スズキから新型エスクードが発売されました。
ハンガリー生産ということで、スプラッシュ、SX4 S-CROSSについでの展開となります。
欧州では「ビターラ」という名前で既に販売されている車種ですが、前々から気になっていて、試乗も楽しみだった部分があります。
今回は新型エスクードの試乗感想というか、試乗レビューについてまとめたいと思います。
試乗のグレード
4WDの「AllGrip」装備車になります。
タイヤサイズは215/55R17 94Vです。
タイヤ銘柄はコンチネンタルの「コンチ エココンタクト5」でした。さすがハンガリー生産だけのことはありますが、SX4 S-CROSSと同じ銘柄になります。
運転席周り
ドライビングポジションについては、シートリフター、テレスコピック、チルトステアリングが装備されています。
ブレーキ
ブレーキについては、ストローク量は少なめです。
運転席周り
ドライビングポジションについては、シートリフター、テレスコピック、チルトステアリングが装備されています。
シートは一番低くしても、印象としては「やや高め」な状態となります。視界は良好ですが、低めのポジションに調整することはできません。
シート自体は結構硬めな印象でしょうか。長距離運転はちょっと疲れるかも、という印象も受けましたが、まだ卸したてのクルマだからかも知れません。
また、シートのサイドサポートはごくごく標準的なレベルのものです。
各種フィーリング
ステアリング
ステアリングの重さについては、ごくごく標準的な印象です。軽すぎることもありませんが、重くもない分、「しっかりとした手応え」というものは感じられません。
また、インフォメーションはかなり薄味でした。あまり路面からの情報は得られない印象を受けました。
ステアリング操作に対する応答性については、どちらかと言えばクイック気味な方でしょうか。
SX4 S-CROSSと較べても、エスクードの方が若干スポーティ寄りな印象を受けました。
アクセル
アクセルペダルは吊り下げ式です。アクセルペダルは軽めです。
アクセルペダルは吊り下げ式です。アクセルペダルは軽めです。
アクセル操作に対する加速感については、とても自然ですし、とてもスムーズです。
大きなトルク感はないものの、伸びのある加速感は心地良いです。
SX4 S-CROSSで感じたような、「アクセル踏んでも加速が鈍いというか、重い感じ」もなくて、フィーリングは全体的に良い印象です。
ここはCVTではなく6ATである点も、影響が大きいのかなと感じました。
また、試乗の中では非力と感じる場面も全くありませんでした。一般道では必要十分なものです。
途中で、アクセルペダルを奥まで踏み込むと、「ワンテンポ~2テンポくらい遅れてからキックダウンのような形で、エンジン回転数が上がって、加速してくれる感じです。
これについては、アクセル操作に対する遅れに違和感がありました。
ブレーキ
ブレーキについては、ストローク量は少なめです。
操作感は堅めな印象で、踏み込み始めの遊びも非常に少なめです。
ブレーキの初動が効き過ぎるようなこともなく、コントロールしやすいブレーキです。
カーブなど
カーブなどでは、身体が左右に揺さぶられますが、傾くのを身体で感じられるようなロールというものはあまりなくて、サスペンションはコシのあるものである印象を受けます。
ゆったりしたカーブが続くような道路では、結構楽しめるかも知れません。
トランスミッション
トランスミッションは「6AT」です。
「D」モードで走っている時ですが、だいたい2000回転くらいで変速する印象でしょうか。(AllGripはAUTOの状態)
変速ショックも殆ど無くて、とても印象の良いものでした。
マニュアルモード
パドルシフトによるマニュアルモードも装備されています。マニュアルモードは「D」でも操作可能でした。
パドル操作による変速の応答性については、結構反応が良いものでした。
操作に対してストレスのない反応を示して変速してくれるので、結構使い所がありそうですし、カチカチと操作するのは中々に楽しめるだろうなと感じました。
ちなみに、シフトダウン操作によるブリッピングはありません。
マツダのスカイアクティブの6ATと較べても、変速応答性は圧倒的にこちらの方が良いですし、6ATの仕上がりもとてもレベルが高いと感じました。
乗り心地
乗り心地については、細かい振動は抑えこまれており、身体にも伝わってこない印象です。
