パッソがフルモデルチェンジされました。
トヨタ、先進安全装備「スマートアシストII」を初採用した新型「パッソ」
すぐに試乗はしていたものの、ようやく日記にまとめられましたので、今回は新型パッソの試乗レビューというか、試乗感想についてまとめたいと思います。
グレード
試乗したグレードは「パッソMODA“S”」でした。
ボディサイズ
「3,660 x 1,665 x 1,525」(全長・全幅・全高)ということで、「Aセグメント」に分類されるのでしょうか。
実際にクルマを見てみると、割りと大きい印象を受けました。
タイヤ
タイヤはダンロップの「ENASAVE EC300+」でした。
タイヤサイズは、「165/65R14」のスチールホイールです。
運転席周り
シートはベンチシートです。シート自体はは柔らかめで、家庭にある、少し硬めのソファのような感覚です。ホールド性はほとんどありません。
長距離ドライブよりも、近所を走ることが多いことを想定して造られたシート、と言った印象です。
シートはアジャスター(高さ調整)は装備されています。
一番低い位置にしてもアイポイントはやや高めな印象です。ごくごくスタンダードな乗用車な感じです。
ステアリングの調整は、チルト機能はあり、テレスコピック機能がありませんでした。
ウィンカーは、レバーを倒してもすぐに戻るタイプで、最近のタント、キャスト等のダイハツ車と同じものだと思います。
各種フィーリング
ステアリング
ステアリングはすこぶる軽いです。また、路面から伝わってくるインフォメーションがかなり薄いです。操舵に対する応答性も緩い方向性で、曲がる時は気持ち多めにステアリングを切る必要がある印象で、「自然な操作感」とは異なる感があります。
カーブでは比較的ロールは少ないのですが、ここでもステアリングの操作感は上述の通りの感覚であるため「うーん」という感じでした。
アクセル・加速感
アクセルペダルの操作感は非常に軽めです。
加速感は排気量1リッターとしては非常に良い印象です。
出だしこそ若干のもっさり感があるものの、それ以降では割りとしっかりしたトルク感があります。
ペダルを多めに踏み込んだ時は、加速するまでに多少のラグはあるものの、そのラグも比較的少なめに抑えれていて、そこからはしっかりとしたトルクで加速します。
街乗りでは十分なパワー感です。
全体的には、アクセル操作に対する加減速応答性については、基本的にはややゆったりしたアバウトさのある部分があるように感じました。
ブレーキペダルは踏んだ時の感覚が結構硬めです。
ブレーキの初動では、カックンブレーキになるようなことはなく、ごく自然で緩やかにブレーキが効き始める印象です。
ストローク量もそこそこあり、コントロール幅もそこそこあります。
ただ、アクセルペダルと比べると、ペダルを踏んだ時の重さ(硬さ)がまるで異なる点に違和感があります。
また、ブレーキを踏んだ時に足の裏に伝わってくるハズの感覚や手応えのようなものは全くありません。
遮音性
車内でのエンジン音などのノイズについては、運転席だと結構静かに感じられて遮音性もしっかりしていると感じたのですが、後部座席に乗ってみると、運転席とは異なり、ロードノイズも含めて結構なノイズが耳に入ってくるのが気になりました。
降りた後に見てみると、リアタイヤのタイヤハウス部分には遮音材がありませんでした。恐らくこれが影響しているのかなと感じました。
内装・インテリア
内装はダイハツらしいというか、コストを抑えている印象がそのまま出ているデザインと素材という感じで、基本的に樹脂部分が多くて、チープ感は否めません。
ただ、細かい収納は非常に多くて、利便性を考慮している点は、トヨタ、ダイハツらしいとも言えます。
アシストグリップは、助手席のみが標準装備で、他の座席にはディーラーオプションで付けることができるようです。
また、リアハッチ自体も樹脂だそうで、これは軽量化と、少しぶつかったりした時でも元に戻る習性を活かしたために採用したそうです。
が、コストを抑える目的も往々にあったのだろうなと感じます。
乗り心地
乗り心地は凸凹での突き上げ感は結構抑えられていて、同乗者も不快感などはないのではないでしょうか。
営業の人も「突き上げ感をしっかり抑えた」と話していたので、時間をかけて開発した部分なのではないかと感じます。
燃費
試乗コースは短いものでしたが、そこでの燃費はエアコン常時オンで「13.6km」でした。
衝突安全性については、「JNCAP」実施のもので、「ファイブスター」だそうです(ただし、カーテンエアバッグのメーカーオプションを付けた場合)
JNCAPのホームページ上ではまだ結果が公開されていないのですが、トヨタの別刷りのカタログにはしっかり記載されていました。
営業の人は「軽自動車では今までに1車種(N-WGN)しか獲得していない、ファイブスターを獲得しています」と力強く話していたのですが、パッソは軽自動車じゃないのでは?と突っ込みそうになりました(^_^;)
新型トヨタパッソまとめ
ダイハツが開発したということもあって、クルマの基本部分としては、軽自動車がベースだからなのか、やはり物足りなさを感じました。
クルマで出かける時の高揚感や、運転の楽しさのようなものはあまりないように感じます。
デザインについては、ダイハツの「キャスト」に似ているものの、MODAは特に個性的ではあるので、そういった部分では「出かける楽しみ」は感じられるのかも知れません。
基本的には、パッソには「運転を楽しむ」ということを求める車種ではないのですが、それでも最低限必要と思われるインフォメーション類もほとんど感じられないのは残念なように思います。
ハンドルやペダル操作に対して、クルマから自分の身体に返ってくるものがほとんどないので、大げさに言うとゲームセンターにある、運転席に座って楽しむクルマのゲームに近い感覚のように思ってしまいます。
それもあって、早い速度や高速道路でも、今タイヤやクルマがどんな状態なのかが伝わってこなさそうで、ちょっと不安を感じそうではあります。
もしかすると、「ユーザーのニーズに的確に応える」というのが、こだわりなのかも知れません。
それでも、軽自動車を超える「1リッター」という排気量は、大きなアドバンテージになります。
その分だけ、トルクやパワーはありますし、実際に乗ってみると、その排気量以上のトルク感などがあるので、その辺りも寄与して運転(特に加速など)は楽々なのではないでしょうか。
また、衝突安全性も(カーテンエアバッグを装備すれば)、最高レベルのものですので、その点も大きいと思います。
(ただ、現状の国内のニーズでは、約6万円の価格アップまでして、カーテンエアバッグを装備する人はほとんどいないようにも感じますが、オプションを用意してくれているのはさすがです)
「軽自動車は税金も上がったし、普通車にしてみようかな」といったニーズには、しっかり応えるキャパシティは持っていますし、(排気量アップによる)それ相応のゆとりのあるパワーや、(オプションを付ければ)安全性も備えているということで、今後はこういったコンパクトな車種が増えて、軽自動車から「Aセグメント」などへの普通車への移行が進んでいく可能性も考えられるのではないでしょうか。
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