2017年10月20日金曜日

軽自動車のエアバッグ事情(特にカーテンエアバッグ)について考える

スバルのアイサイトが発表された頃から、「ぶつからないための安全装置」が注目され始め、2017年10月時点ではどのメーカーもそれらの装備にかなり力を入れています。
が、「万が一ぶつかった時の為の安全装置」も同等に大事だと考えています。

これについては、クルマのボディ自体の衝突安全性も関わってくる訳ですが、それと同時に「エアバッグ」も大事になってきます。
特に「カーテンエアバッグ」は重要な役割があるように思っています。

ただ、日本国内ではカーテンエアバッグの重要性と必要性についての認識が、あまり浸透しているようには思えず、車種ごとのオプション装着の可否を見ていくと、特に軽自動車ではカーテンエアバッグを装備できない車種が多い傾向になっているように思います。

今回はエアバッグ事情、特に軽自動車のカーテンエアバッグ事情について考えたいと思います。
エアバッグの種類について
そもそもエアバッグは、どんな種類があるのか整理したいと思います。

1.エアバッグ(SRSエアバッグ)
これは一般的な「エアバッグ」と言われているもので、ハンドル部分と助手席のところに装備されていますね。
こちらは装着が「義務化」されています。

2.サイドエアバッグ
シートのドア側のところにあります。大きさは大したものではなく、横からの胸部や腹部へのダメージを軽減させるかたちだと思います。
「カーテンエアバッグ」と混同してしまいそうですが、全く別の装備です。

3.カーテンエアバッグ(カーテンシールドエアバッグ)
横のウィンドウの辺りから、カーテンのように出てくるエアバッグで、これは後部座席までカバーしています。
横からの衝突や衝撃に対して、前席・後席ともに保護してくれる装備です。

4.ニーエアバッグ
前席の膝のダメージを軽減させるかたちですね。

5.歩行者保護用エアバッグ
歩行者がクルマと衝突した時に、その歩行者を保護するためのエアバッグです。
一番最初は、ボルボが発表したものだったと記憶しています。
国産メーカーではスバルが搭載しており、さすが「安全」にこだわるメーカーだと感じます。

上記の各エアバッグについては、以下のトヨタのMIRAIのサイトで、写真も含めて詳しく書かれています。
トヨタ MIRAI | 安全装備 | 衝突安全 | トヨタ自動車WEBサイト

カーテンエアバッグの重要性
いわゆる運転席、助手席の「エアバッグ」については義務化されていますが、これは「正面からの衝撃」に対して有効であって「横からの衝撃」には、全く役割を果たしてくれません。

横からの衝撃に有効なものとして「サイドエアバッグ」「カーテンエアバッグ」が必要になってくる訳ですが、これの有無によって、万が一の時に大きな差が出てくると思います。
「横方向からの衝突に対して、前席・後席ともに一定の安全性を確保する」上で、特に「カーテンエアバッグ」はとても重要になってくると思います。

敢えてカーテンエアバッグのオプションを選ぶ人は少なそう
ただ、クルマを買う時に「万が一ぶつかった時の事を考える」という意識を持つというのも、中々難しいのかも知れません。

なおかつ、装備があればそれだけ車両価格は上がりますし、「万が一」のことがなければ、一度も役割を果たさないままの装備になる訳でもあり(それが最も望ましいですが)「メーカーオプション」のような設定になっている場合には、日本では装着率はかなり低いような気がしています。

軽自動車における、カーテンエアバッグのオプションの有無について
果たして軽自動車で、どれだけの車種でカーテンエアバッグを装備、またはメーカーオプションとして用意しているのか調べてみました。
(2017年10月20日時点)

ホンダ
  • N-BOX(N-BOXスラッシュ、N-BOX+含む)の全グレードにメーカーオプション
  • N-WGN の全グレードにメーカーオプション
  • N-ONE の全グレードにメーカーオプション
ダイハツ
  • ムーヴ・・・Xターボ  SA Ⅲ のみ メーカオプション
  • ムーヴカスタム・・・RS  ハイパー SA Ⅲのみ メーカオプション
  • キャスト・・・スポーツ SA Ⅲのみ メーカオプション
  • タント・・・ G  SA Ⅲ のみ メーカオプション
  • タントカスタム・・・RS  SA Ⅲ のみメーカーオプション
スバル
  • シフォン・・・カスタム RS Limited スマートアシストのみメーカーオプション
  • ステラ・・・カスタム RS スマートアシストのみメーカーオプション
トヨタ
  • ピクシスジョイ・・・S“SA Ⅲ”のみメーカーオプション
スズキ

