2012年11月30日金曜日

BMW 523d BluePerformance、X3 BluePerformance試乗レビュー(クリーンディーゼル体験試乗会にて)

今回はクリーンディーゼル実車体験試乗会で試乗した、BMWのクリーンディーゼル車2台についての試乗レビューについてまとめたいと思います。

1.523d BluePerformance
523d BluePerformance
セダンタイプです。
走行モードがいくつかあり、今回は1週目がコンフォートモード、2周めがsport+モードで試乗させてもらいました。
コンフォートモードでは、アクセルレスポンスやサスペンションが柔らかめのセッティングになるようです。
アクセルを踏み込んだ際のレスポンスはやや鈍いかたちですが、アクセルを前回まで踏み込むと、急にドッカン加速をするような印象がありました。
これはアクセルレスポンスを「わざと」鈍くしている状態ながら、アクセルをフルスロットルにしたことで「加速する状態」とコンピュータが判断して、急に加速する制御になったのかなと感じました。
要するに、走行モードには忠実な挙動をしていると感じます。
また、凹凸のある路面はマイルドに走り抜けてくれました。が、メルセデスベンツと比べるとベンツの方がマイルドさは上かなと感じました。
2周目は「SPORT+」モードです。
モードを変えた途端に、アイドリングからやや勇ましさを感じるようになります。
加速時のレスポンスも鋭さがあって、コンフォートモードとことなって、スムーズな加速をしてくれる印象がありました。
また、コーナーでのステアリングの手応えががっちりで、足回りも素晴らしいです。
モード1つで、車の性格の違いを体験できるのは面白かったです。

2.X3 BluePerformance
X3 BluePerformance
SUVタイプです。2012年9月25日に発売されたばかりのモデルです。
8AT搭載の2リッターディーゼルターボです。
車の外から聞いた時、「ガラガラ」というディーゼルエンジンらしい音がよく聞こえてくるなぁとも感じました。
ただ、車の中からではそれ程気になる音ではありませんでした。
走りについては、SUVタイプにも関わらず剛性感は非常に高く、そのコーナーでの安定感も素晴らしく感じました。

BMW クリーンディーゼル車まとめ
BMWの2車種は、メルセデスベンツの2車種とは異なる味付けであることがよく分かりました。
こちらは「勇ましく、熱く」という表現になるでしょうか。ドライバーが主役であり続けるクルマであると感じました。

加速した時の排気音は両車ともガソリンエンジンに劣らずにスポーティーなサウンドが聞こえきて、「その気」にさせてくれます。
全体的な静粛性はメルセデスベンツに比べると劣る印象がありますが、それは車の位置づけの違いによるところもあるのかなと感じます。
また、ステアリングはどちらも「重め」でがっちりした手応えを感じられ、すばらしいフィーリングでした。
今回のBMWの2車種については、セダンでもSUVでも運転の楽しさを感じられ、ドライバーを主役にさせてくれるクルマであると感じました。
初のBMW車の試乗でしたが、さすがに素晴らしいクルマでした。貴重な体験ができました。

2012年11月29日木曜日

ベンツ E350 BlueTEC、ML350 BlueTEC試乗レビュー(クリーンディーゼル体験試乗会にて)

今回は、クリーンディーゼル実車体験試乗会で試乗した、メルセデス・ベンツの2台のクリーンディーゼル車の試乗レビューについてまとめたいと思います。

1.E350 BlueTEC Stationwagon Avantgarde
E350 BlueTEC Stationwagon Avantgarde
ステーションワゴン型の車種です。
こちらは前回の試乗会でも試乗させてもらえた車種です。
試乗レビューについては以前のページもご覧下さい。
静粛性が優れており、乗り心地も快適で、マイルドなゆったりした乗り味が基本になりますが、今回試乗してみて感じたのが、ステアリングの印象が以前よりも手応えがあった点です。ストレートや、コーナーなどでもステアリングの手応えがしっかりしている印象を受けました。
ちなみに今回の走行モードは「ノーマル」とのこと。(ノーマルモードが最もこの車種の良さを引き出してくれるとのことで、他のモードは試すことができませでした。

2.ML350 BlueTEC
ML350 BlueTEC 1ML350 BlueTEC タイヤ














こちらはSUVです。
タイヤはコンチスポーツコンタクト5を履いていました。

まずは車に乗り込む位置が高めで、乗り込む際には「よっこらしょ」という声は出ませんが、ちょっと「登り込む」ような形になります。
E350と同じディーゼルエンジンを搭載していますが、こちらの方が後発モデルということもあり、エンジンのセッティングが改良されているそうで、加速力がアップしているセッティングになっているそうです。
そのセッティングの影響もあるのか、車重は2トンを超えているものの、その重さも全く感じることなく爆裂な加速をしてくれます。
ブレーキも充分に効いてくれて、すばらしい制動力です。

また、路面の凹凸を丸め込むのが素晴らしく、乗り心地は抜群です。
ただ、路面が波打っているような場所では、車が「ボヨンボヨン」するような上下の動作がありました。
これは、クルマ自体が路面を忠実に追従するような足回りにセッティングされているからとのこと。
なるほど、オフロードや荒れた路面などでは確かに必要になるのかも知れません。
基本的には、「ゆったりと楽に乗るクルマ」という位置づけになるのかなと思います。
ステアリングの手応えは適度で、直進安定性も文句なし。
こちらも静粛性が高く、静かでゆったりと乗るクルマという位置づけになるのかなと思います。

