2012年9月9日日曜日

トヨタ新型オーリスRS(ZRE186H) 6MT 試乗レビュー

















先日オーリスがフルモデルチェンジされました。テレビCMがちょっと変な感じですが、クルマには罪はありませんよね。
これまでのトヨタが構築してきた「常識」を覆す、という意味なのであればその流れはいいことだとも思いますし、今後のトヨタにも期待が持てますね。

日本ではあまり種類の多くないCセグメントの車種で、競合車種としてマツダ アクセラやスバル インプレッサ辺りになると思います。
オーリスは先代に引き続いてスポーティーなRSのグレードを設定、しかも6MTを用意してくれています。
トヨタの掲げる「FUN TODRIVE AGAIN」は、オーリスには当てはまるのかなど興味があって試乗してきたので、今回はそのオーリスRSの試乗インプレッションをまとめたいと思います。
RSの試乗車はあまり置いていないので、少し遠出をしてきました。

試乗車は普通のRSでした。上位グレードのS Packageとの違いはディスチャージヘッドランプの有無やオートエアコンの有無などいくつかありますが、走りに関して違う点としてはホイールの違いですね。
「RS」は205/55 R16のスチールホイール、「S Package」は205/55 R16のアルミホイールです。
タイヤは「RS」はミシュランのエナジーセイバーでした。「S Package」も同じタイヤかと思われますが確認していません。

早速乗り込んで試乗させてもらいました。
ドライビングポジションについては、特に問題ありません。シートリフター、ステアリングのテレスコピック、チルト調整が行えるので適切なポジションが取れると思います。
シートリフターでは一番低い位置にすると、結構低いところまで下がってくれます。中々スポーティーな感じがします。
シートはやや硬めな作りでした。長距離運転しても疲れなさそうな印象があります。
6MTについては、リバースを入れる時はシフトノブの下にあるリングを引き上げながら「R」に入れるタイプです。「R」は左上(1速の左)にあります。

シフトノブを握った時の感じは、ストロークがやや長めな印象です。ですが、腕とシフトノブの距離感はちょうどいい感じで、違和感はありませんでした。操作しやすい高さにシフトノブが配置されている感じです。
シフト操作は、カッチリ感はないものの、軽い力で操作ができるので、楽に操作ができて中々好印象でした。
同乗した営業の人は「もう少しカッチリした感じがあってもいいかも」なんて言っていましたが、ここは人それぞれの好みがありますね。

走り始めてまず感じたのが「アクセル操作が軽い、軽すぎる!」という点です。とにかく軽いです。クラッチ、ブレーキ、アクセルの3つのペダルの中でもダントツで軽かったです。スピード調整で使用する大事な部分なので、もう少し手応えを持たせてもいいんじゃないかなと思ってしまいました。
結果的に、アクセルペダルが軽すぎるためにアクセル開度による速度の微調整が難しいのかも知れません。

クラッチの重さは「普通~やや軽め」な感じです。クラッチがつながる部分はクラッチペダルを半分戻した位置より、もう少しだけ奥の辺りでつながる感じでした。

ブレーキについては遊びが少なめです。で、ブレーキが急に効き始めます。いわゆるカックンブレーキです。
一番最初にブレーキ操作をした時には、同乗した営業さんの身体が、前につんのめってしまいました。
ブレーキは初動が強めに効くので、緩く減速させるような操作は難しそうな印象を受けました。
3ペダル動作については、特にスポーティーさは感じられませんでした。

ステアリング自体は、やや太めな印象で握りやすく感じました。
ステアリング操作については軽めな印象です。ぽんは重めのステアリングが好きなので、もう少し重みが欲しかったです。とは言うものの、オーリスRSについては、軽めだけど悪くはない印象でもありました。
それとステアリングのインフォメーションはそこそこある印象を受けました。正確には「そこそこよりもう少し薄い」という感じでしょうか。路面がどんな感じなのか全然分からない、という感じではないので運転していて不安になるようなことはないと思います。
試乗したコースは直線が多くてカーブなんかがほとんどなかったので、サスペンションの印象については、いまいちつかめませんでしたが、「硬い」という感じは全然なくて、むしろ「しなやか」な足回りのような印象を受けました。ですが、実際のところは試乗では分かりませんでした
ステアリングフィールについてはハンドルを切った感じと車体の曲がる感じの一体感があり、ステアリング操作に素直な反応をしているように感じました。
試乗車はスチールホイールだったので、「S Package」のアルミホイールでは、もっと好印象になるかも知れません。