ですが、ちょっとした凹凸ではゴツゴツと振動が伝わってくる印象ですが、決して悪い乗り心地ではありません。
AllGrip(オールグリップ)について
どんなものだか期待していた「AllGrip」だったので、積極的に「SPORT」モードを試してみました。
カタログを見るとステアリングの重さとかも制御するのかなぁと思っていたのですが、実際のところステアリングの重さの変化までは感じませんでした。一般道であることや、一般的な速度だったからかも知れませんが。
SPORTモードでの一番の変化はエンジン回転数が上がることで、変速タイミングも3000回転を越えた辺りで変速するようになって、「ちょっと引っ張り気味」な印象になりました。
ただ、アクセルレスポンスには大きな変化は感じられず、あくまでエンジン回転数が高めに切り替わるだけのような印象も受けました。
カーブなどでも、ステアリング操作に対する変化もAUTOと較べても変化は感じられず、ちょっと肩透かしな印象も受けました。
試乗コースの限られた中では、これを体験できるのは難しいのかも知れません。
エンジン
エンジンについては、上述の通り6ATとのマッチングも良いのかスムーズなフィーリングです。エンジン音はスポーティーさはなく、ごくごく一般的なサウンドと言えます。
遮音性はそこそこしっかりしており、エンジン回転数が上がってもやかましく感じる程ではないと思いました。
内装
内装については、カタログでは感じませんでしたが実際に乗ってみると「安っぽい」部分が多々感じられます。
ドアトリムやインパネなどは、最もコストの安そうな素材が使われている印象で、残念感がありました。
シートはサイド部分で本革を使ったりして上質さを演出しているのに、ちょっとアンバランスな印象も受けました。
スイフトと較べても、ぱっと見の印象ではスイフト(ZC72S・32S)の方が上質さがあるように感じられます。
後部座席
後部座席については、写真などでも狭そうな印象でしたが、実際のところもやっぱり狭く感じました。
スイフト(ZC72S・32S)と比べると、若干広くはなっていますが大した違いがありません。同乗者にとっては、快適な空間とは言えないかなぁという印象です。
また、リクライニング機能もなさそうですし、SX4 S-CROSSにあるようなリアセンターアームレストもありません。
トランク
後部座席が狭い分、トランクの容量はそこそこあるように感じました。ちょっとした旅行などでも必要十分な印象です。
燃費
試乗前に、燃費計をリセットしてから走りましたが、試乗後の燃費計表示は「13.4km」でした。
燃費計表示の精度がどの程度なのかは不明ではありますが、ある程度の目安にはなるのではないでしょうか。
値引き
気になっていた車種だったので見積もりも出してもらいましたが、4WDタイプの方でフロアマットやナビなど一般的なオプションを付けると、トータルで300万円近くになります。
値引きはここからオプション込みで25万円程度。
値引きはもう少し頑張ってくれそうな印象も受けました。
納期
試乗時点での納期は、ボディカラーが「アトランティスターコイズパールメタリック」では、1ヶ月強くらいとのこと。
SX4 S-CROSSの納期はかなり遅いようですが、それと比べると現時点では納期は大分早そうな話しでした。
エアバッグ
スプラッシュでは標準装備だった、サイドカーテンバッグなどは装備されておらず、フロントエアバッグのみの装備になっています。
SX4 S-CROSSも同様ですし、オプションでも選べず、安全性の面から考えるとメーカーとして、ちょっと後ろ向きな印象も受けてしまいます。
ただ、サイドカーテンエアバッグについては一般的には、国内での需要は少ない(オプションでわざわざ選ぶ人はごく少数)のだろうなぁと感じますし、国内市場の需要を見極めた上で、必要最低限の安全装備だけにして、なおかつオプションとしても省くことで、コスト削減をしている方向なのかなと感じます。
新型エスクードまとめ
ちょっと期待していたエスクードですが、運転してみた印象としては、全体的にごくごく一般車的なフィーリングで、大きな魅力にちょっと欠けるかなぁといった印象を受けました。
ただ、6ATの仕上がりはとてもいいですし、全体的なレベルとしては「ちょっと高め」であるようにも感じます。
デザインについては、比較的シンプルなものですが、個人的にはとても好みです。
ですが、恐らくマイナー車種になりそうですし(^_^;)、「あのクルマなんだろう」的な位置づけになりそうなところもありそうです。