メルセデスベンツ クリーンディーゼル車まとめ
今回の2車種のメルセデスベンツは、とにかく「ゆったり、快適」な乗り味が特徴的でした。
今回試乗したメルセデス・ベンツの2台は、コンフォート向きなのかなぁと感じます。
そのコンフォート的な快適性に、ディーゼルエンジンの加速力が加わった、という印象です。

次回はBMWのクリーンディーゼル車2台の試乗レビューについてまとめたいと思います。

2012年11月27日火曜日

マツダ新型アテンザ、CX-5(2WD) 試乗レビュー(クリーンディーゼル体験試乗会にて)

クリーンディーゼル体験試乗会で試乗した6台のうち、今回はマツダのクリーンディーゼル車2台についての試乗レビューをまとめたいと思います。

3-1.アテンザセダン XD Lパッケージ
アテンザセダン XD Lパッケージ
試乗会の前日に、ディーラーにて試乗させてもらったアテンザと同モデルになります。
※新型アテンザの詳細をまとめた試乗レビューについては、以下をご覧ください↓

マツダ 三代目 新型アテンザ(GJ) XD Lパッケージ(ディーゼル) 試乗レビュー

改めてアテンザを試乗してみて、やはりCX-5よりもディーゼルエンジンのガラガラ音や振動が気になるように思います。

今回の試乗では主に高速安定性と足回りについて確認しようと思っていました。
まずは、高速安定性についてですが、こちらは文句なしです。ホイールベースが長いことと、車重があることも影響していると思いますが、フラついたり不安になるようなことは一切なさそうな印象を受けました。
足回りについては、コーナーでもロールせずにスムーズに駆け抜けてくれる印象です。
これまでのマツダ車に比べると、しなやかさが格段に上がっている感じがします。
一瞬、「柔らかめなセッティングなのかな?」という気がするものの、それは「しなやかさ」からくるものであるように思います。
懐の深そうなサスペンションであるように感じました。

それと、ステアリングについては速度を出した時でも全体的に「軽め」であることが分かりました。
速度域が高めでのコーナーでのステアリングの操作感も軽めでした。
ここはアテンザのメインターゲット層(40代~50代とのこと)を意識していることから、このセッティングにしているのかもしれません。

それと、加速についてはキックダウンした時の加速と、徐々に踏み込んだ時の加速のフィーリングの印象がだいぶ異なる気がしました。
キックダウンした時の加速感は正に「爆裂加速」で、120kmまで出せる試験コースでもあっという間にその速度まで到達してしまいます。
徐々に踏み込んだ時のフィーリングは、NAガソリンエンジンのような加速感でフラットに加速していきます。(もちろんディーゼルエンジンらしく、加速スピードは圧倒的です)
アクセル操作一つでこれだけ異なる印象に仕上げ、且つドライバーの意図する動きを忠実に表現してくれるのがアテンザの特徴の一つと言えるかも知れません。

3-2.CX-5 XD (2WD)
CX-5 XD(2WD)
今回用意されていたのはFFの2WD車でした。ぽんとしては前回の試乗会の中で、もっとも気に入った車種だった訳で、今回は2回目の試乗になります。前の試乗を思い出しながら乗ってみました。
エンジン音は、アテンザよりも気にならない上に、振動もCX-5の方が抑えこまれているような気がします。(運転席側での印象です)
試乗してみて感じるのは、アテンザよりも全体的にスポーティーな気がします。それはコーナーでのがっちりと手応えのあるステアリングフィーリングであったり、加速フィーリングから感じるところだったりします。
加速フィーリングは、アテンザと比べると「ドッカン加速」感があるかもしれません。
が、それはアテンザと比べた場合であって、一般的には問題のない加速フィーリングだと思います。
BMWやメルセデスベンツなどの試乗車に乗った後でも、CX-5の走りやスポーティーさは頑張っているなと感じました。


マツダ クリーンディーゼル車まとめ
マツダのディーゼルエンジンは他メーカーと比べて吹け上がりがいいように感じます。
高回転でのスピードの伸びはそれ程感じられないのですが、5000回転~それ以上まで綺麗に吹け上がる印象で、ガソリンエンジンならではの気持ちよさも残されているディーゼルエンジンであると感じました。
「元気なディーゼルエンジン」という表現がピッタリかもかも知れません。

次回はメルセデス・ベンツのクリーンディーゼル車2台の試乗レビューをまとめたいと思います。

第4回 クリーンディーゼル実車体験試乗会 参加レポート1


第4回 クリーンディーゼル実車体験試乗会


2012年11月24日と25日に、クリーンディーゼル普及促進協議会主催による「第4回 クリーンディーゼル実車体験試乗会」が、那須塩原市のボッシュ試験場にて行なわれました。
ぽんは第3回の時に参加させていただきましたが、今回もダメ元で応募したところ、なんと当選の連絡が!
どうやら抽選の際には、参加経験の有無によって弾いたりはしていないそうで、平等に抽選をしていただいているそうです。
前回はあいにくの天気でしたが、今回はなんと快晴!雨男としての伝説を数々残してきたぽんなのに、快晴!(大事なことなので2回言いました)
これはもう来年分の運まで使い果たしてしまったのかも知れません。

ということで、幸運にも2回目の参加をさせていただきましたので、試乗レビューを含めた参加レポートをまとめたいと思います。
イベントの大まかな流れは、以前にまとめたページをご覧下さい↓
クリーンディーゼル実車体験試乗会でCX-5、エクストレイル等に乗ってきた

