2015年7月11日土曜日

JAFセーフティトレーニング参加レポート

JAFで定期的に「セーフティトレーニング」という講習を行なっています。
JAF セーフティトレーニング
クルマを安全に走らせる為に必要な、基礎の見つめなおしのための基本走行や、先進安全技術(最近では横滑り防止装置や、エマージェンシーブレーキ)の体験などです。

参加料はJAF会員3000円、非JAF会員4000円です。
応募者多数の時は抽選です。

数年前に一度参加し、安全に関する再認識や各状況でのクルマの挙動などがとても分かり、非常に実のある講習だった記憶がありますが、スイフトスポーツに乗り換えてからは、まだ講習を受けていませんでしたので、久しぶりに参加しました。
昨年も応募はしたものの、落選しましたが、今回は当選しました(^_^;)

今回はJAFセーフティトレーニングの参加レポートについてまとめたいと思います。
ちなみに、このトレーニングは2014年に実施したものです(^_^;)
時間割
朝から夕方までのスケジュールです。

会場に付いたら、スタッフに誘導された場所にクルマを停めてまずは参加受付です。
受付後、ゼッケンをもらうので、それをクルマのドアに貼り付けます(マグネットで張り付きます)

集まったクルマは多種多様で、86、レジェンド、ゴルフGTI、ヴォクシー、パッソ、NBOXなど、ごちゃ混ぜ状態でした(^_^;)

まずはテント下で一日の流れの説明などがあります。
後援は「交通安全協会」「県警」「JAF」だそうで、それぞれの人が開会の挨拶のようなものをします。

準備体操
広い場所に出て、軽いストレッチのような運動を少しして、万全の身体?を作ります。

日常の点検
デモカーの周りに集まり、まずは日常点検の説明からです。
デモカーはトヨタ86でした。
タイヤの確認、ボンネットを開けて各油脂量の確認などをします。

正しいシートポジション
続いて、正しいシートポジションの説明です。
まずは悪い例を見せてくれます(^_^;)
悪い例では、背もたれは倒れすぎで、足と腕は伸びきったような状態です。
ですが、普段走っているクルマで、これに近いポジションのドライバーはかなり多いという指摘もありました。
実際、このポジションだと万が一の急ブレーキでも、ブレーキをしっかり踏むことが出来ずに、ABSを作動させる事も不可能です。(結果的に停止距離が大きく伸びます)

その後正しいシートポジションの説明をしてくれますが、そのポジションは思っている以上にタイトなかたちになります。

足はブレーキをおもいっきり踏み込んだ状態でも、膝が伸びきらないくらいの状態で、腕はハンドルを9:15で握ったときにに、腕の角度が90~120度になるように、といった具合です。
自分のクルマでこれを試すと、窮屈さを感じるかも知れませんが、それが結果的に疲れにくいポジションであり、安全な運転が行えるポジションということになります。
「なるほどなー」と改めて感じます。

実地走行
自分のクルマに乗り込み、いよいよ実地走行になります。

パイロンスラローム
縦に並べられたパイロンを、左右に走る練習です。以下の順番で、合計3回実施しました。
 1.コース確認の意味で走行
 2.全開で走行
 3.7割くらいの感覚で走行

これで感じるのは、スピードを落とすことでいかに操作が楽になるかという点です。
全開走行だと、ステアリング操作が忙しくなる上に、クルマの左右への動きも大きくなります。
その後、3回目の「7割の感覚で走行」をすると、全ての操作が楽で、クルマの動きも小さなものになります。

スピードにより、いかにクルマのコントロールが難しくなるか、という点とステアリング操作に対するクルマの感覚や挙動を生べます。

急ブレーキ
これも合計3回行いました。
時速40kmまで加速後、白線のラインを超えたところで急ブレーキをします。
1回目
  白線の前から、ブレーキペダルに足をかけて準備をしておき、「ストップ」という声を掛けられたら急ブレーキして停止します。

2回目、3回目
  信号機が前にあり、白線を超えると信号が赤になる仕組みで、赤になった瞬間に急ブレーキをします。(ブレーキペダルに足をかけない状態からの急ブレーキです)

これで分かるのが、1回目と2・3回目では、クルマの停止距離が全く違うという点です。
1回目では事前にブレーキペダルに足をかけて準備している点と、スタッフが白線を越えたことを「ストップ」の声で教えてくれるので、比較的短い距離でクルマが停止します。

が、2・3回目では、信号が赤に変わる→ブレーキペダルに足を移動→急ブレーキという流れになり、この時間は1・2秒な訳ですが、これだけでクルマの停止距離が大きく伸びます。

実際の公道で急ブレーキをかける場面があるとしたら、2・3回目のように「見る→危険と判断→操作」という流れになることが大半だと思いますが、この判断から操作のごく短時間で、停止距離が大きく違ってきます。更にスピードが出ていれば尚更です。

このセッションでは、人間の各動作までの時間的ロスと、それに伴うクルマの停止距離の違いを体験できます。

シートベルトなしでの急ブレーキ
ここまでで、ほぼお昼になります。
お昼前に、シートベルトなしで急ブレーキした時にいかに危険かを、スタッフが自ら実験してくれます。
後部座席に座り、シートベルトをしないで走行し、急ブレーキをかける実験です。
実験での速度は参加者から「60km」などの声もありましたが(^_^;)、15kmからの急ブレーキでの実験になりました。
実際、この速度でもスタッフは座席から吹っ飛んで、前の座席に身体ごとぶつかっていました。
座った体勢すら維持が不可能な状態です。
いかにシートベルトなしが危険であり、シートベルトが身を守ってくれるのかが分かります。