営業さんに了解を貰ってエンジンを少し引っ張ってみました。1速で6000回転付近まで引っ張り、2速でも5500回転くらいまで引っ張ってみました。
エンジンの回転はフラットな感じでスムーズに回っていきます。恐らくレッドゾーンまで回してもこのような印象だと思います。このフラットな回転は中々の好印象でした。
加速についてはごくごく普通な感じですが、普段の街乗りであれば充分な加速とパワーはあると思います。
※RSのエンジンはハイオク仕様ですが、試乗車ではレギュラーガソリンを入れているとのことだったので、ハイオクガソリンを入れると、もっと良い印象を受けるのかも知れません。

乗り心地はスポーティーグレードとしては、とてもいい方なのではないかと思います。突き上げなんかはほとんどなくて、ゴツゴツした感じもなく、同乗者から不満が出ることもないのではないでしょうか。
とても好印象でした。

高速安定性についてもよさそうな感じです。全体的にどっしりした感じはないのですが、80kmくらいの速度ではタイヤが路面ときちんと密着している印象を持てたので、高速道路を利用した際でも、高速安定性は充分なものがあるのではないかと感じました。

試乗を終えての印象は、オーリスRSの印象は「普通以上、スポーティー未満」という感じだったように思います。
スポーティーと言うにはちょっと何かが足りないかな、という感じです。
走りに期待をしすぎてしまうと、普通すぎて拍子抜けするかも知れません。
実燃費は、低回転を使うように心がければ13~14kmくらいのようです。

試乗した後は、後部座席やトランクの確認です。
後部座席については、アクセラやインプレッサと比べても「広い」です。
まず不満が出るようなことはないだけのスペースは確保しているのではないかと思います。

トランクについても、そこそこの広さがあります。
RSには付属していないそうですが、S Package ではアジャスタブルデッキボードなるものが付属して、フロアボードの上にう1つフロアボードが取り付く感じなんだそうです。2つのフロアボードの間には隙間があるので、ここにも荷物が積めるということのようです。
1つのフロアボードを取り外せばトランクに高さが確保できるので、ちょっと高さのある荷物も積める感じになるようです。
RSではオプションで取付できるそうです。

さて、オーリスRSですが、全体的には中々バランスの取れたクルマだと思います。
使い勝手もそこそこで、走りについてもちょっと頑張っている感じなので、総じて不満が出ることも少なく、満足度が得られるのではないでしょうか。
「使い勝手重視」と「走り重視」のちょうど中間に位置するクルマだと思います。両者を足して2で割った感じです。
要するに使い勝手も走りも「そこそこ」で、ファミリーカーとしても使えて、ちょいスポーティーカーとしても使えるクルマですね。

国産車のライバルとなるアクセラやインプレッサと比べてみると、走りについてはオーリスRSは劣勢になると思いますが、使い勝手を含めた全体のバランスを考えるとオーリスRSが優勢になってくると思います。
それに「MT」を考えた場合には、更にオーリスは優勢になるような気がします。
インプレッサは1.6の下位グレードにしかMT設定がなく、このグレードではリアスタビライザーが省略されている、アクセラにはMT設定なし(マツダスピードアクセラは比較対象外の仕様だと思います)、ということでオーリスRSが一歩リードしてきそうです。
ただ、オーリスはちょっと価格がリッチですよね。この辺りのバランスがまた難しいところです。

それと、「運転して楽しいか」についてですが、試乗しただけの印象ではありますが「ゆったり、まったりと楽しめる」という感じだと思いました。 運転の楽しさについても、「そこそこ」な塩梅ですね。

ぽん的にはオーリスRSのこの絶妙なバランスは「あり」かなと思いました。

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