スタッフの方が覚えてくれていて、「お子さん、大きくなりましたねぇ」と言われたり、寝てしまった子供を試乗中に見ていてくれたりと、お世話になりっぱなしで大変恐縮でした。ありがとうございました(^_^)

さて、クリーンディーゼル体験試乗会の説明を受けた後、クリーンディーゼルの特徴やメリット、ガソリンエンジンとの違いなどについては、モータージャーナリストの藤島知子さんが説明してくれました。
(24日の日は川端由美さんだったそうです)
藤島さんは、雑誌やWEB記事、TVKで放映している「岡崎五朗のクルマでいこう!」にも出演なさってますね。
ぽんはTVKは普段は見られない地域ですが、「スイフトスポーツ」の回は他局で放送してくれたので、それを見たのを覚えています。

さて、今回の試乗車は以下の6台です。
 1.E350 BlueTEC Stationwagon Avantgarde :メルセデスベンツ
 2.523d BluePerformance :BMW
 3.アテンザセダン Lパッケージ :マツダ
 4.ML350 BlueTEC :メルセデスベンツ
 5.X3 BluePerformance :BMW
 6.CX-5 XD (2WD) :マツダ

メルセデスベンツ、BMW、マツダの3メーカーで2車種ずつです。

試乗の順番はスタッフの人に指示された車種から試乗する流れなので、人それぞれで乗る順番が異なってきます。
ぽんは上記の順番に試乗させてもらいました。

試乗は1.6kmの楕円コース(片方のコーナーは角度の付いたバンク)を2周する内容です。
時間にしては5分程度のものですが、加速性能、直進安定性、コーナーの挙動やハンドリング、ボディ剛性、ブレーキフィーリングなど、車の走行性能を確認できるポイントが、ぎっしりと抑えられているコースだと思います。
・・・が、素人なのでわずか2周はあっという間に終わってしまう感じなのが辛いところです。

さて、次回はメーカーごとに分けての簡単な試乗レビューをまとめたいと思います。

2012年11月25日日曜日

マツダ 3代目新型アテンザ(GJ) XD Lパッケージ(ディーゼル) 試乗レビュー



アテンザセダン1(GJ) ソウルレッドプレミアムメタリックアテンザセダン1(GJ) ソウルレッドプレミアムメタリック


アテンザセダン XD Lパッケージ内装


2012年11月20日に発表・発売されたマツダ新型アテンザ。
今回のモデルは、ハッチバックの「スポーツ」のモデルがなくなったものの、ディーゼルエンジン、6MTの設定があり、とても楽しみなモデルでもあります。
早速 ディーゼルエンジン仕様の「XD Lパッケージ」のアテンザセダンに試乗させてもらいましたので、今回は試乗インプレッションについてまとめたいと思います。

試乗させてもらったグレードは、前述のとおり「アテンザセダン XD L Package」です。
ディーゼルエンジンの6ATで、レーダークルーズコントロール、リアビーグルモニタリングシステム、その他のマツダの安全装備をフル装備で、電動・レザーシート仕様にヒートシーターまで標準装備の最上級グレードです。
最上級グレードの車体価格は税込340万円という、中々プレミアムな価格になっています。

まずはその外観から。
第一印象は「デカイ」です。スペックからも大きいことは分かりますが、実際に見るとやはり大きいです。
車体のデザインについては、カッコイイと感じました。写真で見ていた時から、洗礼されたデザインで個人的にも好みな感じはありましたが、実物もとても素晴らしいデザインと感じました。
CX-5から始まった新しいシグニチャーウィングが「あぁ、これが新しいマツダの顔なんだな」と感じさせてもくれますね。
ボディカラーはアテンザのイメージカラーで、オプションカラーでもある「ソウルレッドプレミアムメタリック」でした。
とにかく鮮やかな赤色です。
至近距離で見ても「キラキラ」感はあまり感じないのですが、遠目から見た時の印象が光の当たり加減で結構変わりそうな衣装がありました。
ぽんの乗っているアブレイズレッドパールのスイフトスポーツと比べても、そのレッドの深みには大きな差を感じてしまいました・・。

タイヤサイズは225/45 R19の19インチアルミホイールを履いており、タイヤ銘柄は、ブリジストンのTURANZA(トランザ) T001というものでした。

早速車に乗り込んでみます。
内装はレザー仕様で、内装カラーはホワイトでした。内装がホワイトであるためか、車内が明るく感じて広さを演出しているようにも感じました。
運転席に座ってみます。シートの調整は全て電動式です。シート右側にあるレバーの調整で細かなシートポジションのセッティングができます。
手動式ですと、予め決められている窪みまでスライドして調整するように、調整幅が決められていることが殆どですが、電動式ですとミリ単位での微調整が可能ですね。これはとても便利であると感じます。
それと、シートヒーターが運転席と助手席に装備されており、温度調節は3段階になっていました。センターパネル内にあるボタンで調整する形式でした。

シートはレザー仕様になっており、質感の高い仕上がりになっています。シートはやや大きめに作られている印象を受けました。
シートに座った時の印象は硬めな印象がありますが、妻曰く「硬めの低反発クッションのような印象」と話していました。硬めなんだけれども、疲れにくいという印象を受けたのかも知れません。

