2015年2月にハイブリッドのホンダ ジェイドが発売されましたが、その後5月には「RS」というガソリン 1.5Lターボ仕様のグレードが追加されました。
ホンダ、ジェイドに1.5リッターVTECターボエンジン搭載車「ジェイド RS」追加
発表内容を見る限り、走りに振ったグレードっぽかったので、遅ればせながら試乗してきました。
今回は、ホンダジェイドRSの試乗レビュー、試乗感想についてまとめたいと思います。
タイヤ
タイヤはヨコハマタイヤの「ADVAN dB Decibel」を装着していました。
タイヤサイズは「215/50R7 91V」です。
運転席周り
シートはやや大きめの作りになっており、座ってみると全体的に左右にややゆとりがある印象でした。
ぽんは肩幅だけは広い方なのですが、それでも左右にゆとりがあったことから、シートは大きめに作られていると感じます。外国人や、やや大柄の人には合ってると思います。
シートの硬さは適度にあって、長距離でも疲れなどは出にくそうです。
シートの高さ調整はレバー式で行えます。
シートを一番低くしてみても、「低い」印象はほとんどありません。座った時の視界が、良く見えるギリギリのところまで下がる印象でしょうか。
ステアリングが本革巻きで、握り心地は中々良いです。太さについては標準的なものです。
ステアリングはチルト調整、テレスコピック機能があります。
サイドブレーキはサイドレバーではなく、フット式になっていました。
各種フィーリング
ステアリング
ステアリングの操作感は、低速では中立付近、回した時も含めて結構軽めです。
ただ、速度によってフィーリングが若干異なります。
40kmくらいまでは、中立付近は軽めですが、低速の時よりはやや重くなっている印象があります。
また、40km以上である程度ステアリングを回すようなカーブの時では、操作に対してより重さが加えられるかたちになっているようで、操作に対する手応えのようなものを感じられ、中々いい味付けになっています。
この味付けは、2代目フィットRS(後期)の時でも感じられたのですが、この時はその味付が極端すぎて、妙な違和感を覚えたものですが、ジェイドRSの味付けは非常に自然な「重さ」を加えてくれるものになっています。
高速域では、直進安定性もしっかりしたものがあって、ロングドライブのような場面でも安心感のあるフィーリングであると感じました。
ですが、インフォメーションについては、どの速度域でも薄く感じました。
ステアリングの応答性については、比較的いい反応をしてくれて、カーブなどで早い速度でも軽やかに抜けていくし、上述した重さの味付けによって、運転している感覚がしっかりと味わえることもあり、充分スポーティと言えるレベル、とは言えますが、「RS」をという名前を名乗るに充分か、と言われるとそれは言い過ぎかも、という辺りになるかと思います。
カーブではロールはそこそこあります。またその沈み込み方が、あまりよろしくなく、同乗者によっては、酔うかも知れないロール特性があるように感じました。
この辺りからもサスペンションは全く硬くはなく、ごくごく一般車に近いセッティングであると感じられました。
この辺りからもサスペンションは全く硬くはなく、ごくごく一般車に近いセッティングであると感じられました。
恐らく限界値はそれ程高くないでしょうし、速く走れるクルマでもないのですが、ステアリング操作に対して適度な重さがあることや、操作に対する反応の良さと、それに合わせてクルマがしっかり向きを変えて走ってくれる点などのバランスは良く、カーブの多い道路でも結構楽しく走れそうですし、実際試乗コースで走ってみた限りでは中々楽しく走ることができました。
ステーションワゴンでありながら、こういった運転が楽しめる部分があるのはとても良い点であると感じました。
アクセルペダルの重さは、至ってスタンダードです。どちらかと言えばやや軽めです。
アクセル操作に対する加速感は、至って自然なかたちで速度が出ていきます。CVTなのに非常に良くできています。パワーも充分あります。
ですが、アクセルペダルを強く踏み込んだ時の加速感については、思ったほどの力強さがありません。
普通にアクセルを踏んだ時とあまり変化がなくて、CVTの制御を変更することでパワー感を出しているような印象です。
エンジンは1.5Lターボですが、低回転(1600rpm)から最大トルク(20.7kgf・m)が出るセッティングが影響しているのかも知れません。
それと、ターボエンジンではありますが、特性は至ってフラットなものになっています。
ブレーキ
ブレーキは前後ともにディスクブレーキです。
ブレーキペダルについては、カッチリ感のある方向性です。遊びは殆どない感じでした。
また、ブレーキペダルのストローク量は至って少めになっており、その分ブレーキ制御のコントロール幅は少ないと言えます。(微妙なブレーキコントロールはシビアとも言えます)
パドルシフト
ステアリングの後ろにはパドルシフトがあります。
右手側がシフトアップで、左手側がシフトダウンです。