海外モデルと比べると、ボディカラーが4色だけというのも残念な部分です。
クルマのサイズ的には「Bセグメント」になる訳ですが、ヴェゼルやCX-3、ジューク、もっと言うとXVなどもライバルになるのでしょうか。
正直、これらの中でエスクードのアドバンテージが何があるかと言われると・・・うーむと唸ってしまいそうです。
また、価格面についてもどっちつかずといった設定になっており、やはり「うーむ」となってしまいます。
試乗してみて印象が良かったら買い換えてもいいかなぁ、くらいまで思っていたのですが、今回の試乗結果からすると、「買い替えはちょっと考え直してみよう」となってしまいました(^_^;)
ただ、決して悪いクルマではないとは思いました。
新型エスクードの試乗レポートは、現時点でネットで見れるものはすべて見ましたが、プロによるものも含めて、すべての中で、この試乗記が一番優れていると思います。知りたいと思っているすべての項目について、的確な評価がなされていて、非常に参考になりました。プロ目線でなく、一般消費者の感覚が生かされている点では、プロによるものよりずっと信頼性があります。有難うございました。
返信削除コメントありがとうございます。
削除いただいたコメントが本当に嬉しくて、何度も読み直してしまいました(^_^;)
また、少しでもご参考にしていただけたこともとても嬉しく思いますし、「日記書いててよかったなぁ」と心から思いました。
わざわざお時間を割いていただき、このようなコメントを残して下さり、こちらこそ感謝です。ありがとうございます。
早速ご返事いただきありがとうございます。
削除ウインタースポーツをやるようになった関係で、車高が高くて、4wdがしっかりしている車を探しているなかで、この車の試乗記を片っ端から見ていたのですが、20本近く読んだ後に、こちらのレポートに出会いました。もっと早くここに来ていれば、20本も読まなくて済んだのにと思っています。
本当に的確なレポートで文章にも無駄がなく、素晴らしい試乗記です。今後も、試乗された車があれば、お時間の許す限りで、ここにアップして下さい。たくさんの車好きとか車購入予定者にとって、非常に参考になると思います。
ところで、この新型エスクードですが、おっしゃるとおり「うーむ」という車になってしまっていますね。ヨーロッパでは、ターボやディーゼルそれに開口面積の大きなスライティングルーフなど、選択の余地が多くなっているようです。そうすれば「うーむ」から「おーーー」ぐらいにはなると思うんですが、本国なんですから、スズキももう少し考えてもらいたいものです。
コメントありがとうございます。
削除今後も試乗したクルマは日記にまとめていきたいと思います。ありがとうございます。
なるほど、ウィンタースポーツをやられると、こういうジャンルのクルマは選択肢となりますよね。
おっしゃる通りヨーロッパでは、グレードやエンジン、トランスミッションにボディカラーなど、選択肢などもかなり豊富ですよね。
色々選択を悩みながら決めていくのも、クルマ選びの醍醐味だったりしますし、日本でももう少し力を入れて販売してくれるといいのになぁと思っています。
まあ、他社の同クラスは選択肢が多いからね~但しオプションばかりで結局高価になるんたけどね~エスクードは価格から見れば良い車だと思いますよ
返信削除コメントありがとうございます。
削除新型エスクードは特にエクステリアデザインが凄くいいなと思っています。
最近競争が激しくなってきているコンパクトSUVのジャンルに、輸入というかたちでも車種を投入してきた点もいいですよね。
メーカー・ディーラーの販売力次第では、販売台数にかなり伸びしろのある車種という気がしています。
試乗しないで買いましたが、十分に満足しています。
返信削除珍しいせいか、すごい見られます。
コメントありがとうございます。
削除おぉ、購入されたのですね。
エスクードはぽんも先日初めて街中で見かけて、つい目で追ってしまいました(^_^;)
その珍しさ?と洗練された欧州的なエクステリアデザインが、街中ではとても映えるクルマだと思いました。
SUV系の中ではかなり格好いいクルマだと思っています。
ですよね
返信削除私もエスクードのエクステリアはコンパクトSUVの中でもかなりカッコいいなと思っています
今からターボのグレードを欲しいなと狙っていますがなかなか相場も高いですなあ