ステアリングには様々なボタンが装備されています。また、パドルシフトも装備されています。
エンジン始動はプッシュボタン式で、ハンドルの左側に付いています。アクセルを踏みながらこのボタンを押すと、ディーゼルエンジンが始動します。

エンジンを始動してみて、ディーゼルエンジンっぽさがあるかどうかですが、まずはその音。
音は「ガラガラ」と聞こえてきて、CX-5の時よりもその音が大きく感じて「あれ、ディーゼルっぽい音が結構聞こえるなぁ」と思いました。
振動については、CX-5とそれほど違いは感じませんでしたが、アテンザにはそれにプラスしてシートを通じて振動が伝わってくる印象があるように感じました。
このディーゼルエンジン特有の音と振動ですが、助手席に座った時の印象が運転席に座った時とは異なります。
助手席に座ると、このガラガラ音やシートからの振動がほとんど感じられず、助手席であればガソリンエンジンかディーゼルエンジンかの区別はつかないなぁと感じました。
運転席と助手席でのこの印象の違いは、エンジンのレイアウトによるものかも知れないそうです。(営業さん談)

アクセルペダルはCX-5と同様にオルガン式です。そのどっしりとした踏みごたえがとても好印象です。
アクセルを踏み込んでいった時の印象もとても良くて、吊り下げ式のアクセルペダルよりも疲れにくいですし、操作しやすいように思います。

ブレーキについては剛性が高い印象で、踏み込んだ時の手応えもしっかりしています。ブレーキペダルのストロークはあまりないように感じて、短いストロークの中でブレーキの効き具合を調整をするような印象を受けました。
車両重量が1510kgですが、ブレーキの効き具合は充分で、重い車体もしっかり止まるブレーキ、という印象でした。

さて、ディーゼルエンジンですが、アクセルを踏んで車が走りだすと、アイドリング時よりも「ガラガラ」音が更に大きくなるように感じます。この辺りの印象もCX-5とは異なる印象を受けました。

ディーゼルエンジンはCX-5と同じ2.2リッターのモデルですが、そのセッティングは異なるようでCX-5の方がスポーティーなセッティングで、アテンザの方がジェントルマン(?)なセッティングなのだそうです。
具体的にどこが違うのかなのですが、CX-5の方が加速時のターボ(ぐわっと急加速するような)を強く感じさせるセッティングになっており、アテンザの方はそれを抑えめにして、スムーズでフラットな加速をするようにセッティングされているそうです。

加速は本当に凄いです。アクセルを踏み込んだらあっという間に80kmを超えてしまうような印象で、その加速力には圧倒されてしまいます。それでいて、上述の通りに確かにフラットでスムーズな加速をしてくれるのです。
この爆裂な加速力があることで、運転する上でのストレスを感じる場面は一切ないように思います。
追い越し車線での加速や、高速道路での合流などではその素晴らしい加速が快感になるのではないでしょうか。
高速道路での合流なんかでは、下手をしたら加速し過ぎて合流前する前に、高速の左側車線を走っている車を追い越してしまいそうな勢いすらありそうです(^_^;)

ステアリングは結構軽めな印象を受けました。ステアリングの応答性は機敏性よりも、ややゆったりした反応を示すようなフィーリングだったように思います。ステアリングインフォメーションは適度な印象で、希薄でもなく濃密過ぎでもなく、必要な情報は伝わってくるように感じました。
けれども高速安定性はとてもありそうな印象もあって、軽めだけど安定感を感じさせるような、なんとも不思議なステアリングの印象でした。
試乗コースが直線が多いところで、カーブなどをあまり試せなかったのですが、緩いカーブを曲がった印象ではある程度ステアリングを切り込んでからの印象は、やはり機敏性はないものの、ステアリング操作に対して忠実に曲がっていく印象で、そこにキビキビ感のような演出なども感じさせません。あくまで自然に曲がっていく感じです。
これは、従来のマツダらしいステアリングの印象とは違うものかも知れません。
それでいながら、カーブを走り抜けるのが楽しくなるような印象はこれまでのマツダ車と同様に感じることができそうでした。
この辺りは、自動車作りの基本にブレがないことを感じさせてくれるメーカーであるなと思います。

アイドリングストップについては、エンジンストップする時はとても自然で、再始動もスムーズで全く違和感はありません。再始動時の振動も気になることはありませんでした。
「おや?」と思ったのが、信号停止する場面は結構あったのですが、アイドリングストップが始動する場面が少なかったことです。車が停まってもアイドリングしたままの状態、という場面が何度かありました。もちろんアイドリングストップ機能は「ON」になっています。
アイドリングストップは、ある程度の条件が揃わないと始動しない訳ですが、マツダの営業さん曰く、「今日はアテンザ試乗のお客さんが多くて、短い距離を走ることを繰り返したので、煤が溜まったのかも知れない。その煤を自動除去しているのでアイドリングストップが始動しないのかも」とのことでした。
なるほど、ガソリンエンジンとは異なる点はこのようなところからも感じます。

パドルシフトについては、記憶が曖昧なのですが、ステアリング左にあるパドルシフトを手前側に押すとシフトダウンで、ステアリング右にあるパドルシフトを手前側に押すとシフトアップだったと思います。
また、シフトが「D」のままでも操作が可能でした。
「D」の状態で、パドルシフト操作をすると、最初に「3」などのギア表示に切り替わり、引き続きパドルシフト操作をすることで、シフトアップ、ダウンができます。
そして、しばらく操作をしないと自動的に「D」表示に戻る動きをしていました。
もちろんシフトレバーの中にはマニュアルモード用の位置もあるので、シフトレバーをここに移動させれば、完全なマニュアルモードでの操作になります。