パドルシフトの操作に対する、シフトアップ、ダウンの反応はすこぶる良いです。
これは「フィットRS」でも感じられたことで、印象はそれと同じと言えば同じな訳ですが、ホンダ車共通でこの反応を実現しているとも感じられ、「ホンダ車のマニュアルモードは充分使えるし、楽しめる」という判断が出来そうな気がしています。
(今のところ、CVTを搭載したガソリン車限定ですが)
ちなみに、シフトダウン時のブリッピングはありません。
シフトノブには「D」の他に「S」があり、「S」では完全マニュアルモードになるようです。
「D」でもシフト操作は可能ですが、こちらは暫く操作しないと「D」モードに戻る仕様です。
エンジン音
エンジン音については、スポーティー感を演出しているような部分はありません。あくまで実用車的なサウンドですが、遮音性はしっかりしているので、加速する時でも耳障りな音は極力入ってこないようになっている方向性と言えます。
この辺りは「静かな」クルマの方に重点が置かれているように思います。
内装については、割りとプラスチック感が多く感じられ、上質さはありません。
メーターは全てデジタル式になっているようで、アナログのメーターはありません。速度もデジタル数字で表示されます。
アナログメーターがないのは、今後のホンダの方向性なのか、またはコストと関連があるのかなと感じられます。
デジタル数字の速度表示は、見やすくて個人的には良いと思います。
乗り心地・ロードノイズ
乗り心地は中々良いし、ロードノイズも比較的少なく抑えられてるように感じます。
ただ、30km以下の速度域では、道路の振動を細かく広いやすい傾向があるようにも感じました。40km以上の方が乗っている時の乗り心地はマイルドになっているように感じました。
その他
・センターコンソールの後ろ側には、後部座席用のエアコンの送風口があります。
・走り出して、速度が30kmを超えた辺りで、ドアのロックが自動でかかるようになっていました。
また、停車した後にシフトノブを「P」にすると、自動車にドアロックが解除されました。
・試乗したグレードには、メーカーオプションの「ナビ付、Lane Watch付」のものでしたが、これが装備されていると、交差点で曲がるときにウィンカーを出すと、それに合わせて、サイドミラーに搭載された映像がナビモニタに写し出されます。
これがあることで、巻き込み事故等の防止として非常に有効なのではと感じます。
燃費
燃費は20分くらいの距離を走り、市街地走行、エアコンは常時オンの状態で、平均燃費計表記は「8.6km」でした。
乗車人数は3名です。
ホンダ ジェイドRSまとめ
ハイブリッドが発売され、それから少し遅れての発表、発売となったジェイドRS。ハイブリッドよりも抑えられた価格帯でありながら「RS」という、走りを意識したグレードであるのは、これまでにない新しい展開のように感じました。
そもそも「RS」が、どのような意味であるのかは解釈が難しいところですが、発表時の内容やカタログを見る限りでは、「走り」に振ったグレードであるように感じられます。
けれども、サスペンション自体は、「RS」の名前から連想されるようなセッティングではなく、あくまで普通車的なセッティングであるように感じられ、その分乗り心地などについては、良い結果にはなっていると思いました。
サスペンションは普通車的な方向性の分、どこで「走り」の良さを出そうとしているについては、これはステアリングの応答性を良くすることで、ハンドリングの良さや、スポーティーさを演出しているように感じられました。
もう一つは、エンジンが1.5L「ターボ」というところでRSのイメージを作り上げているかとは思いますが、エンジンもダウンサイジングの「実用的なターボ」ではあるのですが、そこを無理に「走り」のターボに見せているようにも感じられます。
トヨタのオーリス「120T」と同様、ダウンサイジングターボの実際と、名前からイメージされる「ギャップ」に差があるように感じられます。
エンジンはともかくとして、ステアリング操作については充分「走り」を感じられるものに仕上がっており、充分運転を楽しめるものになっています。
全高が低いワゴン車ということで、先代オデッセイやストリームの後継車的な位置づけなのでしょうか。
また、「6人乗り」というのも珍しい設定ですが、ミニバンまではいらないけど、5人乗りだとちょっと厳しい・・・という、決して多くはなさそうですが、少なからず需要はありそうな部分を狙った車種のような気がしますし、個人的には結構「あり」と思えました。
恐らく、ホンダさん自身もそこまで販売台数が出るとは思っていない中での車種投入だったのではないでしょうか。
※国内販売目標台数は3000台/月のようです。
この「RS」のサスペンションや剛性などは、ハイブリッドと比べても向上させているようですが、こうなるとハイブリッドの足回りは、かなり「緩め」なのかなぁと感じてしまいますが、性格分類が分かりやすいとも言えますね。
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