  •  ワゴンRスティングレー HYBRID T のみ標準装備
※上記グレードに設定があることをご指摘いただき、追記しました。

マツダ
 該当車なし

三菱
 該当車なし

日産
 該当車なし

上記のようなあり様になってしまいます(^_^;)

各メーカーごとのひとくちメモ
ホンダについて
ホンダはNシリーズについては、各車種の全グレードで「あんしんパッケージ」としてオプション設定を用意しており、グレードによる差別化もしておらずとても素晴らしいと思います。
また、N-WGNについては軽自動車で初の「新・安全性能総合評価で5つ星を獲得」という点をアピールしていました。
普通車、軽自動車ともに「一定の安全性を備える」という考えかたは他メーカーも見習うべき点な気がします。

ダイハツについて
ダイハツは「サイドエアバッグ」が装備されている車種とグレードは適度にありますが、「カーテンエアバッグ」となるとオプションが選択できる車種とグレードが激減してしまいます。
キャストやムーブについては、マイナーチェンジによってカーテンエアバッグを選択できるグレードを絞ってきています。
おそらく装備する人が少ないために、コスト削減も考慮して、絞っているのだろうと思います。
ただ、カーテンエアバッグを選択できる車種が上位グレードしか選択できないことが多くなってしまっており、安全装備にグレード差を付ける点には、メーカーとしての方針に疑問が残ります。

スズキとマツダについて
スズキについては、「ワゴンRスティングレー HYBLID T」にのみ標準装備になっています。
マツダはスズキのOEMな訳ですが、マツダでは上記と同等のグレードの設定はないため、マツダには該当車なしというかたちです。

「ワゴンR」については、2017年にフルモデルチェンジしている訳ですので、ブレーキアシスト系だけでなく、エアバッグに関しても力を入れて欲しいなぁと感じてしまいます。

三菱と日産について
日産は、三菱のOEMな訳で、基本的には三菱の装備に準じるかたちになります。
どちらのメーカーもカーテンエアバッグを選択出来る車種はゼロですが、
サイドエアバッグについては、デイズルークスでは全グレードで標準装備です。
ekスペースについても、「G」以上のグレードで標準装備です。

トヨタとスバルについて
どちらもダイハツからのOEMな訳で、やはりダイハツの設定に準じるかたちになります。



やはり軽自動車は「使い勝手」が重視されているのか
各メーカーの車種ごとの紹介ページを見ても、普段の使い勝手を重視しており、そういった点をアピールしている部分が多く見られます。
また、レーダーブレーキサポート関連については、どこのメーカーも力を入れていますね。
やはりどこのメーカーもアピールしやすい点や、多くの顧客が気にしそうな点については力を入れていますが、あまり顧客も気にしないような点(カーテンエアバッグなど)については、ばっさりと切り捨てている、という印象が拭えない印象です。

今後、どこのメーカーもホンダのようにグレードに関係なくオプション装備できるかたちになればいいなぁ、と思ったりしています。


2 件のコメント:

  1. スズキにもワゴンRスティングレーのHYBRID Tグレードだけですが、カーテンエアバッグ付いてますよ。
    ただ最低でもすべての車種で、最高グレードには付けてほしいです。
    おっしゃるようにすべての車種すべてのグレードでオプション設定があるのが理想ですが。

    現行スペーシアなんかはデュアルカメラブレーキサポートが付いているのに、
    カーテンエアバッグが付けれないということで相当数新型N-BOXに流れているでしょう。
    モデル末期の割にはパッケージも走りも良いだけにもったいないですね。

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    1. コメントありがとうございました。
      また、ワゴンRスティングレイに設定があることをご指摘下さいまして、ありがとうございました。
      本文の方も訂正いたしました。

      確かに現行スペーシアのデュアルカメラブレーキサポートは「アイサイト」と同じメーカー製ということもあり、信頼性と精度は非常に高いですよね。
      これにカーテンエアバッグの設定があれば・・・と考えると本当に惜しいと思います。
      フルモデルチェンジした際には、是非ともカーテンエアバッグについても設定があればいいなと思っています。

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