アテンザのATの完成度はとても高いように感じて、パドルシフト操作は本当におまけ程度かもかも、と思ってしまう程でした。アクセル操作に対して、こちらの意図する動きをきちんとしてくれる感じがします。
パドルシフトでシフトダウンして、加速!ということをしなくても、アクセルを踏み込むだけで、爆裂加速をしてくれる感じでしょうか。とにかく「自動」の精度が高いという印象を受けました。
また、変速ショックもほとんど感じられなくてとてもスムーズにシフトアップ、シフトダウンをしてくれる印象がありました。
※「D」モードで走行している際の印象です。

乗り心地については、19インチにしてはとてもマイルドです。それなりのゴツゴツを拾ったりはするものの、うまく抑えこむように仕上げているというか、快適性を感じる乗り心地になっていると感じました。
17インチアルミホイールもオプションで選べるようですが、こちらを選択すればより乗り心地は向上するのは間違いありません。
が、ぽん的には19インチがアテンザの車の性能を考えても最適であるように思います。

また、レーダークルーズコントロールというのも試させてもらいました。
スピードメーターの右隣りにある画面上に、車のマークが出ることがあって、このマークが出ると前に走っている車を「捉え」たということになるそうです。
ここで、レーダークルーズコントロールをセットすると、セットした速度で自動的に走ってくれて、前の車が減速するとそれに合わせて減速、加速をしてくれます。
信号が赤になって前の車も停止のために減速していくと、アテンザはブレーキ操作を一切しなくても減速してくれて、時速が15kmくらいになると「ピー」という音でブレーキを踏むように知らせてくれます。
完全停止まではしないようで、最後は「人」による停止操作が必要なようです。
このシステムが付いている車には初めて乗りましましたが、自動で減速してくれたりと中々感動してしまいます。
最後の操作は「人」が行うのも、理にかなっているようにも思いますね。

また、ハイビームコントロールシステムというものも装備されており、前車や対向車がいるときは、ロービームで走り、それらがいない道路では自動的にハイビームにして走ってくれるシステムです。
これも使わせてもらいましたが、中々に便利な機能でした。もちろんこのモード自体を「OFF」にすることも可能で、「手動派」の人は従来通りの手動操作が可能です。
このシステム、とても便利なのですが今回試乗した時に「対向車と前車はいないけど、向こうから自転車が走ってくる」場面があって、その場合はハイビームで走り続けてました。
ハイビームは自転車にとっても眩しくてしょうがないというのは、ぽんが自ら経験しているので、ちょっと申し訳なさを感じてしまいました(^_^;)

試乗では妻が後部座席に座っていましたが、後部座席の広さはとても広くて、乗り心地も快適でとてもよかったと話していました。「高級車に乗っているようだった」そうです。うむ、アテンザは確かにマツダの高級車です・・。

それと、車体については運転していてもやはり大きいです。ちょっと狭い道に入った時などはやはりその大きさを痛感してしまいました。
車幅が1840mm、全長もセダンで4860mmと、かなり大きいサイズになるため、「慣れ」でカバーできる範囲なのかどうかも、購入する際には要確認項目になるかなと思います。


さて、試乗レビューについてまとめてきましたが、足回りについてどうなのかについては、今回の試乗の中では確認する場面がほとんどなくて、レビューにまとめきれていません。
これについては、「クリーンディーゼル実車体験試乗会」に参加予定なので、そこでアテンザを乗った時に確認できるかなと思います。これについては、また改めてまとめたいと思っています。

さて、アテンザの現在の納期についても聞いてみたのですが、現在の納期は3ヶ月待ちとのことでした。

CX-5に続くフルスカイアクティブ搭載のアテンザ。
CX-5もとてもよかったですが、アテンザも中々素晴らしく仕上がっているように思いました。6MTのグレードがあることも、とても嬉しく思います。
全体的に、アテンザの方がCX-5よりも落ち着きのある走りをするように思いました。これはマツダの「プレミアムモデル」という位置づけからくる味付けなのかも知れません。しかしながら、運転の面白さも感じられそうなのはハンドリングなどは、とても好感が持てます。
また、ディーゼルモデルばかりが注目されがちですが、マツダ社内のアテンザ研修会?に参加した営業さん曰く「ガソリンエンジンモデルが中々いい」そうです。
CX-5のガソリンエンジンモデルも、スポーティーでとてもよかった印象がありますが、アテンザについてもガソリンエンジンモデルならではの良さがあるのかも知れません。
6MTモデル共々、今後乗り比べられる機会があれば乗り比べてみたいと思っています。

※クリーンディーゼル実車体験試乗会でのGJアテンザの簡単な試乗レビューをまとめましたのでご参照下さい↓
マツダ新型アテンザ、CX-5(2WD) 試乗レビュー(クリーンディーゼル体験試乗会にて)

※新型アテンザ XD 6MTモデルの試乗は↓をご参照下さい。
マツダ 3代目アテンザ(GJ) XD 6MT 試乗レビュー

2012年11月7日水曜日

ホンダ 第二世代 CR-Z(マイナーチェンジ後) (α・Master label)[6MT] 試乗レビュー


ホンダのCR-Zがマイナーチェンジを受けて、2012年9月28日に発売されました。「第二世代 CR-Z」と言うみたいですね。
今回はそのCR-Z α マスターレーベル(6MT)の試乗レビューというか、感想についてまとめたいと思います。

