2014年3月15日土曜日

永遠の0(ゼロ) 映画感想

今回は、今更ならが「永遠の0」の映画感想というかレビューについてまとめたいと思います


永遠の0 岡田准一

採点:90点
祖母の死をきっかけに、孫の2人が祖母の前夫である宮部久蔵について調べていくという物語。

当時の人物からの聞き込みで、「臆病者」「死にたくない」と話していたという宮部久蔵がなぜ特別攻撃隊に志願し、亡くなったのかというミステリーじみた内容で展開していきます。
映画は回想シーンと現代シーンが相互に展開していく流れです。

宮部久蔵のことを「臆病者」と語る人が大半の中、わずかな人物だけが
知っている(語る)宮部久蔵という人物の本当の姿が徐々に判明していく展開に、自然と引き込まれていきます。

戦時中の映像は、邦画としては非常に完成度が高いと感じ、戦闘の臨場感や空中戦でのカメラワークなどリアルに表現されており、戦時中の異常な状態を感じ取るには十分です。

この映画は戦争に対する批判と共に、当時の大日本帝国の行った作戦(特別攻撃隊)や、戦死に対する誤った考え方(お国の為に死ぬことは素晴らしいのような)に対し、宮部久蔵というキャラクターを通じて痛烈に批判しているのだと感じました。

宮部が負傷した同士に対し「これからの日本に必要なのはあなたのような若い人々なのです」といった会話からも、そのことが伺えます。

終盤、祖父(夏八木勲)の会話の中に「当時の戦争経験者、一人ひとりにそれぞれの物語があった」という言葉は非常に重みを感じます。

宮部久蔵など、数名を描いただけでもこのボリュームです。戦争経験者一人ひとりの物語は計り知れません。
それだけ多くの人々の想いを狂わせ、人生に影響を与えた戦争の恐ろしさ。
そして、戦時中の多くの犠牲の元に現代の日本が構築されているのだということを改めて痛感させられます。

宮部久蔵最後の涙にはどんな想いが込められていたのか。
そして現代の我々はこの歴史をどう受け止める必要があり、未来へ繋げていく必要が必要があるのか。
これは現代の我々への宿題なのかも知れません。


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