昼休み
お昼ご飯はお弁当が支給されます。お昼を食べながらボッシュ作成の横滑り防止装置の安全性のビデオ見せてくれます。

エアバッグ動作実験
エアバッグが開いた時の状態を実際に見せてくれます。
と言ってもステアリングだけが用意されて、離れたところからスイッチで爆発させるものです。

音ですが、かなり凄い爆発音です。爆発後は花火のような臭いがします。
破裂後のエアバッグを触ってみると、結構硬かったです。
エアバッグのリコールなどが最近出ていますが、エアバッグは「死亡」するような衝撃の時に「命が助かる」状態に、衝撃を軽減させるもの、という位置付けのようです。

二輪車のエアバッグ
二輪車の服のエアバッグ?も見せてくれました。
作動すると、ライダースーツの中に空気が充満して、身体の衝突ダメージを軽減するそうです。スーツは実際、かなり硬くなっていました。
酸素ボンベは1000円くらいだそうです。

信号による応答と反応・・・4回
時速40kmで走行し、白線を越えたタイミングで信号が点灯し、「点灯しなかった」方にハンドルを切る操作です。
正しい反応ができるか、ということと緊急回避操作を体験できます。
全部で4回行いましたが、1~3回目は40kmで走行。4回目は30kmで走行でした。

この10kmの違いだけで、反応や緊急操作にいかにゆとりが生まれるかがとてもよく分かります。

衝突軽減ブレーキの体験
JAFセーフティトレーニング 衝突軽減ブレーキ体験
目の前にスポンジの壁を作って、デモカーを運転してエマージェンシーブレーキを実際に体験できます。一時期よくCMでやっていたものですね。
デモカーは「スバルレヴォーグ」「ホンダオデッセイ」の2台で、どちらも体験させてくれました。

実際体験すると「おぉぉ」と声が出ます(^_^;)
CMと同じ反応をしてしまいます。
危険を感知してから、停まるまでの音での警告やベルトを引っ張って、ドライバーに気づかせるシステムなど、メーカーによって警告の仕方が異なるのも特徴です。

衝突軽減装置は、今は流行りみたいになっていますが、勧んで使う装置ではなく、あくまで万が一の衝突を軽減するための装置である認識が必要です。
その装置を、過信してはいけないし、運転に怠惰になることも駄目!ですね。


8の字旋回
JAFセーフティトレーニング 8の字旋回

全カリキュラムの中で最も「ホット」なセッションです。
パイロンで、小さめの円と大きめの円 2つを作り、そこを8の字に走る走行です。
2周半を2回行いました。

ここでは右カーブと左カーブでのステアリング操作の違いや、カーブの角度による運転操作の違い、速度アップによる「曲がりにくさ」が体験できます。

速度制限はないので、人によってはかなり全開で走行している人もいましたし、タイヤが鳴くレベルでも走行できるので、タイヤの限界値や、限界付近でのクルマの挙動が非常によく分かります。
これを自分のクルマで体験しておくだけでも、万が一の時にも非常に役立つと感じますし、普段は絶対に試せないので、貴重な体験となります。
※このカリキュラムは、会場によっては実施しない(できない)ところも多いようです。

FF車ではアンダーステアを体験できますし、FR車ではオーバーステアが体験も出来ます。
FR車ではスピンしていたクルマもいましたし、FF車では大回りすぎになってるクルマも非常に多くいました。

スイフトスポーツの挙動について
ZC32Sについては、この限界付近でもアンダーステアが出にくく、コントロール性も失わない方向性にあります(横滑り防止装置の恩恵もありますが)


横滑り防止装置(ESC)体験
JAFセーフティトレーニング横滑り防止装置(ESC)体験

トヨタ86のデモカーで、マットの上に水を撒いた低ミュー路の上を走行し、ABSの体験とESCのON、OFFでのクルマの挙動の変化を体験できます。
ESCをOFF、ESCをONの2回走行します。

ESCをOFFで走行すると、リアタイヤがスリップして、そのままクルマがスピンしてしまいました。
(カウンターステアをあてても、制御不能でした)

ESCをONで走行すると、何事もなかったかのように走り抜けられました。
ESCの作動による「ガクガク」するような振動のようなものがあるのですが、電子制御がクルマを適正に制御してくれます。

FR車ということもあって、ESCの有無の違いがとてもよく分かります。

カリキュラム終了
以上で終了です。
最後にスタッフの人が総括し、アンケートを書いて終了となります。
一応「修了証?」のようなものもくれます(^_^)

セーフティトレーニングまとめ
2回目の参加となりましたが、年月が経過していることで忘れている部分があったり、クルマが前回参加の時とは異なるということもあって、とても楽しく、貴重な体験ができました。
多くのカリキュラムが、公道では体験できないものですが、体験しておくことも必要である内容が多く、これらのことをマイカーで体験出来るのは、非常に大きなポイントだと思います。

初心者時期が終わり、運転経験を重ねると、人間は奢りが出てくるような部分も多分にあります。
そういった部分についても、「もう一度初心に返って」勉強することで、安全運転の重要さを改めて感じることができる、とてもいい機会だと思います。

参加料はJAF会員3000円、JAF非会員4000円ですが、その料金以上の価値がこの講習にはあると感じました。
また参加したいところです(^_^)

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