試乗車のCR-ZはそのほとんどがCVTで、6MTの試乗車は県内でも1ヶ所しかありませんでした。
今回はそこまで行って試乗してきました。
※ちなみにマイチェン前のCR-Zには乗ったことがありません。

今回試乗したのは、「CR-Z α マスターレーベル」です。
タイヤは「205/45R17」サイズの17インチアルミホイール仕様です。
タイヤの銘柄は「ミシュラン パイロットスポーツ3」を履いていました。タイヤのチョイスもこのクルマには合っているなぁと感じますね。
試乗車のボディカラーは「プレミアムノーザンライツバイオレット・パール」というオプションカラーのものでした。
太陽光が当たっている所で見ると、深みのあるキラキラ感があり、上品で、落ち着きのあるカラーでした。カッコイイですね。

さて、早速クルマに乗り込んでみます。
まず、後部座席には妻が乗り込み、助手席にはホンダの営業さんが乗り込みます。
後部座席は足元がものすごく狭いです。前席も前寄りにスライドさせておくことで、かろうじて後部座席に座れるようになる感じです。当然、前席も狭くなります。
また、リアに向かうほど天井も低くなる形状なので、後部座席は大人は長時間どころか、数分でノックアウトされそうな勢いです。
試乗後に妻に聞くと「とてもじゃないけど、後部座席は乗れたもんじゃない」と言っていました。
後部座席は荷物置き場か、子供用シートと割り切った方がいいようです。

さて、運転席に乗り込んでみますが、ドライビングポジションは程よく低いポジションになります。ですが「86」程は低くはない印象です。それでも充分低いポジションで、スポーティさはとても感じられるものでした。シートのホールド感や、囲まれ感もバッチリで、この辺りでのスポーティさの魅せ方はとても上手だと思います。

走行モードは「ECON」「NORMAL」「SPORT」の3つのボタンが運転席の右側の方にあります。
※試乗コースは短いため、NORMALとSPORTしか試しておらず、殆どがSPORTモードで走行ています。ました。

このモードによって、アクセルレスポンスであったり、トルク感、ステアリングの重さが変わるようです。

シフトフィールですが、ストロークはやや短めな印象です。シフトノブは操作は軽い力で小気味よく入る感じです。
クラッチペダルを踏み込んだ時の印象は、適度な手応えがある感じです。
重い、軽いどちらにも当てはまらず、適度な反力があって「操作している」という意識を持てる絶妙なバランスだと思います。
ですが、これまでにスポーツカーを乗り継いでいるような人からみると、「軽い」と感じるとも思います。
ぽん的には丁度いい手応えを感じられるセッティングだと思いました。
アクセルペダル、ブレーキペダルも同様で、その重さについてはやはりバランスのいいセッティングだと思います。

シフトを1速に入れて、踏み込んだクラッチペダルを離していくと、やや奥寄りから繋がり始める印象です。
繋がり始めも自然な感じ。また、半クラのエリアがやや多めに感じました。
MTをしばらく乗っていなかったような人でも、操作しやすい印象を受けます。

走りだしてみて感じるのは、やはりそのトルクのチカラ強さ。
この辺りはさすがにハイブリッドらしさが感じられる部分ですね。1.5Lとは思えないトルク感があります。

それと、第二世代CR-Zで追加された「PLUS SPORT システム」。
このプラススポーツボタンは、ステアリングの右下の方(4時の方向)に「S+」というボタンが搭載されています。
「瞬時に力強い加速を実現」と謳っているシステムです。時速が30kmを超えると使えるようになるかたちです。
実際にギアが2速で30km以上になったところで、このボタンを押してみると、「ぐわっ」っとした加速が味わえます。
最初は「おぉ!」と感じます。この時、加速Gも感じられて身体はシートに吸い付く感じを少しだけ体感できる感じがしました。
このボタンは、ボタンひと押しでフルスロットル・フルアシストを持たせるもののようなので、街中で使ったりするとちょっと危ないのかなぁなんて思ったりもします。
それと、4速、5速でも、このボタンを使ってもみましたが、その時はあまり加速の変化はありませんでした。
高いギアや、スピードが乗ってしまってからだと、あまり効果がないのかもしれません。
低速の時にボタンを押した方が、よりその加速感を味わえる感じですね。

使い用途としては、追い越し車線や高速道路の合流地点、角度のある坂道辺りでしょうか。
システム自体はとても面白いなぁと感じます。

営業さんに了解をもらって、2速からエンジンを少し引っ張ってみました。大体4000~5000回転くらいまでだったでしょうか。
思ったほどエンジン回転が伸びない印象がありました。
回転はスムーズに回っていくのですが、回転が上がる速度がゆっくりという感じでしょうか。
タコメーターの針を見ていても、針の進みが遅いような感じです。
トルク感は回転数に関係なく、一定のパワー感を感じられる印象がありました。
また、エンジン音、排気音というのでしょうか。車内に聞こえてくるその音は、やや低音の「ぶうぉぉぉ~ん」という音で、スポーティな音を聞かせてくれます。エンジンを引っ張った時の車内は、これらの音に包まれる感じですね。
とても心地いい音であるように思いました。

