル同様に、踏み始めの数mmに「スカスカ」、「ペカペカ」部分があります(^_^;)
スカスカ部分を超えてからはごく一般的なブレーキ、それもトヨタ車らしいフィーリングなのでしょうか。初動がやや強めで、ストローク量で制動力をコントロールするような部分がなく、「停まる」「停まらない」の2択のような感じです。
初動がやや強いため、気を使わないとカックンブレーキ気味になるとも感じました。
初動がやや強いため、気を使わないとカックンブレーキ気味になるとも感じました。
ペダルの重さについては、アクセルペダルよりは少し重さのある印象ですが、「ごく普通にペダルを踏んで停まる」というところまでに留まっているように感じます。
ちなみに、ブレーキ自体は前後ともディスクブレーキになっています。
アクセル、ブレーキペダルは運転中は常に操作するものなので、この辺りの違和感はちょっともったいないように感じます。
ステアリング
ステアリングについては、出だしなどはとても軽い手応えです。低速では遊びも多めな印象を受けます。そのまま30kmくらいまでは軽い印象でしょうか。
40kmを超えるとしっかりして手応えになってきます。40km~50kmくらいでカーブを曲がろうとすると中々しっかりとした手応えをステアリングから感じながら曲がっていく印象を受けました。
カーブでは結構ロールするものの、頼りない感じではなくてサスペンションをしっかり使っている感じです。
ただ、オーリスRSと比べるとロール量などは「一般車」的に近いと言えますが、RSと較べてもそこまでの違いを感じないとも言えます。
また、中速域以上では遊びも抑えられており、スポーティ寄りな印象となり、直進安定性もしっかりしたものに仕上がっています。
ワインディングを楽しく走るような感じではないですが、一般道でちょっとしたカーブなどが続く道路では適度な「楽しさ」は得られるとも思います。
ステアリングについては「どっしりした味」を感じさせてくれる設定になっている風に感じました。個人的にはとても好みです。
それとインフォメーションも適度に伝えてきてくれます。
ミッション
CVTはアイシン製と思われます。
パドルシフトもありますし、シフトレバーによるマニュアルモードもあります。マニュアルモードでは7速まであります。
シフトレバーによる操作は、奥に倒すとシフトアップ、手前に倒すとシフトダウンです。
パドルシフトは右手側がシフトアップ、左手側がシフトダウンです。
マニュアルモードでの変速の応答性については、結構素早く変速してくれて、それはシフトアップでもシフトダウンでも同様です。充分実用できるマニュアルモードと言えます。
「D」モードで走った場合は変速ショックなどは特にありませんが、上記の「アクセル」部分で書いた通りで、加速感にちょっとラグがあったり、出だし部分では加速よりも先に回転数が上がってしまうような部分が出てしまう印象です。
エンジン
ターボではありますが、小排気量ターボらしい仕上がりで、スポーツカー的なターボでは決してありません。それと、低速のトルク感は若干薄いかなぁというところです。
高回転は試しませんでしたが、遮音性がしかりしているのか、4000rpmくらいでもエンジン音は不快なものではないし、それ程気になる音量でもありません。
クルマ自体が、音を「聞かせる」よりも「抑える」方向性になっています。
また、4000rpmを超えるあたりからはエンジンにパワー感がなくなってくる印象がありました。
ガソリン
使用するガソリンはハイオクガソリンになっています。
乗り心地
乗り心地はすこぶる良かったです。タイヤが影響しているのでしょう。
とても静かですし、道路が荒れていても「平らな」道路を走っているかのように感じさせてくれます。
ゴツゴツ感もなく、同乗者にも印象は良さそうなものに仕上がっています。
その他
平均燃費
試乗距離は数kmでしたが、エアコンを付けた状態で走行しての平均燃費は「8km」でした。
燃費計は出発前にリセットしたのですが、リセット前は「4.6km」という表示が(^_^;)
カタログ燃費が「19.4km」で、ミッションがCVTということも考えると、実走行で使った場合の平均燃費は「12km~14km」くらいといったところでしょうか。
それでもオーリス全車種の中では一番良いカタログ燃費になっているようです。
ちなみにカタログ燃費は「ゴルフTSI」は「21.0km」です。
※オーリスがゴルフを一つの目標として開発された車種だったはずなので、勝手に比較してます(^_^;)
内装・後部座席
内装は流石トヨタといったところで、誰でも受け入れられるデザインと各所の質感などは大したものです。
開発費用も、エンジンはさておいて内装周りに一番コストをかけているのではないでしょうか。そのくらい「目に見える部分」の見せ方はしっかりしています。
オーリス120Tまとめ
新たにターボエンジンが搭載されたオーリスですが、欧州では当たり前になっている小排気量ターボが、ようやく国産車にも搭載されてきた印象を受けます。
ただ、燃費であったり、走行時のフィーリングなども含めて、まだまだ発展途上である印象を受けました。
ステアリングフィーリングの味付けは上手になされているとは感じたものの、他の部分で「うーん」と感じてしまう部分が多々あったように思います。
また、このグレードの顧客のターゲット層がいまいち掴めない感じがしてしまいます。
内装に木目「調」を使って、上質感を演出して、少し高級な路線を狙っているのか、ゴルフをライバルとして、走りに振った路線なのか、走りに振ってある「RS」よりも価格帯が高い設定になっていたり、でもタイヤはADVAN dBだったりと、どうもこのグレードの目的というか方向性が明確でないように感じてしまいます。
価格帯だけ見ても、120Tは2,590,037円と、結構な価格だと感じます。
ゴルフ TSI Trendlineが2,640,000なので、維持費などに差は出てきそうではあるものの、ゴルフが購入の選択肢に充分入ってきてしまう価格帯です。
ゴルフ TSI Trendlineが2,640,000なので、維持費などに差は出てきそうではあるものの、ゴルフが購入の選択肢に充分入ってきてしまう価格帯です。
国内では、雑誌の取り扱い方を見ても、個人的には「ターボ」という響きに、「パワー」や「走行性」を感じさせる傾向が見られるように思います。
あとはまだ国産車では小排気量ターボエンジンは、「物珍しげ」な見方があるのかも知れません。
実際のところは、小排気量エンジンは燃費やパワー、走行性ではなく、「環境によりやさしい」のが第一なのかなと感じます。
実際、オーリスのグレードの中で最もCO2排出量が少ないのは、1.2リッターターボになっています。
こうしたことからも、今後小排気量ターボエンジンが増えてきても、「ターボ」というワードに惑わされないことが必要なのかなと感じています。
オーリスの120Tグレードは、そういった意味で、国産車での小排気量エンジン搭載車という点で、先駆車的な位置にあるのかも知れません。
今後の改良や、異なる排気量での展開に注目していきたいところです。
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