ブレーキについては、しっかり効いてくれます。
ブレーキが効いている感じがしっかりと足の裏に伝わってくるので、ブレーキの効き具合がよく分かり、また、ペダルの踏み足しなどの細かい調整にもきちんと応えてくれる印象です。ブレーキ操作だけでも、一体感が感じられるように思いました。

それとステアリングのどっしりとした手応えが素晴らしいと感じました。適度な重さとインフォメーションがあって、とても好感触なフィーリングです。
カーブでもそのどっしりした手応えは変わらず、ステアリングを切った時の車体が曲がる応答性もとても良く、ロールもしないで走りぬけてくれます。
また、路面にピタっとくっついているような印象を受けるその足回りは、高い速度域でのコーナーでも破綻しない安定感を予感させてくれました。。
また、17インチでありながら、その乗り心地も中々のもの。試乗コースでは不快な突き上げなどは感じませんでした。
この乗り心地と、路面にくっついているような印象は、「パイロットスポーツ3」というタイヤの恩恵も相当にあるのではないかと思われます
※ちなみに、上記で書いたステアリングの手応えの良さは「SPORT」モードの時のものです。「NORMAL」モードではステアリングも軽めになって、応答性も落ちてしまい、スポーティさが一気にダウンしてしまう印象がありました。

それと忘れてはいけないのがアイドリングストップ。
気づかない内にアイドリングストップしていました。再始動時の振動や音も少ないです。

気になる所といえば、後方視界の悪さでしょうか。
車の形状からして、あまり期待はできないように感じますが、やはりその通りという感じです。死角もそれだけ多いのかなぁと感じます。

それと、一般道を普通に走る限りでは、とても静かです。乗り心地も悪くないですし、全体的に上質な車である印象を受けます。
「ちょっとスポーティに走りたい」というときは「SPORT」モードにしたり、引っ張ったりする訳ですが、その時のアクセルレスポンス、ステアリングの手応え、そして車内に聞こえてくるエンジン音などが、気持ちを盛り上げてくれることに一役買っています

エコとスポーティさと、ハイブリッドによるパワーが組み合わされたCR-Z。
オーナーが走りに対して、色々な選択肢が与えられたクルマだと感じます。
それは3つの走行モードであったり、「S+」のボタンであったりする訳ですが、ボタンひとつでクルマの特性や性格が「なんとなく変わる」とかではなく、「大きく変わる」のが面白いところです。

わずかな時間の試乗でしたが、とても楽しく運転させてもらいました。

2012年11月6日火曜日

ホンダ N-ONE試乗レビュー(プレミアム ツアラー Lパッケージ)(JG1)

N-ONEプレミアムツアラーLパッケージ

ホンダ N ONE(プレミアム ツアラー Lパッケージ) 試乗レビュー
2012年11月1日にホンダから N ONEが発表されました。
ホンダの軽自動車 「N」シリーズの第3段ですね。
既に「N BOX」「N BOX +」が売れている訳で、認知度はもう結構高いような気もします。
今回はその 「N ONE Premium Tourer Lパッケージ」の試乗レビューというか感想をまとめたいと思います。

ホンダのディーラーには、元々第二世代「CR-Z」の試乗に行ったのですが、ちょうどN ONEもあったので乗らせてもらった感じです。(第二世代 CR-Zの試乗レビューは後日まとめたいと思います)

さて、「N ONE」ですが、ディーラーにあったのは最上級グレードの「Premium Tourer Lパッケージ」です。
とにかく装備充実のプレミアム車ですね。エンジンはターボで、装備ではサイドカーテンエアバッグ、パドルシフト、クルーズコントロールまで付いています。

タイヤは15インチアルミホイールで、165/55 R15というサイズです。タイヤはブリジストンの「B250」というものでした。「B250」がどんなタイヤなのかですが、調べた限りではエコ寄りのスタンダードなタイヤで、特にこれといった特徴はなさそうなタイヤっぽいです。が、詳細は不明です。

早速車に乗り込んでみますが、まずはその内装の質感に驚愕します。軽自動車という感じがまったくしないほどに、上質感が漂っています。そこら辺のコンパクトカーも圧倒しています。
内装の作りが違うだけでも、運転中の気分がなんとなくリッチなになる不思議。
この内装は毎回車に乗り込むたびに、気分が盛り上がるのではないでしょうか。内装だけでも一味違う雰囲気を楽しめると思います。

シートはベンチシートになっています。シートはやや硬めの造りになっており、長距離運転も想定したシートになっているように感じました。背もたれにはホールド感を持たせるように、両サイドが少し盛り上がった形状をしていますが、ベンチシートということもあり、それほどのホールド感は感じられなかったように思います。

意外に感じたのが、ワゴンっぽい車種なのに運転席に座った時の印象はワゴンっぽさがなくて、普通車に乗っているような印象を受けました。上から見下ろすような視界ではなくて、一般的な車に乗り込んだような視界ですね。
ワゴン系に普段乗っていない人でも、違和感は感じないと思います。
ドライビングポジションは、チルトステアリングも付いており、自由度の高いポジションが取れます。

ミッションはCVTです。このグレードには7速パドルシフトも付いています。
パーキングブレーキはフット式でした。
エコ運転を支援する「ECON」ボタンが付いていましたが、今回の試乗ではNORMALモードで走行しました。

早速走りだしてみますが、出だしではクリープ現象がありませんでした。アクセルを踏まないと全然進まなかったのは、マニュアル車のような感覚で個人的には好みです。
エンジンは中々静かです。
アクセルを踏めば、それに応答して軽自動車以上のパワー感で前に進んでくれます。あまり踏み込まなくてもしっかり前に進んでくれます。
アクセルを踏み込んでいっても、そのパワーの出方はとてもスムーズで、リッターカーに乗っているような感覚がありました。
また、回転数だけ先に上がってしまうような感覚も抑えられていて、アクセルとエンジンの回転数とミッションの感覚は良好だったように思います。
また、アクセルの操作は重くもなく、軽すぎでもなく、一般的な感覚でした。

ステアリング操作はとても軽いです。ステアリングを切った時の手応えも薄い印象で、ステアリング操作との一体感はあまり感じられず、ステアリングフィールはあまりよくなかったように思います。
けれどもカーブではロールするような感覚はよく抑えられている感じはありました。

ブレーキフィーリングは普通な感じです。カックンブレーキまではいかないけど、初動制動はやや強めなセッティングだと思います。
また、ブレーキの効きの調整幅はあまりないように感じたので、ブレーキ制御を細かく調整を行えるような感じではない感じです。あくまでただ「止まる」ための機能という感じがします。

営業さんの話しによると、N ONEの開発者さんは高速道路を不安なく走れる車に仕上げたとのこと。
けれども、ハンドルが軽くてインフォメーションも薄いため、高速道路での安定性については何とも言えないところかなぁと思いました。
実際に運転してみないと分かりませんが、試乗した限りではあまり期待はできなさそうな印象です。
けれども100kmくらいの速度域であれば不安に感じることもなく、普通に走れるとは思いました。
それと、高速道路での動力性能は期待できそうです。トルク感が強いので、高速道路での緩い坂道なんかで、「アクセルを踏んでも全然進まない」、というようなシチュエーションはあまりないように思いました。
これ1台でどこにでも行けそうな感じがしますね。

運転していて思ったのは「軽自動車」と感じることは全然ないなぁということでした。本当に普通車のちょっと上質な車に乗っているような感覚です。
それは内装の質感であったり、動力性能、落ち着きのある乗り心地から感じられると思います。にかく「安っぽい」感じが全くしませんでした。(最上級グレードだからなのかも知れませんが)

街中を走っていて、不満を感じるような場面に遭遇することはないのではないでしょうか。
普段使っていく中では、満足感を得られる場面の方が多いような気がしました。

けれども、「運転の楽しさ」という観点から見てみると、最上位車種で15インチのタイヤを履き、エンジンはターボを搭載しているものの、運転そのものにスポーティさは全くなく、運転の楽しさを感じるのは難しいかなぁと思いました。
やはり「実用車」の部類に入ってしまう感じです。
それを強く感じるのは、やはりステアリングの感覚やブレーキの感覚だったりします。
けれども、この車のニーズから考えると、このセッティングで正解なのかも知れません。

正に「実用車」としての完成形の一つだと感じます。
シートアレンジは多彩だし、後部座席は広いしトランクも中々の容量。スペアタイヤはパンク修理キットにした分、スペアタイヤが入るべきスペースも収納場所として使われています。
装備ではパドルシフト、クルーズコントロール、横滑り防止装置、カーテンエアバッグなんかまであって抜かりなしですね。
「安全装備」であるカーテンエアバッグなんかは、上位グレードだけでなく、下位のグレードでもオプションが選べるようになればいいのになぁとも感じてしまいました。

それとポイントが高いと感じたのが多彩なスタイリング設定です。フロントグリルを変えたり、シールというかチェッカーを付けたり、はたまたシートの柄をアレンジしたりと楽しめるようです。
ボディカラーをツートンカラーのタイプにすると、その組み合わせによっては「あれ、ミニだ」と錯覚するような組み合わせもありますね。
これまでの「N」シリーズの実用性に、個性とお洒落をプラスしたような車だと思います。
これらの日本車らしくない設定ができるのもいいところだと思います。

この車にはイエローとかレッドとか明るいカラーがよく似合うと思いました。ぽんなら迷わずイエローを選ぶかも知れません。

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さて、とりあえず見積りまでもらってみましたが、最上位グレードでオプション諸々を付けると、200万近くの見積になってしまいます。うーむ、スイフトスポーツが普通に買えてしまいます・・。

軽自動車にどこまで投資できるか、というところですね。
ただ、NAエンジンのGグレードは115万円~の設定なので、価格帯の幅の広さも、多くのユーザーを取り込める要素になっていると思います。

それとオプションでちょっとびっくりしたのが、ディーラーオプション。
ディーラーオプションのカタログ掲載価格は、それにプラスして「作業工賃」も発生すると記載があります。
スズキ、マツダでは取り付け工賃込の価格だったので、ちょっとびっくりでした。(これって普通なんですかね?)

それと値引きについては、現時点では無理(0円)とのことでした。
本気で値引き交渉はしていませんが、話を聞いた感じだと値引きはかなり厳しそうです。

試乗に行った日は、N ONE発表後、初めての週末だったこともあり、ディーラーでは絶え間なく違うお客さんがN ONEを見たり試乗したりしている状況で、店内もほとんどのテーブルが埋まっている状況でした。

ホンダのNシリーズ3部作(?)で、ホンダの軽への取り組みと、認知度、そして販売網が確立されたように感じます。

あとは衝突安全性の実験結果が気になるところですね。これは「自動車アセスメント」の結果がその内に出るのではないでしょうか。